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USAIDを閉鎖はレインフォレスト・アライアンスにも影響
トランプがUSAIDを閉鎖しようとしている問題は、自然生態系にも多くの影響を与えそうです。
レインフォレスト・アライアンスが、緊急の募金を呼びかけています。
上記のサイトによれば、対象期間が2029年までの5つのプログラム、総額4,000万ドル以上に影響が出るそうです。例えば、持続可能な農業を推進するガーナの4.000人に影響を与え、約800世帯の子供たちが教育の機会を失います。
レインフォレスト・アライアンスのような環境NGOにとっても、USAIDは重要な資金提供者だった訳です。
トランプとマスクの極端な行動を遠い国の騒ぎだと思い込んでいましたが、身近な事件だった訳です。自分の鈍感さを反省しています。
とは言え、USAIDに過去から批判があったことも事実のようです。例えば、2000〜2010年代には、アフガニスタン向けの支援金がタリバンに流れたり、2010年頃のハイチ地震でも現地の汚職により資金は抜き取られ実際には被災者に支援金は届がなかったなどの問題はあったと言われています。
日本のNGOなどでも、会計監査が不十分な状況や、支援先の選定が恣意的ではないかと疑念を持たれる例は見られます。
やはり、資金の透明性は重要ですし、結局はガバナンスの問題に帰結します。この点は、改善の余地はあったかもしれません。
とは言え、トランプとマスクのやり方は乱暴すぎます。例えばUSAIDは支援のための年間20億ドル以上もの農産物をアメリカの農家から購入しており、それが止まると買い手がなくなることで米農家からトランプが批判を受ける可能性が報道されています。また、既に途上国に到着している支援物資を管理する人すらいなくなることで、略奪やテロ組織に流れてしまう危険性も指摘されています。
さらに、突然USAIDの機能を停止したことで、コンゴなどの治安が悪い国から職員が脱出するにも命懸けになる中、本国からの援助もない酷い状態も報告されています。
議論すべきことはあるにしても、真面目に取り組んでいる環境・人権保護団体にとっては、今日、明日に必要な資金の手当を急がなくてはいけません。今後、レインフォレスト・アライアンスのように、資金不足になるNGOは増えて来る筈です。
僅かながらも、協力したいと思います。