クライミング鑑賞のススメ
現在(2023/08/07)、スイスの首都ベルンにて、スポーツクライミングの世界大会が行われている。
Youtubeでも主催団体ISFC(International Federation of Sport Climbing)が準決勝までは配信しているので、ぜひ見てほしい。
決勝のアーカイブも各種目実施2週間後から公開予定とのこと。
IFSCクライミング世界選手権(B,L,S,B&L)ベルン2023 放送スケジュール
ISFCのYoutubeチャンネル
多くの人に見てクライミングの面白さを知ってもらいたいので、ボルダリングを知らない人向けに、ざっくりルールと見どころを解説する。
クライミングは3種目
クライミングには3つの種目がある。
Lead(リード)
Boulder(ボルダー)
Speed(スピード)
クライミングは壁に設置されたでこぼこ(ホールド)を登る競技で、基本的なルールは単純明快。
『スタートのホールドからゴールのホールドを目指す』
これだけ。
スタートさえ守れば、どういうルートで登ってもOK、壁を使ってもOK。
Lead(リード)
高さ15mもの壁をひらすらゴールを目指して登る競技。
より高くまで登ったひとの優勝。
制限時間は6分。
壁には大きく傾斜があり、ホールドも持ちやすいものばかりではない。
リードに求められるのは持久力、体力を温存しながら登るためのテクニックの引き出しの多さ。
一度落ちたら終わりの種目のため、特に終盤ゴール付近での緊張感はリードならではだ。
Boulder(ボルダー)
超難易度のコース(課題)をより少ない試行回数で登る競技。
壁の高さは4mとほか2種目と比べて短く、代わりに複数のコース(課題)が用意されている。
各課題、制限時間の4分間であれば何回登り直してもよい。
登り直してもよい……が、どの課題も「ほんとにこれ登れるの??」というような形をしている。
そのため、ゴールとは別にゾーンホールドと呼ばれる中間地点も設定されており、そこまで達すれば部分点がもらえる。
ボルダーで求められるのは謎解き力とでも呼ぶべきような自分なりのルート・登り方を見つけ出す力、そしてそれを実現する技術力。
選手によって攻略の仕方が違っていたりするのが面白く、超難度課題を選手が完登した際の爽快さはボルダーの醍醐味。
Speed(スピード)
高さ15mの壁をとにかく速く登り切る競技。
同じコースが2レーン用意され、二人の選手が同時にスタート、先にゴールしたほうが勝ち、トーナメント形式で進行するという点で、ほか2種目とは大きく異なる。
スピードに求められるのは全身を使って壁を登るフィジカルと、一発勝負で力を発揮する精神力だ。
垂直方向の短距離走ともいうべき疾走感はスピード特有だろう。