[都市計画学生が見るバンコク②】サンダルとWalkable City
Sawasdeekha!beckです。
最近、大学にサンダルを履いていくようになりました。
今回のnoteは、ちっぽけな感想なんですが、その時にクラスメイトの女の子と話したサンダルに関する話が、walkableの定義や文化的背景とつながるなぁと思ったので共有します。
わたしがバンコクでサンダルを履かなかった理由
東京生まれ、東京育ちの私にとって、大変恵まれていることに「歩行環境が整った歩きやすいきれいな道」は当たり前の環境でした。
決して、バンコクのまちを悪く言うつもりはありません。
でも、
・デコボコで歩きにくく、
・雨季には池と表現しても過言ではないほどの水たまりができ、
・たくさんごみが落ちている
(ごみの写真は撮っていませんでした)
とんでもなく潔癖症の私は到底サンダルでまちなかを歩きたいとは思うことはなく、日本からサンダルは2足持ってきたにも関わらず、この3か月間、一度もサンダルを履くことはありませんでした…。
そんなわたしがバンコクでサンダルを履く決断をした要因
もうこれは単純に毎日30℃を超える蒸し暑いバンコクでの環境に耐えられなかったためです。少しでも通気性のいいものを履いていないと足によくない気がしまして…。(足が臭くなったわけではないですよ!!!)
脳内会議の決断にいたった要因としては、
・バンコクで過ごしてしばらく経ち、1日のうちいつ頃雨が降るかなんとなくわかるようになった(雨が避けられる)
・通学路に関しては、きれいで比較的平らな道を発見することができた(道に慣れた)
つまり、慣れた道で天気が読める日という条件のもと、バンコクでサンダルを履く、ことにしました。
クラスメイトがサンダルを履かない理由が私と正反対だった
私のクラスにもう一人、絶対に大学にサンダルを履いてこない女の子がいました。
私がバンコク・サンダルライフにすっかり慣れてきたころ、私と同じ理由で履いてこないのかなぁ疑問に思い、その理由を聞いてみたところ…。
・カナダ(その子のホームタウン)は道にごみがたくさん落ちていて、サンダルでまちなかを歩く気にならず、そもそもサンダルを持っていない!
・バンコクは、道がきれいだからサンダル買ってもいいかも!
だそうです。これに私はびっくり…。カナダのまちが汚いことにびっくりしたのももちろん。
私は、バンコクの道が、日本よりゴミだらけで、でこぼこで歩きづらいから履くのをためらっていたので、自分の中のスタンダードが変わるとまちの捉え方が変わるんだ…、当たり前のことなのですが、改めてのカルチャーショックを受けました。
Walkable cityと文化的コンテクスト
大学では、よくwalkableに関する議論をします。
皆、口をそろえて、バンコクはUnwalkableと言っていますが、サンダル事件をきっかけに、そのwalkableのレベルは、都市で暮らす人の文化的背景に大きく左右されるのだろうと強く感じています。
例えば、Walkableのレベルを条件が整った完全系をLevel5としたら、ある地域では、Level2のインフラ整備で十分かもしれないし、ある地域では最低でもLevel4まで上げないと歩く人は増えないかもしれない、というような感じです。
実務でも、ある自治体のWalkable施策を手伝う時に、様々な都市で導入される基準・Regulationを引用したり、当てはめたりしますが、必ずしも、世界のとある場所のスタンダードが、自分が対象とするLocalのスタンダードとは一致しないことを強く心に置かなければいけないなと思います。
文化的コンテクストは、なかなか可視化するのが難しいけども、例えばバンコクと東京でも「歩く」ことに関しては、これまでに私が観察した限りでも、だいぶコンテクストが違います。
これらの背景には、
・気候(バンコクで早歩きすると汗びしょびしょ)
・気質(タイの人々は時間にルーズな気がします)
・インフラ(歩行者空間の整い方・transportation systemの違い)
・社会的条件(car oriented・治安が良くない)
・・・
複合的に重なりあうはずです。
そうすると、必ずしも「500m圏内のアクセス」、「15-minute city」とか、どの都市にでも当てはまるのかというとそうでない気がしてきます。
また、都市計画は常に、将来に起こりうることを考慮してなされるべきですが、気候変動をふまえると、スタンダードが変わる可能性だって大いにあります。高齢化が進むことを想定すると、そもそも15分も歩けない年代の方が多くなることだって考えられます。
グローバルのスタンダードを見ながら、ローカルを観察して文化的コンテクストも含めて計画に落とし込んでいくこと、引き続き心がけていこうと思います。
ここまでご覧いただきありがとうございました。
今回は、ここまでで締めたいと思います。
Beck