【ヒストリア①&②&③&④】土屋&前泊の無法乱入から端を発した『タッグリーグ・ザ・ベスト92』参戦/神取が最強格闘家・グンダレンコと対戦を前にグレイシー一家と北尾光覇がバックアップ/LLPW旗揚げ前夜のアメリカ遠征/チャパリータASARIの提案で、WWWA世界スーパーライト王座が復活
全女に突如現れた土屋&前泊がバット&渡辺と対戦し、大流血戦となる
平成5年から6年にかけて起きた対抗戦ブームは、最終的に東京ドーム開催にまで上り詰めた。では、そのきっかけとなったのは何だったのか。それは平成4年7月15日、全女の大田区体育館にシャーク土屋とクラッシャー前泊が乱入したことに端を発する。その後、二人は『タッグリーグ・ザ・ベスト92』へ参戦するのだが、そこに至るまでのいきさつを振り返ってみたい。
まず、土屋&前泊は6月にFMWで開催された女子のタッグリーグ戦で優勝。そこで次なる目標として狙いを定めたのが全女のWWWA世界タッグ(当時の王者は豊田真奈美&山田敏代)であった。土屋と前泊は突如、全女の会場へ現れると王座防衛を果たしたばかりの豊田&山田に挑戦状をたたきつけた。場内は騒然となり、全女ファンからの「帰れ」コールが巻き起こる。山田が「お前たちにそれだけの力があるのか」と問えば、土屋&前泊が「やってみなきゃわからないじゃないか」と返し、混乱を聞きつけたブル中野までもが登場。一触即発の状態となるも、土屋と前泊は騒然とする中、会場を後にした。
それから4日後、FMWの後楽園大会に植田信治コミッショナー同席のもとで大仁田厚が二人に対して、事情徴収。土屋&前泊は「全女とやらせてください」と頭を下げたのである。これを受けて8月4日、FMWは全女へ対戦要望書を送付。これを受けて全女は記者会見を開き、対戦要望を受諾。会見へ同席したブルは「格が違うことをわからせる。ここで引いてしまったら逃げたと思われる」とFMW9・19横浜スタジアム大会への出陣をその場で表明した。
それに対してFMWは8月11日、大阪大会で全女への挑戦権を賭けて、土屋&前泊と工藤めぐみ&コンバット豊田が対戦。この試合で工藤&豊田が勝利したことで、土屋&前泊の全女への挑戦はなくなった。こうして横浜スタジアムで工藤&豊田対ブル&北斗晶戦が実現する。試合後ブルの放った「自分と北斗の試合が観たかったら全女に来い!」のマイクアピールは伝説の言葉にもなっている。
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