ホラーに挑む2022 第6回:映画『死霊のはらわたII』感想

ホラー映画鑑賞6作目でついにメチャクチャ面白い作品と出会えました。いやぁ~、最高ですね!
ホラー映画と呼んで良いのかは若干怪しいところですが。

とにかく本作は展開がスピーディー!!ハイスピード・ハイテンションで話がどんどん進んでいくので飽きません。

下調べの時点で、本作は『II』とタイトルにはあっても、1作目の続編ではなくてリメイクだとは知っていました。
しかしまさか1作目のストーリーに当たる部分が序盤10分で終わってしまうとは!!

この10分間は単に前作のストーリーを作り直しているだけでなく、ハイテンションな『死霊のはらわたII』という映画をどのように観れば良いかを教えてくれるありがたいパートでもあります。
というのもこの時点で明らかにコメディ的演出があるもので、ああ、この映画はマジメなホラーではなく半ば(?)ふざけた映画なのだなとハッキリ理解できるのです。

その後も1人悪霊相手に苦戦するアッシュの様子がしばらく描かれるのですが、これまたシュールでサイコなシーンの連続。アッシュを笑う悪霊、半狂乱で笑うアッシュ、それを観て笑う僕。自然と笑ってしまう、笑わざるをえない場面ばかりです。
まさか1作目を観て怖がっていた僕がこんなに楽しめる映画になるとは。

コメディ要素が増している分、真剣な怖さやエログロを期待している人にはウケなさそうな続編ではありますが、それでもいつ悪霊が現れるか分からないカメラ演出は健在。1作目同様に怖い雰囲気もちゃんとあります。
全体的にはコメディですけど。

1作目と比べると主人公のアッシュは遥かに逞しくなっており、映画終盤では前回書いたゲーム『Broforce』でのパロディキャラに似て、ショットガンとチェーンソーで戦うキャラになっています。

代わりに本作では主人公たちの生存の足を引っ張るキャラが登場。1作目のスコッティも身勝手な行動を取ってはいたものの、彼は人には迷惑をかけなていなかったので、本作のジェイクの方が迷惑キャラですね。

1作目のおかげで予算が増えたのか、とにかくサム・ライミ監督が好き放題やっている映画という感じでした。マジでメチャクチャ面白かったです。

ついでに『死霊のはらわたIII/キャプテン・スーパーマーケット』も観たところ、1記事を割くほどのものではない……というかそもそもホラー映画では無かったので、ここで少し触れるだけに留めることにします。

例によって例のごとく『II』の続きっぽくはあるものの、1・2作目にあたるストーリー部分が改変されているため、直接的な続編ではありません。パラレルストーリーって感じですね。

で、この映画はかなりくだらないコメディアクション映画でした。そもそも1・2作目のタイトルは"Evil Dead"なのに対して、3作目にあたる本作は"Bruce Campbell vs. Army of Darkness"つまり「ブルース・キャンベル vs. 悪霊の軍団」なのでホラー映画という体を端からとってないわけです。

とはいっても、悪霊視点のスピーディーなカメラワークが少し登場したり、『II』のサイココメディな感じは引き継いでいたり、ストーリー要素としても「死者の書」や主人公アッシュは続投していたりと、一応『死霊のはらわた』シリーズの系譜に属する作品ではあります。

でもまあ、マジでくだらないんですよね。コメディ要素のノリはそこまで『II』と変わらないはずなのに、コメディに振り切りすぎた結果『II』よりつまらなくなってしまっていました。うーん、残念。

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