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限界女子大生が作った同人誌表紙まとめ(2022-2024)
お久しぶりです。Lanです。
約2年ぶりの記事更新となります今回は、これまでに作った同人誌の表紙の作り方+お手伝いさせていただいた表紙のデザイン解説と、小説をメインに活動されていてかつ初めて同人誌を出す方向けの簡単なデザイン案を紹介しようかなと思います。
目次を作っておきますので、必要なところを掻い摘んで読んでいただいても構いません。
※重ねてにはなりますが、こちらは同人誌を初めて作る方を基準に解説を入れます。ご理解頂けますと幸いです。
※作品は全て【腐向け同人誌】です。具体的な話は出てきませんが、お手伝いさせていただいた作品紹介の際に【カップリングを含むイラスト】を掲載しておりますので、ご自衛のほどよろしくお願いいたします。
以前の記事はこちら。関連記事もよかったらご覧ください。
1.同人誌表紙まとめ
①彗星のふたり
![](https://assets.st-note.com/img/1708090793519-QsoPYqnFs0.png?width=1200)
個人的に後から見直してみると、ひらがながちょい大きすぎたかな……と思ったり。ただ「彗星の」と「ふたり」で区切っちゃったので小さくするにも限度がありますかね。こういう雰囲気で、素材の配置だけ工夫してあとは白い余白で勝負!っていう表紙が何気に一番好きかもしれません。
②Oh my god.
![](https://assets.st-note.com/img/1708582729592-b5sxFZIG5Q.png?width=1200)
どっかで書いたかもですが箔押しの場合はデータにひと工夫必要です。(印刷所によって若干違いあり)
![](https://assets.st-note.com/img/1708582960506-A6mCAymkOA.png?width=1200)
こんな感じで、箔押しデータを黒一色でレイヤー分けして入稿します。一番上のレイヤーは箔押し部分の色を再現したくて作ったものです。入稿時には削除しています。箔押し以外はホントにぱっと作った感じ。色が気に入っています。
以下見てほしいリンクと素材です。
しかもなんか今見たら全面箔押しとか出てて目が飛び出るかと思いました。この記事書いてるの二月末で、次の新刊表紙データ(銀箔紙)作ったばっかなんですけど、全面箔押しあるならこれでもよかったなー……。
こっちが素材。実は①もこの方の素材を使いました。マジで全部使い倒したいくらい可愛い!いろんな使い方できるので重宝してます。
③此れは愉しい夜遊び
これが超最新版。なんて言っても私2023年忙しすぎて一冊も本出してないんでね……。あとちょっと自分何やってんだろ的な虚無感に苛まれていたので、いきなり最新の作品になってしまいました。#7と#9(これ)の間に出した本はデザイナーさんに作ってもらってかつA6カバー付き。これは後でお見せします。
![](https://assets.st-note.com/img/1708583850497-rbShzKTvuj.png?width=1200)
こいつのヤバいところは銀箔紙用の白版データを作る必要があったこと。レイヤーの構造とどこをキラキラにしたいかとを考えながら、統合していいところとしちゃいけないところを考えるのがすっごく大変だった。花は素材ですが、並べたらバランスが合わなくて、ちょっと組み合わせてボリューム増しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1708583991729-mNAmgneUFX.png?width=1200)
とりあえず白版は
1.キラキラにしたい部分のレイヤーをコピーして、全て統合する
2.その下に黒一色のレイヤー作る
3.1で作ったレイヤーを【選択範囲】→【レイヤーを元に作成/不透明度】で選択する。(そうすると、透明化したい部分のみが選択された状態になる)
4.選択したままの状態で黒一色レイヤーと統合する。
5.そのままの状態(選択を解除せずに)で透明色のペンなどで塗る。
でいける。Twitterで見た方はアイビス使っていたのですが、圧倒的に簡単そうでした。多分他にもやり方はあると思うのですが、今回はこんな感じ。Twitterで「疑似箔押し」って調べてみると色んな作品が動画付きで見れるのでぜひ。
……で、このまま入稿しようと思ってたら白版は6px以上じゃないと厳しいということで結局タイトルのみキラキラに。まあこれだけでも普通の箔押しではできないため良しとします。またいつかリベンジしたいです。大きなモチーフを疑似箔にするのがいいんだろうな。
![](https://assets.st-note.com/img/1710764958938-UWqx6dtDCc.jpg?width=1200)
鈍いキラキラで、今回の妖しい雰囲気にぴったりでした。
番外編:愛しのサンクチュアリ
![](https://assets.st-note.com/img/1710419147893-0ESCOwK1dw.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1710419147862-O9cRj0yGIW.jpg?width=1200)
こちらはmeteor design/雪永様にデザインを依頼させていただいた表紙です。カバー巻きを印刷所に頼むと追加料金がかかったので自力でカバー巻きをしました。傷を付けないように綿手袋で作業したのですが、三桁刷ってたのでさすがに課金した方が良かったな……と。
2.お手伝いさせていただいた表紙
全て友人であるPolarisさん(M31Pleiades/X:@0404Polaris)の作品です。これ以降腐向けカップリングに関するイラストを含みます。
あと、このお手伝いは基本的に何度も連絡を取り合って、都度確認と修正を入れながらやっています(普通に友達のなので無償です。たいした技術もないですし)。きちんとした実力のある方が有償でやっていらっしゃる表紙デザインは、大体がリテイクなし(または一回のみ、以降追加料金)、最初のイメージ以外はお任せとなる場合が多いので、あらかじめ要望や仕様をまとめておくのも大事なことだと思います。
①小っちゃくたって愛は大きいもん!
![](https://assets.st-note.com/img/1709210010615-3TfzIUV2x6.png?width=1200)
ここで何より凝ったのはタイトルロゴですね。フォントはあさご本丸ゴシック。ところどころ手を加えて、個別に色づけしました。朝っぱらから大学のラウンジに籠って作業した記憶があります。
あとはイラストとの親和性。最初タイトル作ったりしている頃は下絵のみだったので、データをいただいてからパーツの配置や色の調整をしました。せっかく絵師さんに描いていただいているので、イラストの色味は弄りませんでした。
実際はホログラムpp加工していたのでキラキラで可愛かったです。この辺の特殊加工は圧倒的におたクラブさんが強い感じがします。なんか怖いくらい安い。
![](https://assets.st-note.com/img/1709214403554-1ozbUt3ogn.jpg?width=1200)
②Bedroom Talk
![](https://assets.st-note.com/img/1709210782839-o9ukZXyykR.png?width=1200)
これは正方形の本なのでサイズ感が難しかった。あと花!これ本当は花束みたいな素材で、花と葉っぱの部分だけ上手いこと切り取りました。(加工禁の場合あるので注意)後ろの金色の葉っぱはまた別の素材なので、色を金色で塗ったり、葉っぱを足したり変形させたりして、真ん中の白い形に沿わせました。まさしくジューンブライドを思わせるフォントはMarigold。
なんか結婚式っぽくて良かったので採用しました。色付けはいつも通りタイトルの上にレイヤー作ってクリッピング→好きなグラデーションかけるって感じで。画用紙っぽいテクスチャ―は素材をオーバーレイで重ねています。
これ写真見てもらえると分かりやすいのですが、最終的にトレーシングペーパーが上に乗るんですよね。もう少し濃い色にしてもよかったかなと反省。
![](https://assets.st-note.com/img/1709214515064-wXntTxENzi.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1709214515627-KFzDXh3FOp.jpg?width=1200)
今年(2024年)版のジューンブライドに合わせたセットが出ていたので一応載せておきますね。
③名前を呼ぶよ
![](https://assets.st-note.com/img/1709556593012-6zCiBJUzl9.png?width=1200)
左上変な線入ってしまいましたが実物データは無事です。多分切り取りミスった。
本当は3月に出るはずだった本とのことでしたが諸々間に合わず、今後発行予定。表紙とカバーのデータはほぼできているので、こちらは発行され次第更新します。3月発行の準備号の表紙を公開しますね。
これはこれで複雑で、クラフト用紙+白印刷+不明瞭な部分をカラーで補完って感じでデータ作ってます。白版って意外と意外に考えることが多くて大変でした。慣れるまではやらん方がいいけど、ジュエルペーパーとかオーロラペーパーとかに白印刷とか、絶対可愛いですよね……
ちなみにこのデータ、元データ(本来出る予定だった本の表紙)めちゃくちゃ可愛いし、テクスチャー凝ったので新しい記事が出たらぜひチェックしてみてくださいね。
![](https://assets.st-note.com/img/1710765064771-TiwraX7y4f.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1710765064870-ayXj9c8ZBc.jpg?width=1200)
個人的に自分の本では直面しないなと思った悩みが、イラストの取り扱いでした。自分で本を出す場合は、私自身が思ったイメージを人に上手く伝えられる自信がないことと、時間的な問題と、リテイクなど細かいところをお願いするのが申し訳ない、という理由でイラストをお願いしないからです。
どこまで手を加えてよいのか、完成したデータをイラストを描いてくださった方はどこまでチェックするのか、その辺りはあらかじめ決めておいた方が良かったなとも思います。難しいところです。
3.自分で練習していた表紙
今度は実際には使わないけどこんな感じの表紙いいなーって思って作ってたやつをちょっと出します。使用しているイラスト素材は以下。規約は各作品のキャプションに記載されています。基本商用×、二次配布・自作発言×といった感じでした。サイズは小さいのですが画質が良いので多少の拡大には耐えられます。私は練習用に使わせてもらっています。
練習用に作ったので架空の本ですし、タイトルもサークル名も適当です。使ったツールなどを画像内に記載しているので、気になるフォントや加工があれば参考にしてください。
①月が咲う本丸
![](https://assets.st-note.com/img/1709259066410-P7aUeD5NP1.png?width=1200)
こんな感じで色数が多くてぺったり画像が貼られているときは、文字は締め色で、かっちりめのフォントを使うのが良いと思います。
ロゴはcanvaで作りました。自分のも作りたいです(笑)プレミアム入ってないと背景透過使えないんですけど、背景白一色で作って、メディバンに落とした時に背景色を透明に変えればいいので気にしなくて大丈夫。
五感紙とかミランダみたいなざらっとした紙でも、マットpp使っても可愛いと思います。
練習とか言っといてなんだけど、普通に可愛いからこの本欲しい。
②Super Duper Crazy
![](https://assets.st-note.com/img/1709259478775-af3zewIAkV.png?width=1200)
こちらはまた雰囲気を変えてみました。なんの練習をしたかったかって言うと、英字タイトルの加工です。実際のタイトル(読み)は左側にも入っているので、まあまあ読めれば問題なし。解説も入れていますが、レイヤーモードの【加算・発光】と移動ぼかしを使ってぶれた写真っぽさを出してみました。
あと裏表紙。タイトルの組み方を変えてちょっとロゴっぽい感じに。
こんな感じで練習と、自分が作った表紙見てくと表紙はモチーフド派手に、裏表紙はシンプルにっていうスタイルが定番なんですかね(笑)個人的な意見なのですが、使う素材は絞ることとフォントはガチャガチャしたものを使わない(使うならいっそロゴとかモチーフにする)のが大事なのかなって思いました。見やすいパワポ作りと一緒ですね。
4.最近多用している小技
①レンズぼかし
ちょっとこれは今作ってる表紙なので見せられるのは一部分だけなんですけど、
![](https://assets.st-note.com/img/1709557350369-2DruJIk43K.png)
こんな感じ!でボケっとさせる。本当のタイトルは箔押しで小さく真ん中に入れる予定なので、装飾として入れてます。カラーも上からクリッピングしてちょいアレンジ。
メディバンなら画面上部のフィルター>レンズぼかしで調製可能。
②レイヤーモードの活用
理論はこちらを見るのがよいかと。
で、素材とかダウンロードして実際に貼り付けてみるとなんだか暗いな、みたいな時ってあるじゃないですか。(あるか?)もうちょい雰囲気柔らかくしたいな、とか。そんな時に素材の規約で加工とか編集が許されているならレイヤーモードを弄って雰囲気変えられます。私も感覚でやってるし、本当に適当なのですが、弄れるようになると格段に表現の幅が広がる気がします。
※モノによっては弄っちゃダメな素材もあるので注意!
今回使った素材はこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1709560486547-Nad5UY2lbW.png?width=1200)
やり方というか、どうやってこの形に持っていったかは画像内参照してください。
③RGB⇔CMYK変換
これ、私は普段おたクラブさんで本作ってたから気にしてなかったのですが、意外とRGB対応していない(もしくは追加料金必要)印刷所さんの方が多かった。
めっちゃ簡単に言うと、RGB(レッド、グリーン、ブルー)はディスプレイ上で表現される色(=光)で、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)はインク(まさしくコピー機)で表現される色のことなんですって。で、RGBよりもCMYKの方が表現できる色の範囲が広いので、変換するときはCMYKで近い色で表現されることになります。
本記事の冒頭に紹介したデザイン(RGB)をCMYKに変換すると
![](https://assets.st-note.com/img/1709561474218-stWCOjaWXU.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1709561504697-HODhHRJuO5.png?width=1200)
画像で見るとそうでもないけど、実物はめっちゃ暗いんだこれ……。全体的に鮮やかな色がちょっとくすんでしまうので、そんなときはフィルター>トーンカーブ選択して色補正するとよくなる。
そもそもどうやって変換するのか?っていうと
表示>カラーマネジメント設定を選択し、プロファイリングをタブから選びます。私もそうだったのですが、CMYKのプロファイリングが入っていないことが多いっぽいので、ダウンロードします。
やり方とダウンロード先はこちら↑から。
![](https://assets.st-note.com/img/1709561973597-OroKqqGHsW.png)
![](https://assets.st-note.com/img/1709562043900-3J6AZEcmJE.png)
これでうまいこといくと思います。
別に私おたクラブさんの回し者って訳ではないのですが、こういう煩わしい作業をなくせるのと、通常の料金でRGB使えるのが好きでいつもリピートさせていただいています。昔は箔押しもできなかったし紙の種類も少なかったのですが(そもそも会社名が違ったし、サイトももっと古かったかも)今マジですごいので……
④よく使うフォントたち
![](https://assets.st-note.com/img/1710044011918-DiG9yEWs9s.png?width=1200)
基本このフォント使いまくるかも。かちっとしているフォントがなんやかんや一番使いやすい。エレガント系なら明朝かつちょっとアレンジ効いてるもの。クール系ならMarquetteに副題とかで明朝体。あさご本丸ゴシック使うときは日本語で装飾ありだとお腹いっぱい感あるので、カップリング表記とかは英語で入れてます。
あとがき
さて、長々とお付き合いくださりありがとうございました。今回はこんなところにしようと思います。
この記事を書きながら練習したり色々経験させてもらったりもして、私のスキルも上がった気がします。また記事纏めますのでその時はぜひ♡
初めて表紙を作る人や、デザインで困っている人の力になれていたら嬉しいです。質問や感想はマシュマロ、もしくはTwitter(X)のDMにてお待ちしております。
ではまた!