アニメーション作品「ファンタスティック・プラネット」
本日は、アマプラで観たフランスのアニメーション作品をご紹介したい。去年からずっと観たいと思っていた。
もしあなたがこの作品をアマゾンのウォッチリストに加えているのであれば、これ以上は読み進めないことをお勧めする。以下、ネタバレになってしまうので、、、。
たった1時間12分と映画としては短めだが、その紙芝居的で素朴なカラースケッチと優れた音楽が、短時間で視聴者をグッと魅了する。1973年カンヌ国際映画祭でも審査員グランプリを受賞したるらしい。
舞台は惑星イガム。ここでは人間の何倍もあるドラーグ人という青い種族が、人間を虫けらのように扱っている。そして一部の物好きなドラーグ人たちは、人間をペットとして飼い慣らしている。
ドラーグ人の青年のおもちゃにされ母親を失った人間の赤ん坊。彼はティバというドラーグ人の女の子に拾われ、彼女のペットとして引き取られる。
彼はテールと名付けられ、逃げ出さないようラジコン機能付きの首輪を付けられる。ティバにとって、テールは大好きな犬のような存在。
「レシーバー」と呼ばれるリング型の学習機械で学ぶ時も、ティバはテールを離さない。その学習時間のお陰で、テールもディバと一緒にどんどん知識を増やして行く。
ドラーグ人は、子供の時こそ学んだり人間をおもちゃに遊んだりするが、大人になってからは、1日の大半を瞑想に費やす。あんなにテールに夢中になっていたティバも、成長するにつれ、彼と遊ばなくなる。
ずっと逃げ出したいと思っていたテール。このティバの変化を良いことに、隙を見てまんまと逃げ出す。しかも「レシーバー」を持って。
テールへの興味を失いつつも、やはり彼が居なくなったことに気づくティバ。母親は彼女に首輪のラジコン機能でテールを呼び戻すよう助言する。
強力な電波でティバの方へ引き戻されそうになるテール。しかしそれを一人の女性が阻止し助けてくれる。
この女性もテールと同じ人間。ただ、彼のようなドラーグ人のペットではなく、「廃園の大木」に他の人間と共に隠れ住む自立した女性。
テールをコミュニティに招き入れる女性。そして彼は、廃園の大木に隠れ住む人間たちに「レシーバー」を使ってドラーグ人の学問を教える。
人間が自分たちと同じ知識を習得し始めたことを知るドラーグ人。人間に急襲を仕掛け、毒ガスのような物を使って多くの人間を殺戮。
しかし人間も黙ってはいない。まず、「ロケットの墓場」と呼ばれる、ドラーグ人が捨てたロケットを、学んだ知識で人間用に改造。そしてこの「墓場」を人間のための都市へと発展させる。
平和に暮らしたい人間たち。完成したロケットに乗り込み、「野生の惑星」という場所が彼らにとって移住可能かを検証しに行く。到着してみると、そこはドラーグ人の魂が瞑想する場所だった。
また、彼らがドラーグ人であり続けるため、繁殖行為を行うための場所でもあった。ドラーグ人の弱点を発見した人間たち。
今度は人間がドラーグ人を襲撃。人口減少が止まらないドラーグ人は、人間たちに和平交渉を持ちかける。
歪み合っていた両者だが、共存する道を見つける。それは二つの惑星を設けるという方法。「野生の惑星」は瞑想の星とし、新たに「地球」を人工惑星とする。
この作品は、「支配」や「戦争」と言った、いつの時代も人間が普遍的に経験する物を象徴的に表しているようにも見える。しかし私は、これは輪廻転生を表現した映画なのではないかと思った。
精神世界に関する番組や本では、しばしば輪廻転生について触れられている。そこで良く見かけるのが、高度な魂レベルに達した人はもう生まれ変わらないという話。
ブッダやキリストは、最高位の魂レベルにいるため、そういう人々だけが集まる星で、一日中瞑想して過ごしていると聞く。そもそも人間として生まれて来る=まだまだ解消しなければならないカルマがあったり学ばなければならないことがあるらしい。
ジブリ作品とは違った意味で、とても哲学的なアニメ映画だ。実は使われている音楽もカッコいい。ストリーミングもあるが、Amazon Music の会員である必要がある。
残念ながら、私はApple Musicの会員だ。Apple Music上では、この映画のサントラは聴けない。
しかし、CDとLPがアマゾンから発売されている。何故かCDよりLPの方がお手頃。LP買っちゃおうかしら、、、。
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