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地代の相場!公租公課倍率法など4つの計算方法と値上げや借地契約の注意点とは?

地代は契約時に公課倍率法、積算法、賃貸事例比較法、収益分析法などで決めて、周囲の環境の変化や地価の変動にそって値上げ交渉します。

地代相場は固定資産税の2〜3倍が一般的です。

駐車場や資材置き場で、土地だけを貸す場合は、借り手を守るための借地借家法は適用されない反面、地代相場は安くなります。

建物を建てて住居・事業用に貸す場合は、借地借家法で30年の法定更新が自動更新し、正当な事由がない限り土地を取り戻すことはできません。

ここでは、地代相場の計算方法と、値上げのタイミング、土地建物を貸す際の注意点についての記事を紹介しています。

ーーーーーーーーーーーーー地代のネット記事ーーーーーーーーーーーーー

https://iekon.jp/tochi-chintai-souba/

【地代相場の計算方法】

地代の相場は、慣習として4つの計算方法(公課倍率法、積算法、賃貸事例比較法、収益分析法)があります。

(1)固定資産税と都市計画税の合計公租から算出する「公租公課倍率法」
(2)期待利回りと必要経費から算出する「積算法」
(3)過去の事例をもとに算出する「賃貸事例比較法」
(4)事業の収益を基準に算出する「収益分析法」

(1)公租公課倍率法

「公租公課倍率法」では、固定資産税と都市計画税の合計金額に一定倍率を掛けて地代を算出。

固定資産税と都市計画税の金額は、地方自治体から届く固定資産税の納税通知書で確認。

年間地代相場 = (固定資産税 + 都市計画税) × 2~3

固定資産税評価額は数年ごとに見直しが行われ、土地の利用目的や面積により特例も異なります。

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https://profession-net.com/professionjournal/law-417/

『例えば、対象地の固定資産税及び都市計画税の合計額が1㎡当たり月額200円で、その3倍をもって地代を取り決めるとすれば、

月額地代 = 200円/㎡ × 3
600円/㎡

ということになります。

このように、公租公課倍率法は簡潔明瞭な地代決定の方法であり、計算の基になる固定資産税及び都市計画税の金額が分かれば、他に判断の介入する余地はなく機械的に地代が求められる点にメリットがあります。』

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https://reatips.info/kousokouka-bairitsu-hou/

『固都税は課税標準額に、税率を乗ずることで計算されます。

東京都23区内であれば、固定資産税が1.4%、都市計画税が0.3%なので、合わせて1.7%の固都税が課されます。

具体的に公租公課の額を調べるためには、所有者に課税明細書などの課税資料を出してもらって確認します。

判例やその他資料で公租公課倍率法の倍率がどの程度が適正なのかを探ってみましょう。

判例(東京高裁S59.6.20)での公租公課倍率法
本判例(判例タイムズ535号 P209)では、公租公課の約3倍を相当地代としています。

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https://www.mc-law.jp/fudousan/2455/

公租公課倍率を重視した裁判例
公租公課の倍率を重視した裁判例を紹介します。

<公租公課倍率を重視した裁判例>
あ 鑑定の内容(一部)
一般的に地代の額は公租公課の2.5倍程度である

い 裁判所の判断
他物件の鑑定では2.75倍という率が用いられている
2.5倍を若干大きな倍率に引直してみることも検討の余地がある
※東京地裁昭和60年10月15日

(2)積算法

期待利回りと必要経費から算出する「積算法」
積算法は、貸し出す土地の更地価格に期待利回りを掛けて、必要経費を足して地代を算出する方法で、事業用に貸し出す際、よく使われる計算方法。

地代 = (更地価格 × 期待利回り) + 必要経費

更地価格は近隣の条件が近い土地の取引事例を参考。

期待利回りは「賃貸借等に供する不動産を取得するために要した資本に相当する額に対して期待される純収益のその資本相当額に対する割合」と明確に定義されています。

つまり、「何年間で更地価格分の収益を得たいか」ということで、
期待利回り(%/年) × 期待回収期間(年) = 100%】の関係にあります。

例えば、
20年で更地価格5,000万円の収益を得たいとき、
年間地代は250万円。
利回りで考えると、250万円/5,000万円 = 5%

地代相場を計算するときの期待利回りは「収益還元法における還元利回りを求める方法に準ずる」と定められています。

期待利回りを2%とすることが一般的で、必要経費には、固定資産税や都市計画税、底地の管理費なども含まれます。

例えば、更地価格が5,000万円、年間の必要経費が100万円だったときの地代相場は(5,000万円 × 2% + 100万円) = 200万円/年となります。

(3)賃貸事例比較法

過去の事例をもとに算出する「賃貸事例比較法」

近隣地域で借地契約が近い条件の事例を選び、「土地の形状や面積・立地」などの要素、「一時金の授受や契約期間」といった契約内容の違いなども比較して、相当な地代を算出。

賃貸事例比較法では適切な事例を選ぶため、多くの事例が必要になり、近隣地域で契約内容が近い土地貸しが活発に行われている場合に有効です。

(4)収益分析法

事業の収益を基準に算出する「収益分析法」

貸した土地が事業の収益にどれくらい貢献したかを基準に計算する方法で、事業目的で利用する借地人に貸す場合に使われます。

地代相場 = 年間の事業収益 × 収益に対する土地の貢献度 + 必要諸経費

事業収益に対する土地の貢献度を厳密に計算することが難しく、実際に収益分析法で計算されることはほとんどありません。

【継続賃料の評価手法】

継続賃料の評価方法には下記の4つがあります。

差額配分法
利回り法
スライド法
賃貸事例比較法


【賃貸の形態と借地借家法】

地代相場は、土地の賃貸方法で、借り手の使用形態でも異なります。

(1)建物を建てて貸し出す場合

建物を建てて貸し出す場合、借主は居住用、コンビニやスーパーの店舗や事務所の事業用として利用し、居住用・事業用かにかかわらず、
借地契約には借地借家法が適用されます。

そのため、借地人は最低でも30年間は土地利用が保証され、
賃借権の権利も強くなる反面、地代相場は高くなります。

居住用であれば固定資産税や都市計画税をあわせた公租公課の2~3倍、
事業用の場合は更地価格の4%程度とするのが一般的です。

評価額5000万円、400平方メートルの土地を貸し出した場合、
住宅用であれば小規模宅地の特例が適用されて、固定資産税と都市計画税の合計は約25万円です。
そのため、
居住用で貸し出した場合の年間地代は50万~75万円、
事業用で貸し出した場合の年間地代は200万円です。

(2)建物を建てずに貸し出す場合

建物を建てずに駐車場や資材置き場として貸し出す場合、借地契約は「一時使用の賃貸借」となり、借地借家法の借主保護規定は適用されません。

借主の賃借権は弱くなる反面、地代相場も低くなります。

【値上げ方法やタイミング】

借地契約は通常30年以上と長期間に渡るもので、土地を取り巻く状況も変わるため、正当な理由がある場合には、地代を値上げすることが法律でも認められており、タイミングは主に次の3つです。

(1)土地の価格が上がったとき

「近くに駅ができた」「幼稚園や小学校ができた」などの周辺環境の変化によって土地の価格が上がり、契約当時の地代は土地の価格に対して「安すぎる」ことになったとき。

(2)固定資産税・都市計画税が上がったとき

(3)近隣に比べて著しく低いことが分かったとき


【土地を貸すときの注意点】

<知人や親しい相手に土地を貸す場合>

すでに知っている関係だからといって不動産会社を通さずに契約を交わすことは危険です。

契約内容に漏れがあると、契約が履行されないなど、人間関係が壊れてしまうリスクがあるからです。

<企業に土地を貸す場合>

土地の賃貸借や借地権、法律などに詳しい知識がなければ、気づかないうちに不利な契約を結ばないように注意。

信頼できる不動産会社や弁護士に適切な契約内容であるか確認してもらうようにしましょう。

<居住目的で貸す場合>

定期借地権で借地契約を交わすことが大切。

普通借地権で契約してしまうと、正当事由がなければ契約更新されてしまい、土地を取り戻すことが難しくなります。

<建物を建てずに貸す場合>

駐車場や資材置き場など、建物を建てずに利用する目的の相手に土地を貸す場合、原則、契約で建物を建てられないようにすることが大切です。

貸した土地に建物が建てられていると、借地借家法が適用されてしまうかもしれないからです。

借地借家法が適用されると契約期間が最低30年となったり、正当事由がなければ契約更新を拒否できないなど、地主に不利な状態になってしまいます。

駐車場や資材置き場の利用で必要な建築物の設置を認めるかどうかは、不動産会社や弁護士と相談して判断するほうがよいでしょう。』



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