湖畔の時間 の わたしの時間| サウナ監修(TTNE) / DJ 伍堂英太の視点
2020年11月に白樺湖で開催した野外イベント「湖畔の時間 2020」は、2日間で約1400名の方にご参加いただき大盛況となりました。
イベントの成功に欠かせなかったのが、さまざまなスキルを活かして空間を共に創ってくれた、スタッフやクリエイターの皆さまの存在。
連載企画「湖畔の時間 の わたしの時間」と題して、関わったスタッフやクリエイターそれぞれの視点で切り取った白樺湖を、等身大の言葉でお届けしていきます。
第3回は、サウナの監修とDJとしての出演の二役をこなしてくれた、伍堂英太さん。サウナブランドであるTTNEとして、人気コンテンツのひとつだった屋外テントサウナを提供するとともに、1日目のラストを飾るDJ・Eita Godoとして夜の会場を盛り上げてくれました。
Eita Godo(伍堂英太)
東京生まれ東京育ち。バンド経験などを経て18歳よりDJとして始動。あらゆる場所でDJの経験値を積んだハイブリッドな選曲に定評がある。2020年からは日本橋兜町にオープンした”K5”の客室用レコードのセレクトも担当するなど、活動の幅を広げている。
サウナブランド「TTNE」には、ブランドディレクターとして所属。デザインやイベント全般の監修などを行う。
<Mix>
https://www.mixcloud.com/EITA_/
──伍堂英太さんとは、初めは「サウナ監修」として、TTNE(サウナのプロデュースやアパレル展開、サウナ啓蒙活動などを行うサウナー専門ブランド)へ相談させていただきました。プロジェクトに関わってくれたきっかけを改めて教えてください。
最初に話を聞いたのはイベントの1年ほど前でした。TTNEのPRもやってくれているななちゃん(プロジェクトメンバー・柴田菜々)から、「白樺湖で湖の楽しみ方を探っていて、テントサウナをやりたくて、一度来て一緒にやってくれませんか?」と頼まれたのがきっかけです。
もちろん快諾して、白樺湖を初めて訪れたのが2019年11月。あれから1年の時を経て「湖畔の時間」というイベントが出来上がって、すげーちゃんと形にするじゃん!って感心しました(笑)
──初めて訪れた日に、湖畔でテントサウナをやってみたそうですが、その日の白樺湖の印象はいかがでしたか?
あの日は、3メートル先が何も見えないくらい霧の濃い日で。湖の大きさも目視できず、第一印象は「あの世みたい」でした。湖上の霧の奥からスーッと人影が現れたときは、お迎えが来たのかと思いましたね(笑)SUPに乗った人だったんですけど。
だけど翌朝はピーカンで、水面に鏡のように山々が映っていました。桟橋でシーシャを吸いながら「いいじゃん白樺湖」と思ったのを覚えています。
──TTNEとして「湖畔でテントサウナ」は白樺湖以外でもされていたとのことですが、それまでに湖でどのような体験をされていたのでしょうか。
北海道の洞爺湖で、「洞爺湖サウナサミット」というイベントを毎年夏に開催していました。桟橋の先にテントサウナを立てて、巨大な天然の水風呂に飛び込む。これがもう最高で(笑)
その経験から「湖」と「サウナ」の相性が抜群に良いことはわかっていたので、「湖畔でテントサウナ」を最高の体験として提供できる自信はあったんです。自分個人としても、SUPやウェイクサーフィンなど波のない湖ならではのアクティビティも一通り楽しんで、すっかり湖の虜になっていました。
──「湖畔の時間 2020」では、チケット前売りの段階でサウナへの期待値がとても高くなっていました。どんな気持ちで当日を迎えられましたか?
とにかくお客さんの期待に応えなきゃという気持ちでした。洞爺湖でのイベントは招待制だったので、実はTTNEとして誰でも参加できるテントサウナを湖畔でやるのは今回が初めてでした。緊張感はありましたね。
ただ、前年の白樺湖での経験もあり、“ととのわせる”ことさえできれば満足してもらえると信じていたので、事故なくやり切ることを考えました。
──当日は会場内での先着予約制としていましたが、連日午前中で予約がパンパンでしたね!改めて振り返って、当日の様子やこだわったことを教えてください。
イベント前日がバケツをひっくり返したような豪雨で、屋外のテントサウナは本当に大変でした(笑)ドタバタの準備でしたが、屋外サウナを初めて体験する人も多いと思い、ホスピタリティをどこまで高められるかはこだわりました。シャワーは浴びられなくても、化粧水やドライヤーを用意してあげるだけでも随分違います。
やれる範囲でどこまでできるかを考え抜き、事前打ち合わせも入念にしていたので、お客さんからは満足の声が多くてほっとしました。
ただ、サウナを目当てに来てくれた人全員に体験させてあげられなかったのは本当に申し訳なかったです。想定以上にサウナ体験希望のお客さんが多かったのですが、直前にコロナ対策が強化されたこともあり、体験可能人数を縮小していました。特に1日目は東京からの事故渋滞もあり、先着順に間に合わない方もいて。
2日目は前日の反省を生かして、先着順に間に合わなかった方向けにじゃんけん大会を実施したところ、100名以上の方が参加してくれました。
予想以上にサウナ好きな人や「TTNEのサウナに入りたい」という人が多くいてくれて、良い発見にもなりました。次があるなら、ここのオペレーションは改善していきたいですね。
──伍堂さんには、「サウナの人」であると同時に、「DJ」としても出演していただきました。湖の魅力を引き出してくれるDJとしてぜひ伍堂さんにお願いしたい!とオファーさせていただいたのですが、そちらはいかがでしたか?
そうなんです。「湖畔」というやったことのない場所でのDJだったので、サウナ以上に緊張していました(笑)「どんなお客さんが来てくれるのか?どんな雰囲気なのか?寒さは?音響は?」など未知数なことが多すぎて、ギリギリまで選曲していましたね。
ただ、今年はコロナの影響でフェスや音楽イベントも軒並みなくなり、屋外で音楽を楽しめる機会はこれが年内最後(イベントは11月下旬に開催)という人も多いと思ったので、思いっきり楽しませてやろうという熱い気持ちはありました。
──当日のステージは、お客さんみんなが思い思いの楽しみ方をしていて、とても素敵な空間でしたね。
イメージは固めて臨んだのですが、DJブースに登壇した瞬間にハッとひらめきが降ってきて、ガラリと方向性を変えて選曲したんです。それが場の空気にすごくハマって。
ジャンル問わず良い音楽を選曲できて、それがバチッとハマるDJ現場って、実はすごく少ないんです。カーペンターズなど初めてかけた曲も含めて、「湖畔の時間」ではすべてがハマりました。音楽のよさを改めて実感できた夜でした。
──イベント後の「余韻」もありましたね。終えてみて、いかがでしょうか?
とにかく最高だった。「余韻」がすごすぎて、なんとかその行き場を作りたくて、「湖畔の時間の余韻の時間」というアフターイベントを企画しちゃったくらいですから(笑)
もともと湖畔の時間の直後にプレイした日本橋CITANというお店で、「湖畔の時間よかったねー」と盛り上がっていたら、その流れで翌々週にDJイベントをやることになったんです。いつでも聴いて浸ってもらえるように、SoundCloudでその日のLive Mixもアップロードしました。
この困難な時代に「湖畔でただ自由に過ごす」という提案が、押し付けも無理強いもしてなくて、フィットしたんだと思います。次回こそは!って思ってる人、たくさんいるんじゃないかな。
──最後に、今後に向けてメッセージなどお願いします。
今回のイベントでは「湖が導いてくれた出会い」がたくさんありました。湖畔で出会った人って、「あの白樺湖の!」という感じで忘れないし印象に残る。出会いや起きたことに必然性を感じるというか、ストーリーが生まれるというか、湖って不思議だなって思っています。
何より、このイベントはななちゃんの人柄なくして成り立たなかった。ななちゃんの周りに集まる“陽”のエネルギーが僕も大好きで、それに魅せられた部分も大きかったですね。
次があれば、ぜひサポートを志願したいイベントです。また湖畔の時間でお会いしましょう!
「レイクタイム - 湖畔時間 - 」として新しいリゾートのスタイルや湖畔での過ごし方などの情報を発信しています。
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▼第1回:湖畔の時間 の わたしの時間|ロゴデザイン・アートディレクション木本梨絵の視点
▼第2回:湖畔の時間 の わたしの時間|装飾美術 佐藤千穂の視点