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おすすめクラシック9
何かちがう。そう思いながら、金平糖の妖精の踊りを弾いていた。
この曲はチャイコフスキーのバレエ、くるみ割り人形の一部だ。くるみ割りは音楽業界の人間にはクリスマスといえばこれ!というくらいこの時期の定番なので、人生で何回弾いたかわからない。しかし、なんか今日の金平糖の妖精は、おかしい。妖精がデブだ。
この曲はチェレスタのソロをオーケストラが伴奏する。チェレスタがまさしく金平糖の妖精だ。踊りがどうも軽やかじゃない。指揮者の出したテンポが遅いのだ。もたついたメロディがどうも、鈍臭い。途中金の粉が降ってきて魔法がかかるような部分があるのだが、そこもテンポのおかげでキラキラしない。降ってきたのは埃か?
やたらでかいおじさんが指揮を振っているから、軽やかな妖精さんの描写が得意じゃないんだろうか。おじさんはアメリカの海兵隊員みたいだ。いい感じのテンポを出してくれないと、キラキラのクリスマスがやぼったい埃っぽいクリスマスになっちゃうんですけど。
チャイコフスキーのくるみ割り人形はバレエ音楽なのだが、組曲としてお手軽にも聴けるのでぜひ聞いてみてください。実はお馴染みの曲ばかりなので、あー!これか。となるはずです。