ファンタジー小説/サンダーコレクター7
ゴロゴロ…
あ、明け方に雨降るって言ってたな。
音で目を覚ました。
雷に反応しやすくなってるな。
「あ、起きたの?るなてゃん」
仰向けで寝てる私の顔をニャックが覗いてきた。
だから、ビビらせるのやめて欲しい。
「昨日集計して、D3にステップアップしたよん!なので出来ることも少し変わりまーす」
へぇと思う。
とりあえず私は外には出ないとダメみたいだ。
傘をさして、レインブーツを履く。
雨粒を弾いていく。あるいは、傘をつたってぽとんと雨が垂れていく。
水溜まりが所々できている。
今回はこの水溜まりにしようかな。
ニャックに頼んで、コレクターさんたちを召喚してもらう。
コレクターさんたちは直ぐに来たけれど、今回はこないだよりも人数が多い。
そのため、水溜まりですし詰め状態になっている。
窮屈そうだな。
人数制限とかできないのかなと考えて居た。
そう考えて居たら、ニャックが言う。
「ねーねー、るなてゃん傘閉じて。」
は?アホなのか、濡れるじゃないか。
「嫌だよ、濡れるじゃん」
「いや、違うの。それ使わう道具になるからさ。」
「いやだって」
押し問答の末、傘を閉じることになった。
もー濡れるやん。イライラしながら。ニャックを睨んだ。
「で、何するの?」
「そんな怖い顔しない&声出さないの、るなてゃん。折角の可愛い顔が台無しだよ、あはは(*ΦωΦ*)あのね、その傘を魔法のスティッキみたいにも出来るわけよ。その傘の先を、コレクターさんたちに向けてみて」
なんか失礼な行動にならないか不安になったけれど、声をかけた上でコレクターさんたちに向けた。
そうすると、その様子を見たコレクターさんたちが水溜まりに潜って、アイテムを投げ出した。様々な色のエフェクトのような映像が走る。その後、まるで橋のようなものが出来ていく。最後水溜まりと傘にアーチ状の橋ができ、コレクターさんたちが渡ってきた。
「コレクターさんたち、傘に渡り切れたね。そしたら、違う水溜まりの方に傘を向けて開いて。パーンって」
ニャックに言われた通りに、傘の操作をする。
傘に着いた雨粒が一気に弾け飛ぶと同時に、コレクターさんたちも弾け飛んだ。
様々な水溜まりにコレクターさんたちは散り散りになった。
みんな新しく行き着いた水溜まりに潜り、またどんどんとアイテムを投げていく。
様々な色が出現しては、白い雲のようになっていく。
そうすると離れ離れだった水溜まりたちがくっつき始めた。
なんだかその水溜まりを繋ぐように局地的に、雨が降ってきた気もした。
「水溜まりを拡大したの?」
「そうそう。狭いからね自分たちのお好みにしてるんだよ。最初の水溜まりがログインの基準だからね。変更はできないから、こんなふうにしたりするの」
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