やり直し令嬢は竜帝陛下を攻略中1〜3 永瀬さらさ

クレイトス王国の王太子婚約者でもあり、並外れた魔力・戦闘力を持ち軍人令嬢と呼ばれ戦場を駆け巡っていたジル・サーヴェル。
王太子が実妹の王女と恋仲だった事に気づいた瞬間に、王太子から冤罪を着せられ処刑されそうになるが何とか脱獄。
けれど追っ手が迫り命を落とす瞬間に、王太子との婚約が決まった6年前のパーティーにいた。
時間が巻き戻り、なんとか婚約を回避すべくジル嬢の選んだ手段は、クレイトス王国と長年対立していた隣国の皇帝(竜帝)ハディスに逆プロポーズする事だった…。

これは凹んでる時に読みたくなる小説。
主人公ジル嬢が、とにかく強くて前向きでオットコマエで突き進んでくれるから、読んでて痛快ですごく元気が出てくる。
やり直し前では軍人令嬢と呼ばれただけあって、ジル嬢の軍人っぷりが最高!
特に1の聖堂内で負傷兵を含めた北方師団に向けての檄を飛ばすシーンは堪りませんね。
ヒーローのハディスも強くて腹黒で料理上手で虚弱体質で心が病んでて最高だし。
その他の登場人物も、個性豊かで読んでて本当に面白い。
竜妃の騎士であるカミラとジーク、竜神ラーヴェ、ハディスの異母兄弟達…。
それぞれが魅力的で物語を盛り上げでくれている。
中でもやり直し前でジル嬢の腹心だったロレンスは、ジル嬢側に来るのか気になってしょうがない。
ロレンスはジェラルド王太子側に居続けるのか?
ロレンスが来てくれないと、ジル嬢の軍師はどうなるんだろう。
ひょっとしてハディスの実兄ヴィッセル皇太子が軍師になる?
…いや、ないな。多分。

話の流れ的には1〜3で第一部みたいな感じ。
まだ出てない4以降で、300年前のラーヴェ帝国で起こった事件が解明されていくのかな?
ハディスが誕生するまで「竜帝」が不在だった原因が、この300年前の事件。
クレイトス王室が根回ししていて、ラーヴェ皇室を根底から覆す事件だったよう。
何があったのか妄想を膨らませるのも、また楽しい。

「なろう」にもSSが掲載されていて面白いのだけど、幕間の「正史(やり直し前)」が壮絶。
本編の「幸せ家族計画」と打って変わり、ハディスの恐怖政治への道程が描かれていて、温度差が激しすぎ。
「正史」にはハディスの孤独と絶望が描かれている。
だからこそ、本編の「幸せ家族計画」の成就を願ってやまない。
本編で「竜帝」と「竜妃」の間にある地雷があちこちに仕込まれているから(300年前の事件が原因と思われる)、すんなりいきそうにないけれど。

永瀬先生のTwitterによると、連載再開は10月以降になりそうとの事。
早く再開して欲しいなぁ。
楽しみでしょうがない♪


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