My Dearest Deer

うーん魅力的なお尻って言うと、やっぱりもふもふしてるお尻ですよね。
あの茶色の毛の真ん中に、白い毛がハート形に生えててふわっとしてる。
あの白い毛の中に顔を埋めてみたい。最高に綺麗な真っ白なハート型のお尻に顔を埋めてみたい。
そう思わせるのが、一番綺麗で魅力的なお尻なんですよ。

鹿のおしりって、真っ白なんですよ。しかもハート型。それもいろいろあるんです。完全にシンメトリーのハート型
は少ないんです。

いやーそれが悩みの種なんですよ。
馬とかでもそうですが、四足の動物は、後ろから近づかれるのにすごく警戒するんですよね。
鹿はうかつに近づくとすぐ蹴られちゃいますからね。

  まず正面から近づくんです。そして低い位置から屈んだ状態で距離を取ってまずそっとアイコンタクトするんです。
そして心の中で話しかけます。
まだ口には出しません。
ゆっくりと自己紹介をするんです。
そこで鹿に嫌がられなければまずは成功。

それから鹿を褒めるんです。
君の足はとっても綺麗だすごくセクシーなお尻だねとか褒めて欲しいと思っているんですよ。きれいなところを見せびらかしたいとかね。


もちろん伝わりますよ!
しかも人間の女性と一緒ですよ。
下手な下心を見せると嫌われる。
でもちゃんと尊重して気持ちが伝わると心を開いてくれるんです。
って言うかね、焦らしてくるしかもいますよ。こうなったらもう彼女との駆け引きですね。
生真面目は嫌われますね、大体。


あー、ありますよ。
めちゃくちゃあります。
フラれてばっかりです。

僕が一番気に入っていた綺麗なお尻の彼女がある日突然死んじゃったんです。
観光客が落としていったプラスチックゴミを食べて。
そりゃショックでした。
フラれたりするより数十倍ショックでした。
でも彼女とのコンタクトが忘れられなくて、僕、彼女を剥製にしてもらったんです。
お尻の部分を。今でも僕の部屋に飾ってあります。
寝る前にいつもそのお尻をなでるんです。
そっとね。
そうすると彼女の目が思い出されてくるんです。
僕と向かい合った時の目。
何て言ったらいいんでしょうね。
今でも胸が震えますよ。
美しく凛とした目。

結局僕は彼女のことが忘れられないんでしょうね。
もう一度生きている彼女に会いたいだからあのお尻を探し続けているんですよ。
この公園にいる何千頭という鹿の中に、きっと彼女のようなクールな目、魅力的なもふもふしたお尻を持った鹿がいるに違いないと信じてるんです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?