時の流れかた
先日、少し体調を崩し保健室へ行った。
しばらくすると、授業開始のチャイムが鳴った。
その後養護教諭の先生の軽い問診を受け、私はベッドに横になった。
うとうとはするものの、なかなか寝入ることが出来なかった。
先生と他の生徒の会話がかすかに聞こえてくる。
久々の保健室はゆっくりと時間が流れていた。
「今頃クラスメートは共通テストの対策演習をしているんだろうなぁ。いつもの私なら、時間内に問題を解ききらなければと焦っているのだろうなぁ。」
と、ほわほわした頭で考えていた。
一年前、私は別室登校をしていた。
毎日のように保健室の隣にある相談室に行き、自分のしたい勉強をした。
教室へ行けば慌ただしく時間は過ぎていくが、別室登校をしている間、時間の主権は私にあった。
ある意味贅沢な時間を過ごしていた。
教室へ戻ることができてからしばらく経って、このような時間の流れ方を忘れかけていた。
慌ただしく過ぎていく時間の中で過ごすのも嫌いではないが、少しその場を離れ、自分に合う時間を取り戻そうとするのも悪くないなと思った。
慌ただしい時間軸の中に生きていくのは、時に自分を壊すことにつながる。
離れることは悪いことではない。
私みたいにまた戻れるのだから。