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肩関節3rd外旋制限

こんばんは!かまだです(^o^)丿
今回は前回に引き続き、外旋制限についてですが、1st、2ndときたので最後の3rdポジションでの外旋制限因子について見ていきましょう!

まずは、3rd外旋の重要性からお話していきます💡

▶3rd外旋の重要性

3rd外旋の重要性はずばり・・・

”挙上位での外旋(ADL挙上動作)”

”スポーツでの上肢肢位”

かなと個人的には考えています💡
例えば、結髪動作なんかは3rd内旋可動域も必要ですが、外旋可動域が無いと困難ですし、反対側の手を使わないと洗髪出来ません
また、スポーツのばにおいては、バスケットボールでのシュートの肢位、野球でのバッティングの肢位、オーバーヘッドスポーツでの肢位などが出来ないデメリットがありますよね!
ですので、ADL、スポーツの場において3rd外旋可動域は重要となってくると言えます💡

では早速、制限因子となる軟部組織を見ていきましょう!

▶3rd外旋制限因子

今回もまず、この図からイメージしていきましょう💡


肩周囲筋の軟部組織イメージ図

3rdポジションは、屈曲90°位であることから、まずは下方と後方の組織が伸張します
そして、外旋なので、前方の組織と考えるとこの図で言うと前下方組織がターゲットとなりますね💡

2nd外旋の時も前下方組織がターゲットでしたが、3rdポジションでは
水平屈曲(水平内転)90°位となるので、水平伸展に作用する広背筋なども拮抗筋として制限となります💡
ここが、2ndと3rdでの違いなので覚えておきましょう!

・広背筋

まずは広背筋です💡
広背筋は、伸展、内旋に作用(収縮)するため3rdポジションでは真逆の動き(伸張)をします。さらに上記にもある水平伸展の作用もある為、制限因子となります

広背筋(全体図)


広背筋(停止部周囲)

因みに、広背筋は腰仙椎棘突起、腸骨稜にも付着している為、腰椎屈曲位や骨盤後傾で行うとさらに伸張ストレスが加わり、より伸張性を評価しやすくなります💡


・大円筋

大円筋は起始、停止の関係から広背筋と似た走行をしている為、作用も内旋、内転、伸展と似た作用を持ちます💡
ただし、神経支配は肩甲下筋と同じ肩甲下神経なので、特に3rdポジションでは、肩甲下筋での内旋運動を補助する役割として働くとのことです(参考文献参照)

主に90°屈曲位での外旋で80°まで達しない場合に、伸張性低下を疑います💡

大円筋


※後上方関節包

ここで、ん?となった方もいらっしゃると思います
僕も最初は思いました!が、後上方関節包も制限となる可能性があります💡

後上方関節包の場所は、名前の通り”後上方”ですので、前下方組織が制限となる3rd外旋とはどう繋がるの?と疑問が浮かびました
これらの文献を見つけました

1st positionを基準に屈曲角度増加に伴い,外旋可動域は徐々に減少した

豊田ら,2021

屈曲位での軟部組織の緊張度合いについて上後方(後上方)関節包の緊張が強くなる

西上ら,2006


個人的なイメージとしては、1st外旋が一番可動域制限があり、制限をとるのが大変だなと感じていましたが、一定数、2nd外旋がいくのに、3rd外旋になると硬い症例も散見されます💡

全文見れていないのであまり詳細に考察などはわからないのですが、
3rdポジションは、肩関節90°屈曲位というのがキーとなっており、関節包内運動を見てみると、屈曲動作は、後方へ転がり下方へ滑るという特徴があります💡
バイオメカニクスについてはこちら⇩

さらに外旋なので、骨頭は後方に転がります💡
つまり骨頭が ”後方へ転がるスペース” が無いと(柔軟性低下)、上手く骨頭が転がれず制限因子となる訳です
そうなると、後下方組織も・・・制限になり得る・・?
という様に運動学的に3次元で見れるとより、介入の幅が広がってきますよね(^^)


▶本日の転用💡

今回で外旋に対する制限因子については終わりになりますが、ポジション別で制限因子が変わる。というのが大切なポイントですね!
そして、その可動域が治療対象になる”目的”も知っておく必要があります。

そう考えると、患者様のADL、生活位背景などの情報を問診で聞き取れるかどうかという話にもなってきます
特に入院患者様などは、自宅に退院なのか施設なのか、自宅であれば家事動作はどのくらい担っていたのか、など目指すのはその人それぞれの生活ですよね💡
治療に意味を持ちながら日々過ごしてみると視野が広がると思うので、是非目的を定めた上で治療する、ということを意識していきましょう(^o^)丿

次回からは、”内旋制限”に対して記事を書いていこうと思いますので、よろしくお願いします!

では、また次回(^o^)v


▶参考文献
林 典雄・赤羽根 良和:
運動と医学の出版社の臨床家シリーズ 肩関節拘縮の評価と運動療法:運動と医学の出版社

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