入院日記1 9週目 10月17日
本当なら今日は外泊して家に居るはずだった。しかし朝から腰の調子はあまり良くなく、杖も無しに雨も降っている中果たして帰れたかどうか考えると結構今日はきついかも知れない。
今の病室は人の出入りが激しいのだが、夕べの面々は消灯後もなんだかんだでうるさい。隣の下品オヤジはおそらくは苦しいのであろう、うなされている。そんな状態の人をうるさいとは思わないが、朝が来てまたぶつくさ独り言言ってるのを聞くとやっぱりうるさい。そして向かいのどちらかは何かをこっそり食べている。袋がガサガサとうるさい。
今朝は朝一番でコンビニへ行きコーヒーを買ってきた。そしていつものように朝食。しかし朝食のあとリハビリはない。
昨日シャワーを浴びたので今日は体を拭くだけにし、着替え終わったらデイルームに移動。写経をする。午前中は写経と短歌をして過ごした。思いのほか入院が延びているので「病牀二十一貫」の歌は倍にすることにした。つまり一節五首から十首にしたのだった。この歌集は時系列なので今は入院前、入院後、手術前あたりまでの付け加えをしている。しかし本当ならば予定通りに21節105首にしたかった。今回はこんなに退院が延びてしまったので致し方ない。
昼食後も自分ひとりだけデイルームでこんな歌を作ってはこれまでの時系列の中に埋め込んでいた。そしてそれに飽きれば写経だ。
妻は夕方やって来て今日届いたノルディックポールを持って来た。組み立てに多少時間がかかったが妻が帰った後で試してみる。なかなかいい感じだ。
夕食後はかつての歩行訓練コース東西一往復をポールで試してみたが、多少は腰にも負担があったにせよ難なく歩けたと思う。ただこの腰の痛みがとにかく気になるところだ。その後はデイルームで写経をして静かに消灯時間を待っていた■