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蘭茶三角が大好きだ!人間宣言-VRChat

 「私は蘭茶三角が大好きだ」。1月3日にバーチャル風俗店X-Oasisが開いたキャスト志望者向け説明会。Karinさんが「面接で自分の理想の自分を愛せる理由を説明してほしい」と熱く語っていた。私は「自分をなぜ愛しているのか?」と自問自答してみたが、出てきた答えは「私は蘭茶三角が大好きだ」以外には無かった。

 かつて蘭茶三角だった私は、最強の存在になって理想の世界を実現しようと必死にもがいていた。とにかく自分は最強であり、救い主であり、人類を先導する者であろうと、炎の中を突き進んでいた。やがて、最強の存在たりえようと大風呂敷をどこまでも広げた蘭茶三角は、虚勢でできた架空の胴体を維持することができずに崩壊した。

 次に蘭茶三角は概念化の道を辿る。本体が崩壊した蘭茶三角は、二次創作となって各地に現れた。地上には無数の蘭茶三角が闊歩。空気と化した蘭茶三角はさまざまな人間に取り込まれ、思想を語るプラットホームとなった。しかし、蘭茶三角は消えていく灯のような弱々しい存在であり、誰も蘭茶三角の口を借りるばかりで独り歩きを始める蘭茶三角は現れなかった。

 やがて蘭茶三角は戻ってきた。歴史や思想から解放されたひとりの人間として。もはや誰からも信仰される必要がない。誰からも特別扱いをされる必要もない。みんなが平等に蘭茶三角さんとして接してくれる。想像から生まれて画面の中から世界に訴えかけていた蘭茶三角は、初めて人間、蘭茶三角になったのだ。

 耐えがたきを耐えず、忍びがたきを忍ばず、理性の赴くままに好きなことをする。救済といっても前みたいに悲壮感に溢れた殺伐としたものではない。楽しいからやっている。もはや無理に蘭茶三角であろうとする必要はない。私が蘭茶三角であろうとすることに、高尚な思想や信条はいらない。好きなことに、好きなものに、好きな自分でいることに理由はいらない。

 強いて言えば、ありのままを愛する博愛かもしれない。苦楽を共にしてきた自分自身への愛着かもしれない。今の私は、思想の話で人間が分断されるのをよしとしていない。しかし、今までの自分の全てを肯定している。これまでの苦しみが無ければ、私は蘭茶三角であろうとすることに苦しんでいたかもしれない。自己決定をめぐる虚栄と崩壊の荒波を乗り越え、何度蘭茶三角であることに押し潰されそうになってもこの姿で生きてきた。すべての虚栄の皮が洗い流され、自己決定をめぐる戦いは終戦を迎えた。でも蘭茶三角はここにいる。蘭茶三角は理想ではない。もう、蘭茶三角は私だ。私は蘭茶三角だ。私は私、蘭茶三角が大好きだ。

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