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カステル・デル・モンテの兜

 イタリア南部のプーリア州にあるカステル・デル・モンテ城砦は、晴れた日には空の青と城壁の白が美しいコントラストを成す。神聖ローマ皇帝フリードリヒII世(フェデリコⅡ世)が建てた、中世ヨーロッパとイスラム文化圏の中間に位置づけられる幾何学的な形状をもつ世界遺産だ。
https://worldheritagesite.xyz/castel-del-monte/

 2003年に訪れた際、城内にある兜(かぶと)の前でたまたま見聞きしたことがあった。
 兜のリンクか画像があればよいのだが、生憎似たものすら見つけらなかったのでご想像いただきたい:金属製の西洋兜の頭頂部が、円錐の三角屋根でもつけたように長く伸びて尖っているのだ。(こういうものをご存知か見た事がある方、どうかご教示されたし)

 はじめに聞こえたのはイギリス英語を話すカップルの会話だ。兜の歴史的背景について考察しているようだった。
 次にドイツ語で男性二人が兜の形状の合理性を議論しているのを聞いた。頭頂部にある先端は実用に耐えうるのか、という内容だった。
 他の展示を見終わって兜の前に戻ってくるとアメリカ英語を話す親子がいた。「こうやって」と言いながら父親がジェスチャーで兜をかぶる仕草をし、「こうだ!」の発声とともに頭を低くかがめ前に突き出す「頭突き」をしてみせた。

 歴史に関心のあるイギリス人、合理性を追求するドイツ人、実用性重視のアメリカ人と、あまりにも国民性ステレオタイプと言われるとおりの会話、「できすぎだ」と思った。

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