経営管理力が上がる本(入門編)
はじめに
数日前にこちらのツイートに「財務3表一体理解法かと思った」と反応したところ、私の4冊を教えてほしいとリプがありました。
基本的に読書ドリブンで生きている私なので、本を紹介してくれと言われたらいくらでも出てきます。そんな中から今回は入門編として6冊を紹介してみましょう。
入門編とは
会社や商売の仕組みがまだ何も頭に入っていない、自分の担当業務だけわかっている人が全体感を頭に入れるためのステップだと思ってください。
財務3表一体理解法
まずはこちらです。
もう何も説明しなくても良いくらいの定番、名著です。
とはいえ、会計の知識がない人が読むと、会計を知るための入門書と銘打っていても難しいらしいですけれど。
これに関してはもう、腹をくくって勉強するしかないかなと思います。私も会計が直感的にわかるようになってきたのは会計に関わるようになってから数年後で、それまでは特にBSとCFの概念がピンときていませんでした。
これ以外に、簿記三級のテキストで勉強してみるのも手ですね。
こちらの本の記述の中では、会社がやっていることはどんな規模の会社であれ、「資金を調達する」「それを投資する」「投資を回収する」の3つだというところが印象的でした。社会人経験が長くなってくると、この記述がよくわかるようになってきます。
外資系金融のExcel作成術
Excelで事業のシミュレーションをする方法が書いてあります。
実務で使うものよりだいぶ簡略化されています。例えば、将来業績のシミュレーションが前期比●%で簡易に引っ張るとか。実際はKPIに分解してからトップダウンとボトムアップで置いたりします。
とはいえ、まずはこれくらいで作り方の全体像をつかむのが良いかなと。見やすい表の作り方も地味にためになります。
管理会計の基本
会社で経営管理をするとなると、決算発表用の財務会計よりは事業計画の立て方や業績管理に使う管理会計の出番が多くなります。
この分野、いくつかの概念が雑多に詰め込まれている感じで、全体像をわかりやすく説明した本がありません。噛めば噛むほど味が出るやつはたくさんあるんですけど。
その中でも、こちらの書籍は比較的よくまとまっています。個人的には、まずは第3章くらいまで理解できれば良いかなと。変動損益計算書が理解できれば最初の一歩は踏み出せるのでは。
どうしても管理会計が難しいという場合は、実はこちらも割とよくできてたりします。
むしろこっちのほうが使いどころが事例で出てくるのでわかりやすいかもしれません。
あとは、このマンガの最初の3巻くらいがゴリゴリの管理会計プロジェクトで面白いです。業績を立て直すときはこうやってやるんだよという。
60分間企業ダントツ化プロジェクト
ここでこの本この著者が出てくるかという感じかと思います。しかもなぜAmazonの書籍画像がこれなんだ…
神田昌典さん、どちらかというとちょっと怪しい中小企業向けコンサルというイメージを持つ人も多く、真面目な人は敬遠するかもしれません。実際、クライアント事例は健康食品や工務店、磁気ネックレスの会社だったりするわけで。
しかし、大企業と違って中小企業のベアナックルファイトだと意外と侮れないところがあり、こういう本のほうが抽象的な戦略論などより役に立つことは多いのです。
また、小型企業を対象に書いているので、商売や事業の全体像やサイクルがよくわかります。
三枝匡さんの戦略プロフェッショナルシリーズ
有名な三枝さんの企業小説シリーズです。今は最初の二作がノンフィクションに改変されて出版されているらしいですが、個人的には小説版のこの四作を推します。
もう一人、稲田将人さんの経営参謀シリーズも同じテイストですが、あちらはマーケティングと人間ドラマに寄っている印象があるところ、三枝さんのシリーズは「会社という組織がどう動くか」「商売のサイクル」の全体像がよく描かれていると思います。
小さな会社の経理・人事・総務がぜんぶ自分でできる本
かなり意識を高くした後でなんですが、経営管理だとやはり管理業務の全体像はつかんでおきたい。管理会計ばっかりやってるわけにもいかないですからね。
中小企業で社長の右腕や番頭役だと、管理部門も全部見といてねってことも多いので、この手の本は役に立ちます。登記簿や定款どうするとか、どの税金はいつ頃納めなきゃいけないとか、社会保険はどういう仕組みになってるのかとか、採用や労務はどうするんだとか。
やってみるとけっこう面白いですよ。
まとめ
入門編だったのかどうか自信がなくなってきました。しかし少なくとも、実務で数字を見ながら会社をコントロールするにはもう少しテクニカルな能力が要ります。今回は「会社という組織・生き物の全体像をつかめる本」をまとめてみました。