ひとりぼっちの集合体でいたい

誰の不幸も望んでいないし、できれば皆、幸福になってほしいと思っている。これは間違いのない本心で、別に綺麗ごとを言っているつもりもない。

その皆に、もちろん私は含まれていなくて、だからこそ、私のあずかり知らないところで勝手に幸せになっていてほしい。

お願いだから、目の届かないところで幸せでいて。
お願いだから、私の見えないところで幸せになって。

あなたが幸福であることを共有してくれたり、一緒に祝ってほしいと思ってくれることは、とてもとても光栄なことだと分かっているし、そう思っているよ。でも、矮小な私はどうしたって、どろどろして苦いものを最後に沈殿させてしまうから。お願いだから、私の見えないところで勝手に幸せになって。そうして、私と過ごした日々を勝手に思い出にして。

私は、あなたたちの幸福や幸運を心から祈っているし、そうあってほしいと思っているよ。でも、そこに惨めさばかりを覚える私は不要だから。お願いだから、私をひとりぼっちのままにしておいて。

私の中で思い出は、もはや蓄積されていない。全てを曖昧にして、霞ませて、誰か彼かと過ごした日々を残らず消して、早く人生が終わることだけを目指している。だって、時間が解決してしまう残酷さに、私は耐えられないから。私だけが過去にとらわれ続けることに、もう疲れてしまったから。

だからもう、みんな、私の知らないところで、幸せでいて。

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