少年狂時代♪その8
第8章
【悪魔が来たりて笛を吹く】
聖天使の導きにより、後方への民族大移動は終了した。
(まるで、歴史で習ったゲルマン民族の大移動だ!)
しかし、それで終わりではない。
いや、地獄はこれからなのだ。
皆が顔を見合わせる。何を喋ればいいのかわからない。
来るべき終末期ハルマゲドンの時を待つかの様に、
祈る者、ハンカチで汗を拭く者・・・
バスの中は最大級の静寂となった。
まさに静寂の中、逃げ場のないバスの中・・・
最悪の状況で 迎えようとしたいた。
それは、
つい1分前まで聖天使と思わせた幻惑を、
現実に引き戻すには充分な時間だった。
あれほど魅了した聖天使は、無力な大人の独りで、
ただの担任だと徐々に我に返っていった。
「ピブッ」
静寂の車内についに悪魔が舞い降りてついに笛を吹き出した
悪魔は、この世の全ての悲劇を笛に託した様に奏で出した。
「ブピッ! ブパパパパパパ!
ブシャッ!! ビッ! ピピブブツ!!
プシャシャシャシャシャシャーーーーー ビッ!!」
悪魔があらん限りの雄たけびと共に笛音を乗せて響きあげた!!
そして雄たけびと共に、一気に車内に地獄の臭気が蔓延する!!
つづく