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荒井陶器工房③人と自然に優しい沖縄
🍵横浜焼の父、宮川香山翁を推し続けるnoteに、ようこそお越しくださいました🪸🌊🥰
🍵今回も、沖縄の陶工、荒井陶器工房の荒井実さまのお話を追っていきます🚃🚃🚃
🍵横浜市営地下鉄ブルーライン、弘明寺駅から徒歩10分程度の屋根上のお洒落な工房で、
荒井さんが水分もとらずに4時間強、滔々と話された興味深いお話をお届けします🐚🐚
🍵今日のトピックスは2つです!目次からどうぞ🌊🌊🌊
スローな生活は無駄を作らず綺麗な丸を描いている
日本には多くの陶芸教室があります。しかし、黒字を出すためには環境に配慮できない一面もあるのです。沖縄での修行で得た土を大切に使う考え方から、都会の生活圏下での作陶には気を付けなければならない点がいくつかあることを、荒井さんは指摘します。
「粘土を大量に捨てているという現状がある。教室で保管する過程で、ビニールが混入するからだ。ビニールは取り除く方法がある。完全に粘土を乾燥させてから、水に入れ崩せば分離する(水を含んだ可塑性のある粘土は、水に入れてもいつまでも粘土の形状を保つので、完全に乾燥させることがミソ)。ビニールの除去後は、攪拌して100目のふるいで漉す。これで粘土に戻る。でも、その手間を惜しんで、全て廃棄してしまうんだ。忙しいのはわかるのだけれど」
「都市で陶芸をするとなると、水道に泥を流してしまうことも往々にある。沖縄の窯では、削りなどで出たカスやタオルについた泥なども、水簸場で洗うんだよ」
「釉薬もね、廃棄せずとも再生できるんだよ。ぐちゃぐちゃに混ざってしまった釉薬も、弁柄と透明釉で調節すれば、黒釉にすることができる」
荒井さんは日本のあちこちに見られる、金銭の利益のみを追求した社会構造に警鐘を鳴らしていました。
「世界各地の作陶に興味があって調べたんだけどもね、モロッコとかは、しゃがみこんでそのまま成形しているの。椅子なしでひょいひょいって挽いてくの。スペインの工房なんかに行くとね、ほんと雑然として、泥だらけで。しかもロクロの位置がとても高いの。机の上くらいかな。日本のろくろは、とてもやり易さを追求している。それは良い文化なんだろうけど、全て効率化して都合よくカスタマイズしちゃうのは、ちょっと怖いよね」
「有効利用するって言葉はきらいだな。お金を生む、利益を生みだすことを最善と思い込んでしまうと、それまであった平穏を破壊しかねない。恩納(おんな)村のビーチは観光地として再開発されてしまったけども、それじゃ沖縄民に返還された意味がないじゃないか。放っておいてほしい。魚が逃げるのは触るからだ。何もしないビーチ。これが一番いい。釣りをする人がいて、素潜りする人もいて、海辺で遊ぶ人もいて、ただボーッと海を眺める人もいる。みんなが寄り添える単なる水辺。それでいいじゃないか」
西海岸が軍港になろうとしているのも悩ましい。
美しい海を守りたい。その考えの礎には、沖縄での生活、日常がありました。
「琉球王朝時代から今日までの沖縄を取り巻く“仕事”というものの定義として、一応昔から貨幣経済はあったわけで、銭になる仕事もいっぱいあったわけだけど、昔の沖縄はそこからあぶれてしまっても飢えて死ぬようなことはないし、そこは相互扶助で何とかなっていたスローな社会だった。
食べ物はその辺に豊富に自生しているし、魚もいっぱい獲れるし、お肉が食べたくなったら飼っているヤギをつぶして食べればいいし。男は野良仕事や漁師をして妻や子供たちを養った」
社畜、過労死、そういった言葉が沖縄で聞かれないのが、脈々と受け継いできた『ゆいまーる』の精神に繋がってくるようです。
沖縄のゆいまーるという概念
フランスでもジーパンをレンタルするのが普及してきているそうです。
物々交換でミニマルな暮らし、というのは、現代人のこれからのスタンダードになりつつあります。
「ゆいまーるとはね、持ち寄って助け合うという考え方だ。農機具をみんなで貸し借りして使う事、病気で伏している人の畑を、代わりに耕してあげること、大根がいっぱい採れて余ったら、近所の人におすそ分けすること。これらには全て、金銭が発生していない」
見返りを求めない。それが本当の幸せなのだと荒井さんは言います。
いいなあ、スローライフ……
私は、あつまれどうぶつの森で画面越しにスローライフを眺めるばかりです😇😇😇
🍵今回はここまで。次回は最終回です🥰🌊🌊🌊
最後の荒井さんのお話は、陶芸界の今後、眞葛焼の将来についてのご見解をいただきましたので、そのご報告になります。
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