【裏工作】英語という巨大産業
こんにちは、語学の裏設定のゆうです。今日は、日本の英語学習は操作されているのでは?というお話についてです。(特に第三章は必見。)
1.良い教材とは、利益を生む教材
・1日わずか5分でペラペラに
・聞き流すだけで英語が話せるように
・ネイティブが絶賛
思わず立ち止まり考えさせてしまう語句を見て、
「買ったら英語力が上がるだろうか」
と思った方は、すでに英語産業の罠に掛かっています。
教材を買いたいあなたは自分の英語が上がるかどうかを考えていますが、教材を売りたい側も同じことを考えているのでしょうか?
おそらく違うはずです。
彼らが第一に考えているのは教材を売ること、つまり利益です。
教材を販売する側の一番の関心事は、
どれだけたくさん教材を売るかであり、どれだけ皆さんの英語を上げられるかではないのです。
彼らにとって教育は慈善事業ではなく、ビジネスなのです。
それゆえ、作成者の立場からすれば良い教材とは「売れやすい教材」なのです。売れやすい教材には当然「売りやすい言葉」がつきものです。それには、楽して英語を習得している姿を想像させる言葉が使われ、その代表例が先程挙げた3つなのです。
次の章では一番最初の「1日わずか5分でペラペラに!」について少し深く見ていきましょう。
2.1日5分で話せるようになる、は明らかに罠
英語がペラペラだと言える語彙数は大体どのくらいでしょうか。人によって分かれると思いますが、多めに見積もって10,000語、少なめに見積もって5,000語でしょう。
ここでは更に百歩、いや三千歩譲って、2,000語だと仮定しておきます。 (先日の辞書入門記事で紹介した最低ラインの英語回路を回せる語彙数です)
2,000語を1日5分で勉強しつづけて英語が話せるようになるのは幻想であるということは、日本語学習に置き換えて考えてみれば秒で分かります。
日本語には、常用漢字と言い、日常生活を支障なく送るために最低限知らなければならない漢字があり、字数にして2136字、それぞれの音読みと訓読みの数をカウントすれば4388通りあります。
この2,000を超える漢字を、日本語を知らない外国人が1日5分だけ勉強したら、数ヶ月で日本語ペラペラになれるでしょうか?
1分間で漢字を1つを勉強するのはまず無理でしょうから、1日5分どんなに急いでも、多くても日に2つしか勉強できないでしょう。仮に半年このペースで勉強しても、360漢字程度が関の山です。
これを英語学習に置き換えても同じです。
1日5分の勉強でペラペラになれる姿は、日本語学習においてでも英語学習においてでも想像できません。中身が薄くてペラペラの会話をしている姿なら想像できますが。
ただ、全ての教材作成者が悪質であるわけではないのです。
悪貨良貨を駆逐する、で知られているグレシャムの法則の通り、同業者の参入が増えてくると、悪質なもの・低質なものが増えてくるのは真理です。英語業界でも例外ではなく。
このような視点で、身の回りの広告を見回してちょっと考えれば胡散臭い広告がゴロゴロ転がっていることに気づくはずです。健康食品、化粧品、医薬品、開運グッズ、等など分野は問いません。
大まかな傾向として、売りたいがために印象操作をしたり、あたかも効果が出たかのように感じさせる様々な手法が使われています。
英語教材ならば、あたかも英語が話せるようになったと錯覚させたり、満足感を手軽に与えることでクレームが出ないようにするあの手この手が用意されています。
本当の意味で良心的な教材もあるのですが、売るための教材の海に溺れてしまっているのが現状です。こうした良質の教材を見極め、発掘することができる目を養うことが英語学習者の私達にとって必要です。
以前、良質な教材・教師を自力で発掘する術について記事にしましたので、こちらが参考になるかもしれません。
3.病人を作れば薬は売れる、英語も同じ
製薬産業と英語産業は、自作自演という点で似ています。
病気の人を増やす→解決策として薬を売る
英語できない人を増やす→解決策として教材を売る
教材に、売るための教材があるのと同じで、実は薬にも売るための薬があり、製薬産業と英語産業の手口は非常に似ています。
一言で表せば、「必要とする人を作り出すトリック」で、問題を作る側と解決する側が同じサイドであるという恐ろしい状況です。
以下では、製薬産業の闇を通して、英語産業が用いているトリックを解説します。
(最初に一言断っておきますが、筆者は医療業界の専門家では無いので医学的な説明は正確ではないかもしれません。しかし主なトピックは依然として英語の教材ですのでその話をする上では差し支えは無いはずだと思っています。)
・一晩で患者数を20倍に増やした黒魔術
アスペルガー症候群はご存じでしょうか。
初めての方向けに簡単にざっくり説明すると、知的能力は普通なのに、人間関係が苦手な状態のことで、KYとか、コミュ障などと揶揄されることが多いです。しかし、人間はグレーゾーンが多い生き物ですから、明確に診断するのは難しく、昔は明確な診断基準がありませんでした。
アメリカの話になりますが、一夜にして国内のアスペルガー症候群の患者数が20倍に膨れ上がるという珍事が、診断基準書の「DSM(精神障害の診断と統計の手引き)」を改定することで起きました。
今までせいぜい予備軍程度だとされていた人が、診断基準が変わったせいで急に不健康な人の括りに入ったのです。こうして、一晩で大量のアスペルガー症候群の患者が作られました。
基準の制定はお偉い方のお医者さんの間だけで行われ、一般の人は自分は「作られた患者」であることを知らずに病院に殺到し、診断を受け、次々とアスペルガー症候群というレッテルを張られるという事態に。
医師に治す必要があるといわれ、結果薬を飲むようになったのですが、元はというと問題がなかった人々です。風邪を引いてないのに風邪薬を飲んだら本当に具合が悪くなるのと同じで、処方された精神薬で次々と本物の精神疾患を持つようになり、本当に薬を必要とする人になってしまったのです。
この一連の出来事で一番儲けたのは誰でしょうか?
病院でしょうか。確かにそうかも知れませんが、一番儲けたのは製薬会社だと噂されています。
詳細は定かではないのですが、
製薬会社が診断基準改定に関係していたとか、
製薬会社がアスペルガー症候群を広めるためにキャンペーンをしていた
などという話もあるようです。
これが英語とどう関係有るか、カンのいい人はもうお気づきだと思います。
あなたが英語を勉強しないといけないと思っているのは、あなた自身の純粋な動機でしょうか。
それとも、マーケティングや他人に誘導されて「作られた」動機なのでしょうか?
薬を売って儲けたかったら無理に病人を増やせば多いのと同じように、英語で一儲けしたかったら英語を必要とする人を増やし、教材をちらつかせたらいいのです。
この「英語を必要とする人を無理に増やす」テクニックにはどんな物があるのでしょうか?
知らない内にハマっているかもしれない、レッテル貼りの術を2つ挙げます。
4.グローバル化が進んでいるから...と英語の必要性を植え付ける
新聞、ネット記事、テレビ、電車の車内広告。
宣伝によって「あなたは英語が必要です、できなきゃダメなんです」というレッテル貼りの工作を仕掛けてきます。
その口実がグルーバル化の波に乗り遅れるというものですが、グローバル化が進んでいるから、日本国民全員に英語が本当に必要なのですか?
マーケターの人はよくわかっています。
「日本がグローバル化の波に遅れる=あなた個人が遅れている」
このように思考誘導する文句を、あの手この手で、あなたの頭の中に叩き込みます。
海外からのお客さんと廊下で顔を合わせた時に一言か二言の英語しか話さない人が、TOEIC必要ですか?
道を尋ねられた時に英語で返せないと格好悪いから、英語を勉強するのですか?
英語が大好きなら話は別ですが、英語が嫌いで使う機会もないのに、周りが勉強しているからと自分も勉強する、というのは英語を勉強する理由として正当ですか?
必要ない英語なんかやめて、もっと有意義なことに時間を使えるはずです。
広告は、あなたのその時間を狙っているのです。
それが広告主の思惑です。
感情論になるかもしれませんが、好きなことを我慢して、周りに流されて嫌いな英語をイヤイヤ勉強するのは生き方としてダサいと思います。
5.劣等感を植え付ける【←これこそ注意】
外国の方と英語を話そうとしている日本人が全く英語を話せず落胆しているシーンの広告を見せられ、きっと自分も同じ状況だったらそうなるんだなぁと連想したことはありませんか?
ここで先程の「英語くらい必要だ」のレッテルとの相乗効果が生まれます。
英語くらい必要だ→でもできそうにない→そのギャップに劣等感→英語を勉強しなければ
尚、そういったシーンに登場する外人さんは美男美女で、一般消費者の手が届かない存在ですから、見させられる側の劣等感を強める働きがあります。劣等感から解放されたいがために、痛め止め感覚で教材を買うことを促しています。
今勝手に名付けましたが、これを「劣等感マーケティング」と呼びたいと思います。
劣等感をバネに努力して花が咲く事例もありますが、劣等感が強烈な願望に変わった時くらいで、クヨクヨしながら勉強しても花が咲くことはまずありません。
宣伝する側が自分たちで問題を作って、資金力を糧に、劣等感を媒介として英語学習の必要性を広めて、薬(教材)を売っているに過ぎません。
他人が無理やり作った、軟弱地盤の英語を勉強したい気持ち。
そんなもの捨てませんか?
もちろん、中には本当に良心的な教材制作者もおられますが、私が一番主張したいのは、これを機会に今一度英語を勉強したい動機を確認してみてはどうでしょうか、ということです。
あなたが英語を勉強したい理由は、英語産業由来のなのか、それとも自分由来なのか。
胸に手を当てて考えてみてください。
英語を勉強したいというモチベは、操作されたものなでしょうか。
もし、皆さんのお知り合いの中で英語産業の思惑に掛かっている人が居たら、当記事のシェアをお願いします。
当記事が皆さんの糧になったことを祈って、
それではまた!
PS
もし、英語のやる気にあふれている人が居ましたら、以前お金をかけずに英語力を上げる連載を書きましたので、参考になるかもしれません。
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