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白樺湖が心をつかんで離さない理由は”人”にある。「白樺湖のこと」立ち上げメンバートーク

白樺湖の周辺情報を、人のインタビューを起点に紹介するWebサイト「白樺湖のこと」。2022年にサイトがオープンし、少しずつアップデートを重ねています。

今回は、「白樺湖のこと」に企画始動時から携わっている4人が、デザインに込められた想いや取材時のエピソードを語ります。

メンバー紹介
平大路拓也:デザイン・撮影・取材を担当。
藤井翔太:クリエイティブディレクション・撮影・取材を担当。
柴田菜々:企画全体のコーディネート・取材・ライティング・編集を担当。
宮本倫瑠:当時、quodで柴田とともに取材・ライティングを担当。

宮本:今回は、「白樺湖のこと」について改めて振り返ろうということで…!

平大路:デザインを回顧するなんて、初めてかも。

柴田:藤井さんとは、白樺湖のお仕事では「白樺湖レイクリゾートプロジェクト」のwebサイト、「湖畔の時間」のイベントwebサイトを一緒に立ち上げてもらっていて。平大路さんとしっかりお仕事をするのはこの「白樺湖のこと」が初めてでしたよね!

藤井:「湖畔の時間、めっちゃよかったよ」とシェアして、巻き込んだ覚えがあります。僕が当時独立したてだったこともあって、かなりの熱量で…(笑)

平大路:藤井さんが白樺湖でインプットしてきたことと情熱を伝えてくれて、一緒にやりたいって言いました。当時僕はドイツのベルリンに住んでいたので、実は白樺湖のことを作り始めたのもベルリンでリモートから。帰国してからすぐ白樺湖の現地に行きました。

平大路さんはじめての白樺湖、藤井さん撮影。

人を起点とした観光サイトにしたい

柴田:人を起点にしたサイトにしようというアイデアは、藤井さんと平大路さんから提案してくださったんですよね。

藤井:観光情報サイトにもいろいろあると思うんですけど、僕があらゆるお仕事を経て実感したのは「ガイドブックに載ってないところが一番面白い」ということ。白樺湖って、人がつくった湖なこともあるし、いかにその場所に思いを持ってる人がいるか、いかに笑っている人がいるかを押し出した方がいいんじゃないかと思って。
まさか、自分らで全部やるとは思ってなかったけど…(笑)

平大路:あとにもさきにもここまで手を動かしたものはないです(笑)

宮本:写真もお二人が全部撮ってくれましたし、インタビューまで一緒に動いてくれましたもんね……!

柴田:本当にありがとうございました…(笑)
写真って、その人が世界をどう見ているかと紐づくと思うんです。「白樺湖のこと」に載っている写真は、全部愛に溢れすぎてる!
お二人が撮ってくれなかったら、白樺湖の人たち一人ひとりが話す言葉と合わなかったんじゃないかな、って思ってます。

情報よりも雰囲気を味わえるサイトに

宮本:アウトプットは、どのように考えていったのですか?

藤井:平大路さんとは基本的にオンラインでやりとりをしていたのですが、行けるときには現地に行ったり、二人で話し合って、手触り感のあるデザインにしようという話はしていました。

平大路:フォントは確か、いろんな文字であわせたときに、この雰囲気が白樺湖の雰囲気と合うなと思ったことを覚えています。

柴田:最初に提案してもらってから、現地を見て、取材で直接人と話して、みんなでミーティングして…と回を重ねていくごとに、「白樺湖らしいデザイン」ができていくのを感じられてわくわくしました!

初回提案のデザインイメージ
現地視察後のワイヤーイメージ

藤井:たしか白樺湖のことは、資料でストーリーつくるのやめようってなったんじゃなかったでしたっけ。珍しいですもんね、僕らがコンセプトのメモをあんまり残してないの…!

平大路:ベルリンで作り始めたときから、手伝ってくれていたメンバーとも一緒に考えていました。ロゴまでいかなくても、サイトシンボルが欲しいな、とか。

宮本:サイトのタイトルについては、どう考えてくださったんでしたっけ。

取材後のタイトル提案資料

平大路:「lake〇〇」とかもいろいろ考えたんですけど。訪れた人に白樺湖の情報を与えられる左脳的な側面があるかつ、情緒的な役割を果たすサイトということを考えると、「白樺湖のこと」がしっくり来ましたね。

柴田:本当にぴったりのネーミングですよね。

藤井:観光情報サイトって、作り込まれすぎてると意外と親近感わかなかったり、Webサイトとの答え合わせをしながら現地を楽しむことにもなってしまう気がして。白樺湖に来ると味わえる時間や人のことを表現したくて「白樺湖のこと」だなと。

宮本:たしかに。あのサイトで事業者さんたちのインタビューを読んだら、「じゃあ実際にどんな人に会えるの?」って、すごくわくわくしながら現地に向かえると思います。

柴田:実際にペンションを訪れた人が、ペンションに掲示してあるポスターから白樺湖のことを知って、オーナー夫婦のインタビューも読んだそうで。1日目の夜ご飯のときはなんてことなかったのに、次の日の朝ごはんのときは、オーナーと喋るのがめちゃくちゃ楽しみになったらしいんです。

各施設に配布したポスター。QRコードから各施設の記事に飛べる


全員:それはうれしい……!

平大路:事業者さんそれぞれへの取材も、ひとりひとりにドラマがあって、本当に鮮烈な体験だった。どんな表情を撮って、どこを魅せるのが良いのかを一から考えられるプロジェクトって、そうそうないと思っています。

「Webサイト」から脱皮したい

宮本:これからの展望などがあれば教えてください。もっともっとたくさんの場所や人を載せたい!などのイメージもあると思うんですが……!

藤井:誰にも言われて無いのにアップデートしてしまう、を重ねる存在にしたいと思っていたりします。

柴田:湖のよさにずっと気付いていたいっていう思いがあります。たとえば、雨のあと水に濡れた木の雰囲気とか、風で葉っぱが揺れたときの音とか…その切り取り方はフィールドレコーディングかもしれないし。そこにあるものはアナログ的に伝えていきたいです。

平大路:いいね〜。いわゆる、「Webサイト」から脱皮したいですね。

宮本:ああ、良いですね……!
わたしは、プレイリストがすごく良いコンテンツだなと思いました。東京から白樺湖まで車で行くときに聴くっていうコンセプトが素敵。これは「湖畔の時間」で仲間になったDJのEITAさんがこのサイトのために作ってくれたんですよね。ちょうど車で到着するくらいの時間で作ってくれてる!

柴田:私もよく白樺湖の仕事をするときに聴いてます。

藤井:プレイリストはサイトのフッターに埋め込んでいて、聴きながらサイトを楽しんでもらえるようにもしています。

藤井:webサイト全体で言うと、今は白樺湖まちづくり協議会に加入しているお店や宿だけ掲載してますけど、本当はそんなの関係なく、いろいろなお店を載せたいくらいです。

柴田:協議会に加盟する事業者が増えるように、写真素材が自由に使えるコミュニティみたいな打ち出し方をして、加盟メリットが伝わるチラシとか一枚作るだけでいいかもしれないです!

藤井:それ、ちょっとやりましょうよ!

平大路:いいね、やりたい!実は4月のリニューアルのほかにも、藤井さんと一緒に細かいところの修繕はしたりしてるんだよね。

サイトには、他にも季節ごとに変わるTOP写真や、まちづくり協議会に加盟している事業者が自由に使える写真素材フォルダへのアクセスページなど、細かい仕掛けを少しずつ詰め込んでいます。
今後もアップデートを繰り返しながら、白樺湖の日常を切り取ったような、そんなwebサイトにしていきたいです。


オフショット

取材の合間にピクニック
煎りたてコーヒーを味見
イベント現場で青空ミーティング





取材・執筆:宮本倫瑠
編集:柴田菜々