見出し画像

ANYCUBIC MEGA-S用の ちゃんと使えるファームウェアをビルドする③ ちゃんとちゃんとのオートメッシュベッドレベリングの巻(with pronterface)

前回の記事で LCD画面を使用してプローブを使用しないマニュアルメッシュベッドレベリング(以降MBL)を行いましたが、

今回はプローブを使用しないオートメッシュベッドレベリング(以降ABL)をコマンドのみで実行する手順を説明したいと思います。

MBL に比べ ABL の利点は、

・各軸7ポイントまでの制限が外れて多数の計測ポイントを設けられる
・EXTRAPOLATE_BEYOND_GRID が利用出来るのでプローブ範囲外の面も補完して補正する事が出来る
・ターミナルから操作するコマンドが(少し)簡略化されている。

では早速 ABL を有効とするファームウェアを作成していきます。

まず 1542 行目から 1548 行目まで下記の様に修正します。

修正前

無題

修正後  

AUTO_BED_LEVELING_BILINEAR を有効に。

無題

自動的にメッシュを印刷に反映する

1555 #define RESTORE_LEVELING_AFTER_G28  // remove comment out

X軸 Y軸 の測定ポイント数の設定 今回は 9×9 の 81ポイント

1613 #define GRID_MAX_POINTS_X 9

測定したグリッド外の範囲の傾斜を補完する

1623  #define EXTRAPOLATE_BEYOND_GRID  // remove comment out

 他に PREHEAT する オプションがありましたがマニュアルプローブでは作動しないようでした。
ファームウェアの変更はこれだけです。

buildして書き込みを実行します。



マニュアルプローブでのABLはコマンドラインからの操作では操作が大変なので、今回はpronterface の Customボタンを作成して便利にコマンドを送りたいと思います。

無題


先ず ABL を開始するコマンド[G29] を送信するコマンドボタンを作成して見ましょう。

無題

矢印の 「+」をクリック

無題

出てきたWindowに G29と入れましょう。 OKするとボタンが新規作成されています。

無題

このボタンを押せば「G29」のコマンドを送る仕組みになっています。

次はZ軸を0.01mm上昇させるコマンドボタンを作ります。

無題

今度はここをクリック

画像8

無題

マクロの名前を付けて コマンドを登録します。[G91]は相対座標になるので [G0 Z0.01]をクリック毎に繰り返し実行して移動する事が出来るようになります。

無題

ボタン出来ましたね。 降下側のコマンドも作りましょう。

無題

このくらい作っておけばいいかな。


では実行しましょう。本体を操作してホーミング[G28]を行い、プリヒートを実行して、ヒートベットの水平を出したら ABL 開始です。

[G29] で最初のプローブポイントまで移動します。

そうしたら例のOA紙を使い丁度良いクリアランスを先程作成したZ軸を動かすボタンを使って合わせます。合わせたら[G29]で次のポイントへ移動します。

[中略]

で 81点 計測した結果がこちら

Bilinear Leveling Grid:
     0      1      2      3      4      5      6      7      8
0 +0.020 +0.010 -0.030 -0.040 -0.060 -0.100 -0.150 -0.200 -0.280
1 -0.020 -0.010 -0.020 -0.040 -0.050 -0.070 -0.100 -0.160 -0.200
2 -0.030 -0.030 -0.030 -0.030 -0.030 -0.040 -0.070 -0.100 -0.150
3 -0.050 -0.030 -0.030 -0.020 -0.010 -0.020 -0.030 -0.050 -0.100
4 -0.060 -0.040 -0.030 -0.020 +0.000 +0.000 -0.010 -0.030 -0.060
5 -0.040 -0.030 -0.010 +0.010 +0.020 +0.030 +0.020 -0.010 -0.020
6 -0.040 -0.020 -0.000 +0.010 +0.030 +0.040 +0.030 -0.000 -0.010
7 -0.020 -0.000 +0.010 +0.030 +0.040 +0.060 +0.060 +0.030 +0.010
8 -0.010 +0.020 +0.040 +0.060 +0.060 +0.090 +0.070 +0.050 +0.020

無題

どうなんでしょうかね。 歪みの傾向が変わったのはヒートベッドのマウント方法とリジットに変更したからかな?そう言えばリジットにしると熱応力の逃げ場が無くなりますね(汗

コマンド[G26]でテストパターンが印刷できるのでやって見ましょう。

画像13

MARLINってテストパターンまで備えているんですね。凄い作り込み。
この◯一つ一つがプローブポイントになっているので、おかしな所はコマンド経由で一つづつ修正値を修正できます。


地に足付けるって大変ですね。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?