⑧学校を知ること、自分の言葉で伝えること
学校について知る方法は、学校説明会、体験授業、公開行事、私学フェアのような合同相談会、学校の卒業生や在校生の保護者の方からお話を聞く、などがある。私の場合は、学校説明会、体験授業、公開行事から学校について理解を深めることができた。合同説明会には1度参加し、気になっていたことを受験担当の先生に直接伺うことができた。ただし、各学校のブースが非常に混雑しているため、学校を絞って質問をする必要がある。合同説明会でパンフレットは自由にいただけるが、学校説明会でも配布されるので、何度も参加する必要性は感じなかった。
また、夫や私の親しい人に卒業生や在校生の保護者の方がいなかったので、そういう方達からお話は伺う機会はなかった。伝手をたどって在校生の保護者の方を紹介してもらって話を聞くこともできたかもしれないが、お互いの予定を合わせることが大変だし、合格すれば喜んでもらえるが、不合格だった場合は気を使わせてしまうかもしれないと思ったので、個人的にそのような方達からはお話を伺わなかった。
学校説明会は、年長児の保護者しか参加できない学校もあるが、年中児の保護者でも参加可能な学校もある。我が家の場合は1校につき数回は参加し、息子には必ず体験授業に参加させた。学校説明会では、ウェブサイトやパンフレットからでは分からない学校の雰囲気を感じることができ、自分自身が感じた学校の魅力を面接や願書に反映できた。
面接・願書マニュアルや、AI作成、願書作成サービスなど一見便利なものがあるが、結局、自分自身が実際に感じたことを自分の言葉で伝える方が楽だと思う。楽という言葉は適切でないかもしれないが、マニュアルの大部分を取り入れたような面接や願書は、可もなく不可もなくの内容になるので、印象に残らない可能性が高い。そのうえ、自分の言葉ではないからなかなか内容を覚えられないというデメリットがある。願書作成サービスを利用するにしても結局はネタとなる材料をそろえて提供する必要はあるし、やり取りも発生するので、時間を無駄に使ってしまうような気がする。
我が家は、実際の面接で学校説明会の感想を聞かれた。別の学校面接では、体験授業後にお子様とどのようなお話をされましたか?と質問された。子どもが試験中に行われたアンケートで、学校説明会や体験授業に何回参加したかを記入したこともあった。自分の言葉で考えをまとめておけば、丸暗記をしなくても面接やアンケートに対応できると思う。私は、ウェブサイトとパンフレットから建学の精神や教育理念など基本的なことを学び、学校説明会で学校の雰囲気を感じたり、校長先生のお話から学校についての理解を深めたりして、最終的に自分の言葉でその学校の魅力を表現できるようにして願書と面接に臨んだ。
学校に我が子を選んでいただくという思いが強いと、本番までに学校に合うような子どもに仕上げなくてはと思ってしまう。しかし、どんな子どもがその学校に合うかは学校にしか分からない。よく分からないことにエネルギーを費やすと親も子も疲弊する。そうではなくて、我が子に通わせたい学校を私たち両親が選ぶ!という潔い気持ちで、学校説明会や体験授業に参加することで学校選びの視野が広がり、子どもにあった学校を冷静に判断できるのではないかなと思う。