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壁ドンの考察

言葉って面白いなーとおもうのは、母国を離れている間に知らない言葉ができたりしているところだ。時にそれは世相なのかなと思うこともあれば、日本ってこういうのあるんだー、と面白く思ったり色々なんですが、壁ドンという言葉を知った時は、よく意味がわからなかったので、その後かなりググった。(グーグルで調べるという動詞。過去形。)
 そもそも初期のころは使用方を間違えていた。てっきり、隣人との壁が薄く生活音がうるさいと壁を叩かれる事だと思っていたので、よくあることやん、それが何なのか、と思っていた。わたしなんて、うるさいとセントラルヒーターをカンカン叩かれて隣人と喧嘩になったことすらある、と謎のマウントを(優位性を誇示し、威圧的な態度をとること。)とったりしていたわけだが、よく聞けば私には全く未知のものだった。そもそもドンする人と、される人は同じ壁の側にいる。
 人が壁を殴るときと想像したら、大分怒りもたまっているし、同じ空間にいる人が壁を殴ったら私は縮み上がるだろう。ましてや自分にその感情が向いているとわかっていれば、次は自分が殴られるかもしれないとおもう。至近距離にいるのだとしたら、首を締めあげられるかもしれないし、ナイフが出てくるかもしれない。そうとなれば、生き延びるために私がやることは、すぐさま、おもいっきりキンタ○を蹴り上げる!!!
 .…というのもすぐにニュアンスが違うと気が付いた。
壁ドンは、ロマンティックな行いの一種として語られているのだ。本当にこれがしっくりこなかったために、少女漫画を何種類も読む羽目になった。私だって子供のころはりぼんとかよんだはずなのに、大人になる前にすっかりこの感性をかなぐり捨ててしまったらしく、まるでぴんとこなかったのだ。
結果、わかったことがある。
いわゆる壁ドンにはいくつか条件があり、その条件を満たしたときのみロマンティックになりうる。
そもそも、これは身の危険が絶対に想像できない環境でないとロマンティックには受け取れない。暴力や性犯罪が身近に起きていると、近親者にでもこういう扱いを受けると恐ろしいと感じる。そして、相手は自分が好きな人のみに限定される。これが、友人、ましてやただの同僚なんかだと、警察コースになる。あと、これは確かではないが、関係がまだ熟しきって無いときのみロマンティックであり、関係が熟しきっているとDVともとられかねない。   

最初に書いた私のキンタ○蹴り上げるっていうのは、割とあり得るんじゃないかと思うのです。


そろそろ、お分かりかと思いますが、そうです、モテない女とは私の事です。壁ドンのロマンティックを感じてみたかっただけなのに、なぜか至近距離の護衛術の本を読んでいるのが私なのです。




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