結局のところどのくらいなの?海外で必要な英語力
こんにちは、英語コーチ兼現役在外中央政府オフィサーのノリコです。今日は、海外で必要な英語力についてお話します。海外へ行くとなると、英語問題は必ずついてきます。実際の所、どのくらいの英語力があったら安心でしょうか?
一言で海外に行く、と言っても色々な場面がありますので、まずシチュエーション別にまとめてみました。
難易度高
↑ ビジネス目的の長期滞在(駐在、海外就職)
プライベート目的の長期滞在(国際結婚、留学、ワーホリ)
ビジネス目的の短期滞在(海外出張)
↓ プライベート目的の短期滞在(海外旅行)
難易度低い
もちろんケースバイケースですが、長期滞在のほうが英語を使う場面が多岐に渡り、会話する相手も増えるので難易度は上がる傾向にあります。逆に短期であれば、英語を使う場面がある程度限定されるので難易度は下がります。筆者はすべてのシチュエーションを経験していますが、海外に行く目的によって、必要な英語力はかなり差があると感じます。
それでは、それぞれの難易度について解説します。
まずはプライベート目的の短期滞在。
これは、日本人ガイドの付くパッケージツアーなどに参加すれば極論英語が話せなくても何とかなります。ただし旅行のスケジュールが全て決められているので自由度は下がります。本当に行きたいところに行けなかった、時間がタイトでゆっくり満喫できなかった、という事もあります。では、個人旅行をするとしたらどのくらい英語力が要るのか?中1英語ができれば、最低限の会話はできます。具体的に言うと、よく使うフレーズ20個くらい知っていたら、何とかなるでしょう。現地の人と仲良くなりたい、おしゃべりしたい、という場合は中3までの英語が分かれば大丈夫です。
次にビジネス目的の短期滞在。
ビジネスで英語が使えるレベルというと、TOEIC730点以上とよく言われます。会社でも730点を基準にしているところは多いです。730点あれば、基礎的な文法や単語力はありますので、読み書きはできるでしょう。ただし、出張で求められる英語力は「話す/聞く」能力であるということを忘れてはいけません。聞く能力はTOEICでもある程度測定できますが、話す能力は点数には表れません。日本人は話す訓練が圧倒的に足りていません。基礎力はあるのに、いざ会議になると突然話せなくなるのは「話す」に特化した練習をしていないからです。話す能力は測定が難しいのですが、10分間、会話のキャッチボールができれば出張に困らない英語力があると言えるでしょう。
3つ目に、プライベート目的の長期滞在。
国際結婚、留学、ワーホリを難易度順に並べると、
ワーホリ<<<国際結婚=留学
でしょうか。もちろん一概には言えませんが、ワーホリはサービス業で働く場合が多いため、ホテルのベッドメイキングや農場での労働をするなら英語での会話はあまりできなくても雇って貰える可能性がありますし、接客に使う英語が分かればレストランなどでも働けます。TOEIC600点以上と会話が5分以上続けられるスピーキング力があれば、最低ラインはクリアです。留学の場合は、入学にあたりTOEFLやIELTSなどの英語テストが必要になります。どちらも4技能(リスニング、スピーキングと、リーディング、ライティング)必要なため、かなり渡航前から高い英語力を求められます。入学ができても授業でのレポートやホームワークもたくさん出るので、気合を入れて英語を習得しておく必要があります。留学先によって求められる英語レベルは幅がありますが、英語圏でそこそこ以上の大学に行こうと思うとILETSで6.0以上を求められることが多いです。国際結婚で移住する、というのもよくある海外移住パターンです。結婚しているわけですから、パートナーとは会話ができる前提でお話すると、移住先では英語圏であっても訛りがあったり、英語を使う場面がかなり幅広いこともあり英語に自信がないと苦労するかもしれません。英語圏ですと、永住権申請の基準にIELTSを課す国が多いのでそこから考えると必要な英語力はIELTS6.0以上でしょう。
最後に、ビジネス目的の長期滞在。
言わずとも、これが一番高い英語力を求められます。ビジネスレベル、場合によってはネイティブレベルの英語力が必要です。TOEIC850点以上、IELTS6.5以上が望ましいです。英語圏以外の国や、オーストラリアやニュージーランドのように移民に寛容な国であれば、非ネイティブの大変さを分かってくれるので多少英語が変でも大目に見てくれますが、アメリカは外国語を習得する人が少ないので、手加減して喋るという事をしません。また、長期滞在となると仕事以外の場面、例えば病院などでの会話も必要になるので、カバーしなければいけない単語も圧倒的に増えます。
それぞれのシチュエーションにより求められる英語力は様々でも、共通して言えることは会話力を上げておくと良いということです。特に基礎力のある人は、会話のコツをつかめば飛躍的に会話力を伸ばすことができます。
会話力の上げ方は、別の記事で詳しく解説しますのでお楽しみに。
それでは今日も、素敵な一日をお過ごし下さい。
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