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偶然の産物

先日、一橋大学の前期合格者の発表がありました。まずは合格した皆さん、おめでとう、お疲れ様。
さて、去年の今頃に思いを馳せてみると、3月10日が合格発表でした。しかし、私にとっては苦い思い出の日でもあります。そう、前期不合格。察しのいい方ならわかったと思いますが、私は前期で東大文一を受験して不合格。後期で一橋大に合格しました。
辛酸をなめた日に、”偶然”について考えてみます。

A判定、からの不合格

実は、私は”逆転不合格”なんです。東大模試では常にA~B判定で、秋の実戦、直前本レでA判定を出して、周囲から「まあ、アイツはいけるだろう」的な視線で見られていました。別に油断することもなく、合格平均を上回る算段をつけて受験しました。が、不合格。数学とリスニングで大コケしたのが原因なのですが、ここでは多くは語らないでおきます。後の開示によると5点差落ち。惜しいっちゃ惜しいですかね。

記念受験

一応、一橋の後期にも出願してたんですね。東大理系落ちが大量に来るってことは承知で。理系に対して、文系が英数で戦わないといけない。こんなん無理ゲーじゃないですか。それは理解してたので、まあ受けてはみようかな、ぐらいの感覚で受験することに決めたんですね。いわゆる記念受験です。
やる気なんかほぼないですよね。負け戦だもん。まあ不合格がわかってから久しぶりにペンをとって、数学だけ、2年分過去問を解いてみたんです。そしたら「あれ?数学は3完できるかも?じゃあ英語でアドとればいけるのかな?」ぐらいに思っちゃったんですね。一縷の望みが見えてきちゃった訳ですよ。
これが3月11日。人生で一番記憶に残る誕生日じゃないかな。

神がかり?

過去問を解いてたら気づくこともあるわけです。「選択問題以外でも、数Ⅲの微分とかを知ってたらショートカットできる問題があるな」って。もちろん文系なので、選択問題で数Ⅲを選ぼうとは微塵も思ってません。でも、ショートカットできるんだったら便利じゃないですか。ということで数Ⅲの微分公式だけ覚えよう!ってなったんです。これが運命の分岐点。

後期試験の当日。マックで微分公式の確認をして、たしか英語からだったかな。「英語でアド取れれば」って思ってたのに、英作文埋まらなかったんですよ。要求120‐140wordで80wordしか書けず。うわやべ、って思ったけど、いやまだいけるかもって事で数学に取り掛かった訳ですね。これが解けない。二問は完答したんですけど、それ以外に手を出せず。それで時間だけ経過して残り十分。八方塞がりです。ただ、一つ気になる部分があったんです。それが選択問題の数Ⅲ必須部分。ぱっと見て必要な知識がtanの微分だけなんですね。朝、見てるんですよ。もう背水の陣でやるしかねえってことでtanを微分して。それで半分位まで解答して試験終了。

まあ、英作文文字-40に加えて数学2完半。私立も受けてないので、こりゃ浪人と思って準備してたんです。そして合格発表。なんと番号あったんです。え?まじ?って感じだけど。それで今ここにいるって訳です。開示をみると、最低点+37点。とっさの判断で数Ⅲを解いていなかったら、そもそも微分公式を確認していなかったら、おそらく落ちてます。


偶然の産物

おそらく、私が今ここにいるのは偶然でしょう。かなり分の悪い賭けに勝ったような感じです。しかし、微分公式を確認したのは間違いなく私の意思であるわけで。偶然を拾うための足掻きはしていたわけです。これ大事ですよね。同時に、たまたま拾ってもらった以上は、この偶然を活かさなければならない。そう思うわけです。それでまだ苦悩している段階ですが。「偶然」の話については、メリトクラシーとも絡めて話したいのですが、これはまた別の機会に。

前期落ちの受験生。あるいは未来の受験生へ。受験に限らずですが、何事も運という要素は絡んできます。受験もそうです。周りの環境、自分の才能、本番出てくる問題との相性などなど。受験において自分自身で決められない要素はたくさんあります。が、偶然ふってきたチャンスを手にするには、あなたが手を伸ばさないといけません。手を伸ばすのはあなたの意思でできること。一縷の望みに手を伸ばしてみる。そしたら未来が転がり込んでくるかもしれません。


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