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おせっかい

サーシャは同業者にして、何か縁を感じる友達だ。いつも忘れたころに再会する。彼のいう事はいつもすごくよくわかる。これは言葉の話ではなくて、相性の問題なのだ。母国語以外の言葉を話す人はわかると思うが、すんなりコミュニケーションが成り立つ人と、何言っているのかわかんない人というのがいて、それは語学力が発達してもある。
 再会する度に彼は離婚したり、また結婚したり、結構でっかい節目を経験しているが、中年になってから時々二人で会うようになってから彼の事をずいぶん見直した。彼は優しい。人の痛みを理解するし、嫌われ者を弁護するし、一銭の得にもならないことでもやる心構えがある。出会ったばかりのころは、ふがいない奴め、くらいに思っていたが私の目が曇っていたんだと思う。今はむしろ、頼りになると思っている。
 今日、仕事で彼といっしょだった。この人がもし将来なにか困ることがあったら助けなきゃ、と思った。どういう訳か、彼を私の中の特別な人に分類したのだ。そういう人は何人かいるが最近めっきり増えないと思っていた。男女関係があった人は大抵外れてしまう。
彼に時々頼っているから、借りを感じているのだろうか。彼がロシア人だから多めに心配しているんだろうか。自分でもよくわからないが彼に何かをささげる覚悟ができてしまった。そんなこと頼まれてもないのに。


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