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タイでデング熱になった話(2020年のこと)
Sawasdee kha!Beckです。
まだもろもろの手続きが終わらず、長期留学準備編の記事が書けないので、ちょっと違う話!
今回のテーマはデング熱です。
日本では感染者数はあまり多くないこの病気。でも気候変動や海外からの来訪者の増加で日本国内に住んでいても感染する可能性は誰にだってあるのだろうなぁと思います。
デング熱を具体的に知らない方のために、公式のデング熱の症状は、以下の通りです。
・デング熱は急激な発熱で発症し、発疹、頭痛、骨関節痛、嘔気・嘔吐などの症状が見られます。
・通常、発症後2~7日で解熱し、発疹は解熱時期に出現します。
・デング熱患者の一部は、まれに重症化してデング出血熱やデングショック症候群を発症することがあり、早期に適切な治療が行われなければ死に至ることがあります。
実は、私、2020年にタイ滞在中にデング熱に感染してしまったことが…。
今回は、デング熱にかかった時の症状や経過、タイの病院の様子について、当時の記録をもとに、これからタイに渡航する自分への反省とふりかえりも含めてシェアします。
※全く同じタイミングでカンピロバクター菌にも感染したため、2つの病気を同時に治療した話になります。笑
※とっても大ボリュームな記事です!
■診断~入院の経過
①身体のだるさを筋肉痛と思い、マッサージを受ける
2020年のお正月。バンコク滞在中の私のもとに親友の女の子がわざわざ日本から遊びに来てくれていました。そんな大好きな友達とバンコク市内を観光しまくっていたその時悲劇が起こったのです…。
記憶はうろ覚えですが、前日にBang kachao(チャオプラヤ川の遊水地のジャングル)でサイクリングをして疲れた私たちは、市内でのんびりショッピングをしようと、スクンビットにあるTerminal21でお買い物をしていました。
すでにその時から、終始ものすごい身体のだるさを感じていたのですが、前日のサイクリングの疲労が響いているのだろうと思い、ショッピング後にタイマッサージに行きました。(これが悪かったと後で気付く…。=リンパの流れを良くしてウイルスを身体中にまわしていた。)
もちろん、マッサージ後も全く身体の疲れが取れず「なんてへたっぴなマッサージなんだろ。」と結果に不満を抱いていました。(マッサージでデング熱は治るわけない。)
ちなみに、お友達はマッサージに大満足してました。
②その夜、身体の熱さを熱中症と思い、冷水シャワーを浴びる
だるさの残ったまま、ナイトマーケット「アジアティーク ザ リバーフロント」へ。
楽しいはずの観光なのに、身体中が痛くて何にも楽しめませんでした。きっと相当つまらなそうな顔をしていたと思います。(お友達ごめん。)
タクシーで駅に向かい、駅で電車を待っている時、iPhoneで見つけた脈拍で体温が測れるアプリで体温を測ってみると…推定38℃!
不思議なもので「発熱」を数字として確認した途端、だるさが二倍増しで感じられるようになりました。
しかし、この期に及んでもデング熱であるとは思いもしていない私。
てっきりバンコクの暑さにやられて「熱中症」になったのだと思い込んでいました。そのため、部屋のシャワーで冷水を浴び、体温を下げたつもりになり、もし明日もだるかったら病院に行こうと決意し、眠りにつきました。
③熱さがおさまらず病院を受診
翌朝、目が覚めても身体の熱さはおさまらず、それどころか全身がインフルエンザの時よりも痛く、さすがにこれは熱中症ではないのでは…と判断しました。(この時もまだ「デング熱」というキーワードは脳内になかった。)
当時はクレジットカードの海外旅行保険で渡航していたため、ひとまず保険の利く病院を探すためにタイのオフィスに電話をかけました。
幸いにも電話はすぐにつながり、スタッフの方がてきぱき指示してくださいました。その後、外国人向けの多国語対応の国際病院へタクシーで移動。当時のアパートから20分ほどで、病院とは思えないまるでホテルような立派なエントランスのある、病院に到着。
患者ID登録→看護師さんからの問診→検温→お医者さんの問診→検査(インフルエンザ・デング熱)の流れで、さくさく受診できました。ちなみにこの時初めて、本物の体温計で検温したのですが39℃近くの熱があったと記憶しています。
お医者さんは、日本語も堪能でしたが英語の方が得意なようでした。ベースは日本語で、補足説明は英語で補いながら、診てくださいました。
さて、サクサク進んだのもここまででした。泣
待合のベンチで待っても待っても、声がかからず、その間にどんどん具合が悪くなっていきました…。高熱+全身が痛く、それはもうベンチに普通に座っていられないほどでした。
座っていられない私に看護師さんが気付いてくださり、端っこのベンチで横にならせてくれました。
④「デング熱」の診断を受け、そのまま入院
結局その日のうちに、検査結果は出ず、とりあえず一晩点滴入院することになりました。
翌日ついにもらった検査結果は「デング熱」。熱中症だと思い込んでいた私にとって、寝耳に水でした。先生からは「デング熱に直接的に効く薬はなく、対症療法が一般的。」と説明を受けた上で、わたしが外国人で一人暮らしであることをふまえ、治癒するまで入院治療することとなりました。
まさか入院することになるとも思っていない私は、文字通り何も持っていませんでした。つまり下着の着替えも。
もちろん取りに行く体力も元気もないので、そのままベッドで休むことになりました。
■入院中の話
①デング熱の症状の経過(途中でカンピロバクター腸炎も発症)
ここから先、症状の経過を時系列で書きますが、当時のメモを見ながら書いているため、うろ覚え&正確でないところもあるかもしれないです。ご容赦ください。
<1日目>
38℃ほどの熱と関節痛。
<2日目>
(入院)39℃ほどの熱と関節痛、ものすごい頭痛で鎮痛剤をたくさん飲む。
<3日目>
平熱に戻る。しかし下痢と腹痛が始まる。鎮痛剤をたくさん飲む。
先生曰く、デング熱は発症2~3日で一度解熱し、また熱が上がるのが特徴だとのことでした。まだまだ油断はできません。
デング熱では、腹痛はありますが下痢の症状はないらしいです。なのに、入院2日目から下痢が止まらなくなりました。
どのくらい止まらないかというと、汚い話で申し訳ありませんが、1日に20回以上です。(入院中に常にとった水分量と出た水分量を記録する必要があり、回数を数えていました。)
<4日目>
再度39℃の発熱。先生の言った通り発熱したので、これがデング熱か!と改めて実感しました。下痢は3日目よりは回数も減りました。腹痛・頭痛はまだ残っていました。ただ、薬が効いているときは、穏やかに生活することができました。
ちなみに今までは、点滴か10割粥の生活だったのが、鎮痛剤と解熱剤の効いているタイミングでご飯を食べれるようになりました。
おかずは、お味噌汁とお豆腐。このお豆腐は甘い甘いトマトペーストがかかっていて、別添えでお醤油が来ました。笑
看護師さんに、辛いタイ料理も進められましたが、私には挑戦する勇気はなかったです。笑
<5日目>
解熱剤の力?で平熱に戻る。下痢が止まらず血便も。相変わらずとんでもない腹痛。薬がなかったら耐え切れなかったかもしれないです。
下痢については、検査の結果「カンピロバクター腸炎」も発覚。おそらく、発症の2日前に食べた屋台のガパオライスの半熟卵が原因のような気がしています。
<6日目>
熱は平熱に戻る。激しい下痢と腹痛が続く。
下痢のし過ぎで、身体中の栄養がなくなっており、このころは解熱剤のほかにカリウムの水溶液みたいなものを飲まされていました。めちゃくちゃまずかったです…。
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<7・8日目>
このころの症状の記録なし。
食事も普通のものを食べてよくなったのですが、食べたら下痢が出たらどうしよう…と怖くてなかなか食べられませんでした。
この頃、下痢と腹痛を不安視した先生が、全身麻酔ののち胃カメラ・大腸カメラ検査を実施。ちなみに、ふと気づいたら全身麻酔から目覚め、とっても怖かったです…。もしかすると英語で一言説明されたのかもしれませんが気づきませんでした。
<9日目>
デング熱としてはほぼほぼ完治。ただし、下痢や腹痛は残っていました。
昨日の検査の結果「クローン病」の診断が下る。そのあと日本にすぐ帰国し、大きな病院で診てもらったところ、間違いであることがわかりました。
<10日目>
記録と記憶なし。
<11日目>
やっと退院!!!
心身ともに疲弊しており、まず病院から出れたことがうれしかったです。
(しかし当時は、日本で大きな検査をするためにすぐ帰国することになっており、不安な気持ちもたくさんありました)
②入院中に困ったこと
外国で1人で滞在中の方には声を大にして
「具合が悪くて病院に行くなら、最低限2泊分くらいは入院荷物を用意してから行くように!!!!」
私の場合、病院にはショルダーバッグ1つで向かったため、なにも持っていませんでした。まさか10日間入院することになるとは…。
パジャマは病院から提供されますが、それ以外の下着などは自分で用意する必要がありました。具合がすこぶる悪いときは気にならないのですが、少し元気になってくると、そういった衛生面が気になり、自分で手洗いしていました。泣
②入院中のご飯
タイ滞在中の外国人向けのとても高級な私立病院に入院させていただいていたようで、食事のメニューが豊富でした。毎日、メニューを渡されそこから入院食を選ぶのですが、3~4か国の料理(各国料理につき、3種類くらいのメニューあり)を選ぶことができました。
もちろん具合が悪いときは、体調に合わせておかゆとおなかにやさしいおかずでした。
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退院直前は選ぶのが楽しかったです。(本当に具合悪いときはそれどころじゃない。)
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大ボリュームのラザニアとケーキでした。
③院内の様子
<広すぎる個室>
すべて保険会社の方に手配していただいたのですが、ソファ・リビング・冷蔵庫・シャワー付きの個室で、自分がいま暮らしている部屋よりも格段に広い空間でした。
お見舞いに来てくれたタイのお友達が目を丸くして驚いていました。
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<看護師さんがスーパーフレンドリー>
やさしく明るい看護師さんたちが入院中のお話し相手になってくれました。
大きな病気の診断も受けて、すごく不安だった私ですが、看護師さんがずっと声をかけたり励ましてくれて、とても救われました。
ちなみに、Instagramを交換して今でもつながっています!次にバンコクで会えたらうれしい!
<お庭がある>
元気になってきたころ、院内を歩く外出許可が出ました。途中階に患者さん用のお庭があって、そこでのお散歩はとても気分転換になりました。
でも、やはり体力はとても落ちており、15分くらいの滞在で暑さに耐え切れなくなり、病室に戻りました。
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■退院後・今の気持ち
今振り返ってみても、なかなか味わえない経験だったと思います。
外で過ごす時間が多い日は長袖長ズボンにする、虫よけスプレーをするなど対策はしっかりしていたつもりだったのに、気づかぬ間に感染してしまいました。
デング熱は、2回目に感染すると重症型のデング出血熱になる確率が上がるそうなので、今回の滞在で絶対に感染は避けなればいけません!
ワクチンはありますが、日本では未承認で受けることができません。タイ到着当日に、向こうでデング熱ワクチンを接種する予定です。
また、日本で蚊帳を購入して持っていくことも考えています。
過敏になりすぎても、なるときはなるのでしょうが、
少しでもリスクを抑えた行動をとろうと思います。
長くなりましたが、今回はデング熱の経験談でした。
Beck
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