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【都市計画学生が見るバンコク】Ratchathewiにある公園のデザイン・利用者・利用形態を断面図とSNSを使って考察する
Sawasdeekha! Beckです。宿題・プレゼン、やってもやっても終わりがない…。
本日はバンコクの原宿(勝手に呼んでます)のSiam駅から1駅、Ratcahathewiエリアにある、近年リノベーションされた公園について調べたことや感じたことレポートします。
※Ratchathewiエリアは、ジムトンプソン博物館や格安衣類が集まるプラトゥナムファッションセンターがあるところです。
公園の定義
まず今回のテーマである公園について、定義を確認してみます。
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Coliins、Oxfordの辞書によると、どちらにもPublic Landで、Relaxできる空間であることが定義されています。
この定義を念頭に置きながら、今回の公園が誰のための、どのような空間になっているのか、調べてみました。
開発が進むRatchathewiエリア
このエリアは元々衣料品の問屋街が集まっていたまちでショップハウスや倉庫が多くあったローカルtoローカルのまちだったそう。
しかし、時代の流れに伴い、産業が変化し、交通が水路から陸路メインへと変わり、ここを訪れる人も変わっていきました。
そんな背景と便利な立地条件から、建物が観光客向けのホステルにリノベされたり、ショップハウスのオーナーが土地自体を売り払って大きなコンドミニアムやホテル、複合施設へと建て替わったりしてきました。
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一方で、ショップハウスがそのまま残るなど、比較的安価な家賃で住める場所も多くあり、移民や学生も多くいる、多様な建物と人の集まるエリアです。
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駅前ではなく、少し路地に入ってもショップハウスとコンドミニアムのおかしなコントラストが見られます。
2019年にリノベーションされたChameloen Park
今回紹介したいのは、そんな観光地されゆくこのエリアにあるChameloen Parkです。
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リノベーションの経緯
バンコクでは現在、成長し続けるCreative Economyの強さにとても注目が集まっており、この公園もその流れの中でリノベーションがされました。
○都市に関する用語解説:クリエイティブエコノミー○
大量生産・大量消費・規格生産のフォーディズム型の経済から、人をリソースとするサービス業やIT業などのポストフォーディズム型の経済へ移行した社会で主流となっている産業のこと。アート・広告・デザイン・映像などクリエイティブな人々が中心となる。
タイでは、2003年にTCDC(Thailand Creative & Design Center)が設立したのを皮切りに様々な取り組みがされている。特に、その性質上、タイのブランド価値を高めながら経済成長に寄与するため国の政策の中でも優先順位が高い。
この公園では、リノベーションによって、公園を取り囲む壁一面に、タイ国内外のアーティストによるストリートアートが施されています。定期的に壁は塗り替えられるので、今のアートを見れるのは今だけです。
詳しいデザイン計画などは確認できましたが、昔の写真と見比べると、このほかにも、公園を取り囲む柵ができたり、遊具が新しくなっているようです。
リノベ前(google street viewより)
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リノベ後(google street viewより)
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実際に私が訪れたときの写真はこちらです。
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そして、この公園も例に漏れず、開発のコントラストの真ん中にいます。
4階建ての建築物の壁にアートが施され、その後ろにそびえ立つの55階建ての5つ星ホテルです。
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訪問当日の利用者の様子
私が訪れたのはお昼過ぎの時間で、近所に住んでいるであろう親子と公園内で休む男性たち3名がおり、見かけた外国人観光客は2人。
入り口すぐに、プレハブの小屋があり、管理人さんが常駐しています。
誰かが唐辛子を干していたりもして、観光客向けに整備されてはいるものの、地域の方も使っているように見えました。
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ちなみに、公園のちょうど向かいにあるカフェがあります。
ストリートアートとの関連性をブランドの一つにしている気がしました。Instagramでは、このカフェのコーヒー+ストリートアートの組み合わせの写真がよく投稿されていました。
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公園のデザイン
使われ方に反して、気になったのが排他的な公園のデザインです。
公園の入り口は、新しく取り付けられたゲートによって高い段差があり、子どもたちが遊びに来るには危険に見えます。ベビーカーが来たら?車椅子の人が来たら?
想定されているターゲットがすごく限られているように見えました。
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実はこの公園、メイン通り(BTSの通るPhayathai road)にも面していますが、実際その通りから公園を見てみると、牢獄みたいに見えます。
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また、遊具は限られた園内の5分の1ほどのスペースにまとまっており、それ以外はアートを邪魔しないようになのか、何も置かれていない広場となっています。遊具のあるエリアは大きな木の下にあり、日陰は確保されています。
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遊具は壊れていませんでしたが、ベンチはひしゃげています。
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普段は誰がこの公園を使っているの?Google mapとInstagramから分析してみる
誰がこの公園を使っているのか気になったので、Google reviewとInstagramを使って大まかな利用者層を予測してみました。
Instagramでこの公園をタグつけしている投稿を見てみると、ほとんどがアートを背景にした公園利用です。
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続いて、google reviewの関連するレビューを新しいものから50読み込んで、使われている言語の割合と内容のテキストマイニングをしてみました。
使われている言語の割合
タイ語のレビューは圧倒的に少ないです。またこの地域に多くいるミャンマーの言葉を使ったレビューはありません。
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そもそも日常利用する公園をレビューするか否かと言う視点で見ると考察は難しくもありますが、タイ人が近所の屋台にもレビューを書いているのをみると、相対的に、地元の利用者は少ないと言えそうです。
テキストマイニングの結果
※はじめに、今回使用したテキストマイニングツールが日本語テキスト用なので、全てのレビューをGoogle翻訳で自動翻訳して入れ込んでいるので誤差あり。また、その後、日本語を英語に直訳しているので、文法上の区分が正しくないものもあります。
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共通の単語である'park,' 'Bangkok,','Thailand,'を除くと、そのほとんどが写真・ アートに関連するレビューです。
この公園の周辺にはいくつかカフェがあるのですが、徒歩で行ける観光客向けのスポットはありません。そう考えると、この公園を目的とした観光客がレビューをポストしていると考えて良さそうです。
考察
これらの観察と分析の結果を端的にまとめると。
観光客は長時間滞在せず、一時利用している
地域の方は日常の場として使っている
観光客はアート目的で訪れるが、地域の人は休憩、子どもの遊び場として使っている
デザインのところどころに排他性がみられ、地元民が休んで心地よい、子どものびのび遊べる空間とはいえない
アートの公園といいつつもメイン通りからそのアートが見えないなど、ポテンシャルが十分に生かされていない
これらを踏まえて、初めの公園の定義に立ち返ってみると、
地域の人がリラックスして過ごせる場所とはいえない場所になっています。
公園の定義に基づいて、空間をよりよいものにしていくには、例えば、アートの塗り替えの際に観光客は有料で参加できるようにすることで収益化→公園の環境を地域の方にとってもよりよくするための改修にも使えるかもしれません。
また、ここが経済の循環の1点として改修されたことを考慮すれば、人気はあるものの、メインストリートから見えないなど十分なプロモーションはできていないといえます。例えば、今常駐している管理人さんではなく、周辺のカフェを中にもっていくのも手かもしれません(PFIみたいな)。カフェは利益が欲しい→プロモーションをする→利益が上がる→人がより訪れる→利益の数%を公園の改修に、というサイクルの可能性もあるかも。
クリエイティブエコノミーとしてこの公園を使っていくのであれば、公園をただ飾り、無料で開くのではなく、経済の循環の中に入れることできちんと地域に還元させる仕組みが必要なように思いました。
ただ、観光客が増えすぎるとジェントリフィケーションの問題も発生するので、バランスは必要ですね。
個人的に、ウォールアートがある場所=少し怖いところ、というイメージがあったのでこれまで、長時間を過ごすことがなかったのですが、今回は整備された公園という安心感から、初めてじっくりと見る機会になりました。
それでは、また。
beck
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