#10 結婚相手に求める条件
学生時代の友人と話した。
彼女は外資系航空会社でCAをした後、外国人と結婚し、現在はハワイで暮らしている。
家賃は月額70万円ほどで、それでも物置や洗濯機がシェアの物件らしい。
日本で年収1,000万円は、手取りで730万円。月60万円。
年収が1,500万円になると、手取り1,030万円で、月85万円。
ハワイでは、年収1,000万円では、生活ができなさそうだ。
日本はなんて暮らしやすいのだろうと思った、という話
・・・では、ない。
今度、そのハワイ在住の彼女の友人数名と、飲み会をすることになった。
いわゆる合コンだが、わたしは既婚者であり、その友人もそのことを承知しているので、妻に断ってキューピット活動をする予定だ。
飲み会で多少はおもてなしをできればと思い、その友人の好きな食べ物等をヒアリングした。
食べ物の話なんか吹っ飛ぶぐらい考えさせられた話が、お金の話である。
前述の友人は(ハワイで暮らす前提かもしれないが)結婚相手に求める手取り給与は1,500万円ぐらいだそうだ。
彼女の友人らは、現在もCAなので、結婚相手に求める価値観は似ているかもしれない。
日本で暮らす場合、さすがに手取り1,500万円とは言わずとも「年収1,000万円(手取り730万円)は欲しいと思っているかもしれないね」と友人に言われ、考える。
無論、結婚の条件において、年収が全てではない。
男女ともに結婚相手に求める条件にありがちな、同一の価値観や一緒にいて楽しい、趣味が合う、優しいといった数値化できない個別な条件は、無視する。
この前提を元に、結婚相手に年収1,000万円以上を求める女性について、少し考えてみた。
まず、年収1,000万円以上を稼ぐ男はどれくらいいるのか、調べた。
令和元年の賃金構造基本統計調査によると、年収1,000万円以上の割合は人口の5%。
30代前半で年収1,000万円は、0.1%。
30代後半だと0.3%らしい。
30代男性が全体で900万人のため、1,000万円以上を稼ぐ人数はせいぜい2万人だろう。
その2万人のうち、既婚男性を7割と見積もると、未婚且つ年収1,000万円以上の男は約6,000人と推定する。
ランダムに抽出した30代未婚男性1,600人の内の1人の割合だ。
1,600人は、11両編成の電車の輸送人数と同程度だ。
山手線1本分ぐらいと思えば想像しやすいだろうか。
1両に座席は約50席。全ての座席の前と、ドア横付近に立っている人を含めて約150人。
ここで、女性側の人数を推定してみよう。
30代男性の結婚相手を20~39歳の女性と仮定すると、約1,600万人。
そのうち未婚率がざっくり50%とすると、20~39歳の未婚女性は800万人となる。
6,000人のハイスペ男は800万人から6,000人を選ぶ(選ばれる)ため、マッチする女性の数は当然6,000人で、割合は0.07%となる。
20~39歳の女性1,400人に1人が、年収1,000万円男と結婚できる計算だ。
女性側は新幹線のぞみ1本の輸送人数(約1,300人)と同じぐらいだろう。
よって、女性が年収1,000万円の男と結婚する手順としては、先ず11両編成の電車から1人を見つけ出す。
その男性の前に1,400人の女性が並び、その中から選んでもらう必要がある。
先ず、年収1,000万円男を見つけることは、相当大変そうだ。
女性側も、1,400人の中で選ばれるのも大変だろう。
年収は、やはり大事。
今度の飲み会で、ボロカス言われることを恐れている。
なじられた時に、心の中のシールドを持とうと思い、つい考えてしまった。
そんなことより、年収1,000万円に遠く及ばない雑魚なわたしと結婚してくれた妻に感謝したい。
世界一周クルージング旅行に連れて行ってあげたい。
2億円を稼ぐ目標だが、上方修正できるほど頑張らなければ。
※文章の中の「選ぶ」「選ばれる」というワードが正しいとは思わないが、男女共に結婚相手を決める権利がある点は、断っておきたい。
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