冬の、真っ青なマフラー
冬になると思い出す。高2の思い出。
冬は、お気に入りのマフラーを巻く。
色はロイヤルブルー、大きめのマフラーだ。
ロイヤルブルーは私にとって特別好きな色で、この色を身につけていると背筋が伸びる。
凛としていられる色だ。
マフラーは代替わりして今は2代目。
毎年の、冬限定。身につけられることがちょっとした楽しみになっている。
高2の冬、その色のマフラーを身につけ始めた年。
下校時にマフラー巻いて、教室を出ようとしたら、クラスメイトに急に呼び止められて、
「前から思っていたんだけど、そのマフラー素敵だね!」
と言われた。
なんの前触れもなし、突然。
とても、とても嬉しかった。
自分の好きな色ではあるんだけど、いかんせん目立つ色。当時、あまり目立ちたくなかった自分にしてはチャレンジした色。
彼女の一言が嬉しくて。その上、なんとなくだけど、この色を身に纏ってもおかしくないんだ、と思った。
たった一言に勇気をもらった。
そんなものは元々なかっただろうけどら周囲からのお墨付きをもらった気がする。
当時は自信のなさから目立ちたくなかったけど、多分、そんな鎖を引きちぎった最初の一歩だった。
気ままに、自分の好きなものを纏うこと。
自分の在り方が変わるのって素敵だ。