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やっと外に

中学生の頃、病気を発症し入退院を繰り返していた。
必ずベッド安静というわけではなかったが、点滴がいつも繋がれていて、貧血や栄養不良で起きることも辛く、1日の大半をベッドの上で過ごしていた。
テレビをつけると食べ物がたくさん流れてきて絶食の私には辛かった。

そんな入院中の数少ない娯楽が音楽を聴くことだった。
静かな病棟でイヤホンをつけて音楽を聴くと、曲の世界に一気に引き込まれていく。

当時はスマホも持っていなくて、CDアルバムを買いプレーヤーで聴いていた。
よく聴いていたのはヨルシカだ。

ベッドから窓の外を観ながら、ヨルシカのアルバムを聴く。
あぁ、この窓を越えて大きな声で歌いたいな、歩きたいな、なんて思いながらじっと聴いていた。

それから6年ほど経ち、病気が寛解しもう2年近く入院せず過ごせている。

そして先日、念願のヨルシカのライブへ行った。
ライブツアーが終わっていないため詳しいことは言えないが、胸がいっぱいになった。

ライブ中、入院していた時のことを鮮明に思い出した。
あの時病室から外を眺め焦がれていた私が、ようやく外に出られた気がした。

死にたいと思ったことはないけれど、生きていることが苦しく感じる時は何度もあって、その度にヨルシカを聴いてきた。
ヨルシカを聴いている時は自分のことを忘れられた。

そんなヨルシカが私の目の前で演奏していた。
あぁ、生きているとこんなに幸せなことが起こるのか、まだ生きていたいな、そう強く思えるライブだった。

また行きたい、いや、絶対行くんだ。

いつか行くその日まで、また頑張って生きていこう。

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