アーモンドアイを疑え【2020ヴィクトリアマイル】

第15回ヴィクトリアマイルの見解です。
まずは、土曜日の東京のレースを見ると、メインレースの京王杯SCで稍重ながら1:19.8をたたき出しました。レコードは昨年タワーオブロンドンが出したものですが、1:19.4と0.4差に迫るタイムでした。

昨年のラップタイムは、12.3 - 10.9 - 11.0 - 11.3 - 11.0 - 11.1 - 11.8
今年のラップタイムは、12.4 - 11.5 - 11.3 - 11.5 - 10.9 - 10.9 - 11.3

おそらく雨の意識があり、逃げたダノンスマッシュが前半35.2のスローペースを作り出し、らくに直線を迎えて、先頭で上がり3F33.1を出しました。
京王杯は稍重でしたが、時計はかなりでていますので、ヴィクトリアマイルでも昨年ほどの時計はでないでしょうが、1分31秒台前半~30秒台後半くらいのイメージで良さそうです。

<展開面>

今回の逃げ候補が、9番セラピア、13番トロワゼトワル、17番コントラチェックの3頭。
セラピアは、出足が早いものの絶対逃げなきゃダメな馬ではないので、おそらく出たなりでしょう。問題は、トロワゼトワルとコントラチェック。どちらも逃げて良績を出している馬なので、是が非でも逃げたいはず。

同じ中山マイルコースでの実績から、トロワゼトワルが京王杯AHで前半33.3、コントラチェックのターコイズSが前半33.9でしたから、枠の差からもトロワゼトワルが展開のカギを握りそう。

ただ、トロワゼトワルはスタートが速いわけではないので、二の足の速いセラピア(前々走の摂津特別で楽に前半33.7で飛び出しました)、コントラチェック(ターコイズでは逃げ争いからかなり遅れた)のほうが安定していますし、コントラチェックはスタートの上手な武豊騎手ですからこちらが先になる場合もあります。いずれにしてもトロワゼトワルが出た場合は、離れた逃げを選択するしか勝機がないので、2番手になりそうなコントラチェックがペースメイクをすることになりそう。

ペースコントロールに長けている武豊騎手なので、コントラチェックに合わないスロー溜め逃げという選択はしないはずです。したがって、コントラチェックの時点で前半3F33.7~34.2程度の間のイメージです。

レースの想定ラップタイムは、前半3F33.8→中間2F22.7→後半2F34.5(1分31秒0)。

余談ですが、近年の東京マイルで1分32秒より速かった重賞の中間2Fは、ほとんど緩まないことが多いです。

<アーモンドアイに死角はあるのか>

不安要素① 昨年の安田記念はフロック?!

不安要素② マイルでは遅いアーモンドアイ

不安要素③ マイルのペース経験に疑問

昨年の安田記念こそ3着に好走しているため、一見マイルでも大丈夫!と思いがちですが、レースではスタートでぶつけられて後方からで、最後の直線のみでのレース参加でした。
そのため、アーモンドアイのレースラップでいうと、前半3F36秒ほどで、上がり3Fは、32.4でしたから、約3.5秒のかなりのスローバランスでのレース運びでした。

では、スタートでぶつけられなかったら、先行できたのか?というと話はそんなに単純ではなく、昨年の天皇賞秋ではスタートで一瞬先頭にでるほどスタートよく5番手でしたが、前半36秒前半ほどです。
マイルG1の勝ち鞍である桜花賞ではどうかというと、前半3Fは35秒後半の最後方待機で、上がり3Fは、33.2でしたから前後半2.5秒のスローバランスです。

これまで前半での追走に速い脚を使った経験がないため、過度にポジションを狙うとかなり危険で、当然脚が溜められなければ弾ける脚を使うことができません。
マイル戦(特に東京)では、道中で脚を溜めるポイントがありませんから、この枠は結構悪いとみています。内枠ならば出たなりでいけますが、外になったためある程度ポジションを探る際に自身ペースが乱れる危険があります。

なので、個人的には、安田記念の好走は後ろで脚をためられたからだと思っていて、3歳時に見せていた後方待機策がハマった形とみています。
したがって、アーモンドアイの戦法としては、経験したことのない前半に脚を使って中団のポジションを狙っていくのか、後方待機策で一発にかけるかを選択することになります。

仮に後方待機策を選択した場合は、安田記念のように中団の馬に出し抜かれる危険性がありますし、中団に位置付けたとしても持続力のある馬たち(ノームコア、プリモシーン)と脚色があんまり変わらなかったということも考えられます。

ここで、さらに有利になる材料が増えました。

それは、馬場です。

先週と土曜のレースをみても前有利が顕著で、さらに内が有利です。こうなってしまうと、後方待機策はかなりのリスクを背負うことになり、巷では牝馬戦は勝ってあたりまえと言われているプレッシャーもあり、どこまで腹を括れるか、かなり難しいレースになりました。
となれば、中団を狙うために脚を使っていく。そしたら案外伸びなかったというシーンも期待できます。

もちろんアーモンドアイは、持続力があってさらに速い脚ゆえに現役最強馬に君臨しているわけですが、東京マイルのスタートからの一貫性のあるラップに対応するのはなかなか難しいです。

果たして、単勝1倍台の確実性があるでしょうか?
今回は、東京の1600mですよ。馬券を買う皆さんならば、何度もこのコースで痛い目にあっていませんか?

そう簡単に一筋縄でいくコースではありません。

勝ったら素直にごめんなさいします。

少なくともここは頭から買う場面ではないとみています。

<結論>

◎ プリモシーン

昨年のタイム差なしのパフォーマンスに加えて、そこから先行できるほど馬が成長しています。レーン騎手の確保もかなりのアドバンテージ。

相手は、2ビーチサンバ、7ダノンファンタジー、12アーモンドアイ、14スカーレットカラー、16ノームコア、17コントラチェック。
※3連系ならもう少し手広くてもいいかもしれません。

思えば、安田記念も同じシルクのインディチャンプにやられましたから、またそういったこともありえるかもしれませんね?

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