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ブラフマー神、ヴィシュヌ神、ジヴァ神の中で、誰が一番偉大か?

幼い頃の記憶です。スーパーの瀬戸物売場で、品の良い御婦人があやまって、商品を落としたようでした。「すみません、料金お支払い致します。」とすぐに彼女は申し出ました。今思えば、商品が無造作に重なり合って置いてあったし、店側にも責任あると当時幼い私は思いました。だけど、謙虚さと正義を重んじた御婦人は、自らの責任を明確に果たしたのです。これが私が生まれて初めて学んだ謙虚さと真実の授業でした。

この幼い頃に焼き付いた記憶は、『シュリーマド・バーガヴァタム(バーガヴァタ・プラーナ)』第10巻89話を知った時に、再び呼び起こされました。

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シュリーマド・バーガヴァタム https://note.com/lalichiko/n/nd53f10333fe5 

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偉大な聖仙たちかサラスワティ河のほとりで集まり、3大神(ブラフマー、ヴィシュヌ、シヴァ)の中で誰が一番偉大かという疑問がわきあがりました。

好奇心旺盛な聖者たちは、このことを確かめようと、ブラフマー神の息子である聖仙ブリグを、3人の神のもとへ遣わしました。

最初に、聖仙ブリグは、ブラフマー神の宮殿に訪れ、ブラフマー神の忍耐を試すために、挨拶もせずに賞賛の言葉さえ述べませんでした。するとブラフマー神は非常に憤慨して、怒り炎で全身が燃えているようでした。しかし、ブラフマー神は、侮辱しているのは自分の息子だと知って、我にかえり理性で怒りを抑えました。

次に、聖仙ブリグはシヴァ神が住んでいるカイラーサ山へとやって来ました。偉大な神シヴァは、自分の兄弟ブリグが来たことを知ると、喜んで席から立ち上がり、ブリグを抱きしめようとしました。

ところが聖仙ブリグは嫌がりこう言いました。「私の身体に触れないでください!あなたは、社会の慣習を破り、ヴェーダを嘲笑しているではありませんか!」

この言葉を聞いたシヴァ神は、激昂し眼から炎を発して、三叉の矛を手に持ち、今にも聖仙ブリグに襲いかかろうとしました。それを見た妻であるパールヴァティ女神は、シヴァ神の足元に身を投げ出し、なだめる言葉で夫の心を鎮めました。

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最後に、聖仙ブリグはヴィシュヌ神が住んでいるヴァイクンタへ向かいました。その時、ヴィシュヌ神は妻のラクシュミーの膝の上で頭を乗せて休んでいました。

それを見たブリグは何の挨拶もせず、ヴィシュヌ神の胸を突然足で蹴り上げたのです。しかし聖者の庇護者である神はまったく怒らず、妻のラクシュミーと共に、恭しく身体を起こされたのです。そして寝台から降りて来られるとヴィシュヌ神はこう言われました。
「聖仙ブリグよ、ようこそいらっしゃいました。どうかゆっくり寛いでいってください。あなたが来られたことに気づかずに、歓迎の御言葉もかけなかった無作法をどうかお許しください。」

さらにヴィシュヌ神は、ブリグの足を揉みながらこう言われました。
「あぁ、なんと柔らかい御足なんでしょう。あなたの御足に触れた水は、聖なる水をも清めてくださいます。どうか、その聖水で私を、そしてこの世界を、さらに世界中の教師たちを清めてください!尊き聖者よ、今日から私は、女神シュリーが住む場所となるでしょう。あなたの御足に触れたおかげで、私の罪は全て消え去り、幸運の女神が私の胸に住むようになりました!」

このように、ヴァイクンタの主が語られた麗しく厳かな言葉を聞いた聖仙ブリグは大いに満足して、心はバクティ(神への信愛)に満たされ、感動のあまり涙が溢れて、何も話すことができなかったのです。

聖仙ブリグはその後、偉大な聖仙たちがおられるサラスワティ河に戻られ、自身の体験を報告しました。彼の体験を聞いた聖仙たちは非常に驚き、今までの疑問を晴らすことができたのです。そして、最高者の蓮華の御足を崇めることで、祝福された主の境地に到達できました。

『ヴィシュヌ神こそが純粋で浄性な最高神であり、平安と至福、正義と英知と離欲の源泉であり、人々の心を浄化してくれる神なのです。』

『平和と平等感と無執着の化身であり、非暴力を誓った聖者たちの最高の庇護所、それこそがヴィシュヌ神だと認められているのです。』

*この物語は、最高者の栄光を明らかにするもので、人々が敬意を持って聞くならば、輪廻を海の恐怖を乗り越え、平安と至福を与えてくださいます。






愛と優しさをいっぱいありがとうございます!