シティポップチャンネルその3 / 東海岸系のサウンドについて

こんにちは。今回もシティポップについて触れていきたいと思います。

これまで、シティポップの定義や、ブームのワケをお話ししていきましたが、今回はついにどういう曲がシティポップ?なのかご紹介します。


まず、第1回で「都会的な雰囲気を持つサウンド」がシティポップであるとお話ししましたが、そのサウンドには、個人的な見解でネオンが輝く夜の都会を感じられる東海岸系と、夏の日差しと海を感じられる西海岸系があると考えております。

まずお話しするのは、東海岸系のシティポップについてです。

私はシティポップの「都会的な雰囲気を持つサウンド」ということの一つとして、メロウなグルーヴ感とエレクトロなファンクの音色が融合したものであると推測しています。それを私は東海岸系シティポップと呼んでおります。

というのも、第1回で大瀧詠一さんはシティポップではないという理由にも繋がっていくのですが、名盤「A LONG VACATION」には上記に当てはまる楽曲がありません。どちらかというと和製ウォール・オブ・サウンドであり、独自のナイアガラ・サウンドでもあるのです。


では、メロウなグルーヴ感とエレクトロなファンクの音色が融合した「都会的な雰囲気を持つサウンド」というのはどういう曲か?

極私的にはなりますが、代表的な楽曲を紹介します。

1.角松敏生 -  AFTER 5 CLASH  (1984)

ジャケットから既に都会感が満載ですが、これこそまさにシティポップな極上のサウンドであると感じております。

首都高レインボーブリッジから六本木に向かう道で聴くとベストマッチします。

シティポップを語る上では外せない角松敏生さんの1984年に発売したアルバムに収録された楽曲です。ちなみに、この曲はアルバムのタイトルでもありますが、アルバムを通してシティポップを貫いている数少ない作品です。

シティポップとはどういう曲と聞かれたら、まずこのアルバムを聴いてもらうのが一番良いと考えております。

2.鮎川麻弥 プラスティックNIGHT (1988)

OLのアフター5ソングとして聴かれている楽曲ですが、エレクトロ感もあり都会的なサウンドに仕上がっている作品です。新橋辺りでこの曲を聴くととても気持ち良いです。

3. 山下達郎 - HOT SHOT (1979)

こちらもシティポップを語る上では外せない山下達郎さんの楽曲です。「SPARKLE」などが定番として紹介されていることが多いですが、個人的にはこの曲が一番シティポップだろうと思っています。

エレクトロ感は少ないですが、アップテンポなナンバーにお馴染みのカッティングギターが疾走するこのサウンドは、夜の首都高から中央道に向かう永福辺りで流すととても良いです。

この方はまた別の機会で特集したいと思います。


4. ラジ - グッド・バイ トランスファー (1984)

シティポップ界隈ではお馴染みのラジさんの楽曲。スローでメロウな雰囲気とエレクトロ感がお見事なシティポップです。曲の内容のとおり、空港で聴きたくなります。

この方はサディスティックスや南佳孝さんたちとコラボして数多くのシティポップを世に出しています。


以上、極私的な東海岸系シティポップサウンドとなります。

ちなみに、定番中の定番である竹内まりやさんの「プラスティック・ラヴ」や、吉田美奈子さんの「恋は流星」はあえて紹介しませんでした。

というのも、今回の東海岸系サウンドのテーマとして、メロウなグルーヴ感とエレクトロなファンクの音色が融合でしたので、テーマには合わない楽曲だと判断しました。

かといってシティポップではないということではありません。今回はあくまで東海岸系ということです。

他にも沢山の東海岸系がありますが、それもまた別の機会でご紹介したいと思います。



次回は西海岸系シティポップについてお話ししたいと思います。





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