浪人生雑記〜浪人確定編〜
2018.3.9の朝。いや昼。
「あー寝過ごした。12時半か。合格発表でてるじゃん。」
わざとらしく大きめの声で呟いた。心臓が鼓動する音が聞こえる。合格発表は地上300Mハルカス展望台で見ようなんて思っていたが、出かけるのが面倒で結局布団の中にうつ伏せになって拝見することにした。人間がとりうる最悪の体勢だ。サーバーが繋がった。自然と息を止めた。
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自分の番号はなかった。代わりに一つ前の座席で試験を受けた茶髪イケメンが受かってた。
サンキューの日にめでたく浪人が確定した。ノーサンキューだこの野郎。ちなみにこの日は父親の誕生日だっだ。「今年の誕生日プレゼントは何かわかってるよな?」と以前から圧をかけられていたのだが、ご期待には添えなかった。代わりに浪人のための予備校費100万円の請求をプレゼントだ。申し訳ない。
Twitterを見てみると # 春からX大 というツイートでタイムラインが埋まっていた。Xに自分が落ちた大学を代入して検索してみた。ゴロゴロ出てくる。THEリアルが充実!って感じのアイコンの方々が
みたいなツイートを挙ってしていた。終いには座席が前だった例のイケメンも出てきた。どうやら河合塾で浪人してたらしい。
こんな風に自分で自分にメンタルパンチをくらわせても、正直一浪まではアリかなと思ってた部分もあり来年も受験生か〜程度で済んだ。さして悔しくもなかったし、精神も安定してた。
ところが夜になると体調が急変した。トイレでめちゃくちゃ吐いた。ある程度マシになるとベッドに戻るのだが、すぐに吐き気がぶり返す。トイレとベッドのシャトルラン。あんなに苦しい夜は初めてだった。自然と涙が溢れてきた。
普段から寝つきはかなり悪い方なのだけど、苦しさで眠れないというのは初めてでもう本当に地獄。地獄の苦しみの中で「自分にも人間らしい一面があるんだなあ」なんて考えたりした。結局眠りについたのは5時過ぎでそれまでずっと一人で唸っていた。クマみたいに。
次の日からも地獄だった。常に軽い吐き気がある。食欲が無い。回らない寿司を食べに行ったのに全然食べられなかったり、大好きな友達と古着を漁る約束をしてたのに当日の朝にドタキャンしたりした。
そんな感じでしばらくはボロボロだったのだけど、やはり人間の回復力は凄まじいもので。1週間も経てば普通に生活が送れるようなった。予備校の手続きも済んで晴れて駿台生となり浪人生活が幕を開けたのである
続く