入院日記2 手術後のルーティン
再入院して今週で一ヶ月になる。最初の1週間は血糖コントロールのために糖尿病内科の病棟にいたが、翌週からは手術もありもとの整形外科に転科している。
二度の手術を経て現在はリハビリ期間に移行しつつある。昨日やっと抜糸も完了してだいぶ楽にはなってきた。しかし未だ2度目の手術の時に開いた部分の感覚が鈍っていて、その部分ばかりがどんよりと鉛のような重さを感じているのだ。
手術直後にのみ用いられる麻薬系の点滴痛み止めというものがあるのだが、僕の体質は珍しいのかその薬がほとんど効かなかった。そのため2回の手術ともに直後はかなり苦しい思いを強いられている。結局自分ではあまりよく効いているのかわからないロキソプロフェンをはじめとしたカロナールとトアラセットの三種の飲み薬の痛み止めとジクロフェナクの坐薬を併用して痛みをしのいでいる。手術直後からこんな薬で太刀打ちしてるのだからそれはつらい。正直言えば他の人に比べると不利なような気もする。飲んで十分に効果が出る薬というのがあまりないからだ。
二度目の手術からも二週間が経ち、だいぶ痛みも抑えられた。それと同時に病院内での日常のルーティンを取り戻しつつある。
基本大部屋病室が嫌いな僕はほとんど部屋にはいない。それは病室の他の患者が嫌と言うのではなく、廊下向かいにある個室の婆さんが電話で喋ってたりテレビをつけっぱなしにしていてそれがうるさくてたまらないのだ。そろそろ看護師にも苦情を訴えたいところだが、自分がこの場にいなければいいことでもある。それに個室なんて長居するものでもない。じきにいなくなるだろう。
朝は六時に起床なので時間が来たらすぐに荷物を背負って1階のコンビニへ行く。ここで朝のコーヒーを飲む。コンビニには無料Wi-Fiもあるのでそれを利用してネットも使う。主にClubhouseにアクセスしている。朝のこの時間も決まった部屋に出入りして時間を潰している。
コーヒーを飲み終えると自分の病棟のデイルームに移動し、そこで写経をする。写経は一日三回。これが終わると朝食の時間も近い。朝食は8時、朝ドラを見ながら食べている。朝ドラはMacでNHKプラスで見ている。入院中見るテレビは毎朝の朝ドラと土曜の朝の「チコちゃん」の再放送だけ。他には一切テレビは見ていない。
9時からはリハビリ。10時からは点滴。点滴は八時間おき一日三回。点滴まで終わると眠たさなど体調と相談の上昼までデイルームにいるか、そのまま寝ているかどちらかであるが、先にも書いたように廊下向かいの婆さんがうるさい時は無理矢理でもデイルームへ移動する。
12時から昼食。12時半まではNHK第1でニュースと「昼のいこい」を聴く。自分にとっても黄金タイムである。ただし12時半から番組は途端につまらなくなるのでその後はデイルームに移動をして昼の写経。そしてそのまま午後はできるだけデイルームで時間を過ごす。
夕食は6時、その前に2度目の点滴を受ける。点滴を受けている時はほとんど何もできないのでその間に眠たかったら寝ておく。
夕食後は夜9時に消灯なのでデイルームに移動をして夜の写経。その後はMacを開いて書き物をしたり、Clubhouseでいろんな人と会話をしている。デイルームという場所ならClubhouseで話しをしていてもお咎めはない。そして夜9時に消灯。消灯後もしばらくはスマホをいじってはいるが、できるだけ寝るように心がけている。そして深夜2時に再び点滴。早朝4時に飲む薬があり、6時の起床時間を待ってコーヒーを飲みに行く。週末はコンビニが朝7時にならないと開かないのでこのときは先に写経をして時間調整している。
今はこんな一日の繰り返しだ。時々何の予告もなしにレントゲン撮影が入る。おそらく近いうちにCTもあるだろう。身体は基本的には痛い。今は最初の手術の痛みがだんだんと感じられるようになってきた。さすがにボルトの付け替えは新しくボルトを締めた部分を中心に痛みが長いこと続く。それに対して二度目の手術はその直後こそ大変だったが基本は開いて移植をしただけなので傷が癒えればだんだんと楽になってくる。
このルーティンで一番心配なのが血糖コントロールと低血糖だ。このところほぼ毎日低血糖気味になる。その兆候は目眩だ。しかも早いうちから目が見えなくなる。やがて末端から冷えが始まり震えが止まらなくなる。こんな現象になった時はだいたい血糖値も危険数値である70以下だ。
兆候が見えた時点で安静にしていればそれ以上は悪くならない。このタイミングの兼ね合いからリハビリは午前中になっているのだが、それだったら投与するインシュリン減らしてもらいたいのはホンネかな。これが起きるとその時の時間がまるまる使えなくなりとにかく損をした気分になる。僕が酒をあまり飲まなかったのは酔っ払って物事が考えられなくなる時間が勿体ないと常々思っていたからで、低血糖もこれとよく似ている。
全体的に前回の入院と比べると入院生活のコツみたいなものもつかめ、四六時中イライラしていることは少なくなった。今回何が一番違うかと言えばClubhouseで、自分が話せる時間にはできるだけ他の人達と話しをし、そうでない時は聞きに回っていたり、その時だけ好きな音楽を聴くなどして過ごすことができるのが大きいのではないだろうか。今回コンビニでパズル雑誌も一切買っていない。それとMacで詩を書いたり写真をいじったりする時間も増えた。
これであとは納豆さえ自由に食べられたらな言うことないんだけどな■
2021年4月5日
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