碧さんの壺のこと
今回、展覧会3部作で、平面作品のことばかりを描いてきましたが、実は今回の画期的な新作は、壺達でありました。
ベースが陶器で中には釉薬も塗ってあり、花器でもあり、表面はモザイク作家ならではに顔料を混ぜて色を調整したモルタルで仕上げられ、石モザイクも施されている。
これらはずっと前から碧さんの頭の中で温められていた形。
モザイク修行もされていたギリシャの風景。山の中に造られた修道院。
日本で建築の中に埋め込むのではなく、壁に掛ける形で作品を作ろうと思うと、どうしても重量の問題が生じる。
でも立体は?
元々彫刻がやりたかった碧さん。
モザイクと出会うまで、木を彫ったり、石を彫ったりという形で彫刻がやりたくて入った学校で、何故か鉄の彫刻しか選択肢がなくて、それをやっていた。
建築科に進んだかもしれなかった碧さん。
そんな碧さんの全てがググッと凝縮されているのがこれら、今回の「壺」だと、私は思う。
碧さんの中で醸成されていたこれらのイメージが、一気に実現したのには、こんなエピソードがありました。
上に引用している投稿のように、去年の展覧会の時、ご縁あって、韓国人の陶芸家、禹寛壕さんと繋がりました。そしてその時、このプロジェクトの作品達も作っておられるアトリエからZoomでお越しくださったので、碧さんは、この、信じられない数の「作品を来た人にプレゼントする」というコンセプトで作られている作品達が、それ故、「型で造られ、継がれている」、という場面を目撃されました。
それが、ずーっと温めながら、どう形にしてよいのかが判らなかったものに、
「形作って、(半分に)切って、中をくり抜いて、繋げばいい。特に自分の場合、モザイクを施すためだけでなく、ギリシャの修道院の風景を表すためにも仕上げはモルタルでしたいと思っている。だから、継ぎ目も見えない。」という解決策が見つかりました。
そこから形になるのは早いものでした。
ニュートンがリンゴを見て万有引力を思いついたのもずーっと考えていたから、なように、この禹さんの作品、また、制作現場を見て碧さんが閃かれたのも、ずーっと、これを何とか形にしたいと思われていたからです。
禹さんと出会ってから日本語が堪能でいらっしゃる禹さんに少しは韓国語でお話しできるようにと韓国語を習い出した私は、今年も禹さんを展覧会にお招きしようと思いながら、それが覚束ず、なかなかお声がけできずにいたのですが、それを知って、お礼を申し上げるためにもご招待しなければと思い、ご招待させていただいたところ、今年もお忙しい合間を縫ってZoomでお越しくださいました。
そして、無事、碧さん共々お礼を申し上げることができました🧡。
そして、試作品で、モルタルの色が微妙に気に入らなかったものは、こちらにも書いたように、コラボ作品にもなりました。
そうそう。そのコラボ作品の途中経過が昨日明らかになったので、ここにお見せします。
これを見てお分かりのように、実は、碧さんが、思った色が出せなかったとおっしゃっていたのは、この絵の中の薄い色の方で、外の濃い色は、野村さんの手によるものだったことが判明しました!!
それほどしっくり来るように塗られていたのです!!
改めて野村さんの技術に脱帽!
そして、これらの碧さんの壺の習作も、存在感のある立派なコラボ作品へと仕上がったのでした。
碧さんの壺の話はこれにて一件落着。
大雪が心配される中、ここ伏見桃山は、今日も穏やかな快晴です。
展覧会最終日、お待ちしています。