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体と薬と健康と・・・第19話 ものもらい

皆さんこんにちは!
薬剤師の豊島です。

当然ですが、皆さんは「ものもらい」を経験したことはありますか?

ものもらいは地域によっては呼び名が違っていて、
「めばちこ」とか「めいぼ」などと呼ばれたりしています。

Wikipediaによると
・ものもらい・・・関東圏
・めばちこ・・・関西大阪圏
・めいぼ・・・京都など
・めっぱ・・・北海道など
などと言われているようです。

学術的には「麦粒腫ばくりゅうしゅ」。
漢字を見ると麦の粒のような腫瘍と書いていて、
見た目そのまんまで面白いですね。

ものもらいはよく「まぶた」の辺りにできます。
何故かというと、まぶたには脂を出す腺や、
汗を出す腺があるのですが、
この腺に細菌が感染して急性の炎症が起こった状態が、
ものもらいなのです。

脂を出す腺は「マイボーム腺」と言います!涙の蒸発を防いでくれます。

主な症状

ものもらいは、まぶたの一部が赤く腫れるのが特徴的で、
まばたきをしたり、指で触ったりすると痛みを感じます。
一般的には目がかゆい目が赤くなる目がゴロゴロするなどを感じます。

できるとテンションも下がりますよね💦

さらに患部が広がってくると、
まぶた全体が腫れて目やにが出たりします。
このように目に違和感を感じ、
およそ数日で皮膚の下にができます。
放置するとその部分の皮膚が破れて膿が出て、
治ることがほとんどですが、
まれに重症化することもあるので注意が必要ですよ。

ものもらいができる理由

冒頭で、ものもらいは細菌に感染して起こる、とお話ししました。
ここで言う細菌というのは「黄色ブドウ球菌」といって、
感染力も弱く、感染する危険性も大きくはない菌で、
健康な人の「のど」や「鼻」「皮膚」「手指」「毛髪」「腸管」などにも
日常的に分布しています。
ところが目にけがをしてしまった時や、
病気などによって身体の抵抗力が落ちたとき
何らかの刺激が引きがねとなって、
ものもらいができることが多いようです。

治療方法

ものもらいは、主に黄色ブドウ球菌に感染した症状ですから、
黄色ブドウ球菌を殺菌できる「抗菌点眼薬」や「抗菌眼軟膏」を
用いるのが一般的。
病院に行かないで対処する際は
多くの場合、ドラッグストアなどで販売されている
「サルファ剤」の入った抗菌目薬を使用することで対処できます。
しかし、症状が重くなった場合には
病院で処方される「抗菌内服薬」を服用したり、
さらに重症化した場合は、
切開処置を行い、膿を排出させて処置したりすることになります。

サルファ剤とは 

細菌感染による目の疾患は、
ものもらいの他にも「結膜炎」や「眼瞼炎がんけんえん」などがあります。
これらの化膿性の症状改善を目的として用いられる、
「スルファメトキサゾール」「スルファメトキサゾールナトリウム」等の
抗菌作用を持つ成分を「サルファ剤」と言います。

ただし、すべての細菌に対して効果があるというわけではなく、
黄色ブドウ球菌など一部の細菌に対して効果を発揮するのが特徴。
そのため、ものもらいができて、
サルファ剤の抗菌目薬を3~4日間使用しても症状が改善されない場合は、
サルファ剤では効かない細菌やウィルスに
感染している可能性があるので
眼科専門医の診療を受ける必要があります。

ドラッグストアで販売されている抗菌目薬

例えば、レデイ薬局で販売している抗菌目薬。

他にも様々な抗菌薬があります

これらの目薬は、
「サルファ剤」が同じ濃度で、すべてに配合されています。
違うのはかゆみを鎮める成分や、
炎症を鎮める成分や、
ビタミンなどが入っているかどうかで、
各メーカーそれぞれに工夫がなされています。
お値段は900円くらいから1,700円くらいまでばらつきがありますよ!

もし、ものもらいになってしまったら、
ドラッグストアや調剤薬局で、
薬剤師や登録販売者に相談するといいでしょう。
ほとんどのものもらいは、この抗菌目薬を、
1日に数回点眼することで(目薬によって1日の使用回数は違います)
数日で治ります。
3~4日使用しても症状が治まらないような場合は
使用した目薬かその目薬のパッケージ、
または説明書を持参して眼科を受診してください。

ものもらいができてしまったら

ものもらいは他の人にうつることはありません。
しかし汚れた手等で患部をいじったりすると、
治りが遅くなったり、
重症化したりすることになるので、
患部を不用意にさわらないようにすることが大切です。

また生活上では、

  • 寝不足を避ける

  • アルコールの摂取を控える

  • 刺激物(辛いもの、甘いもの)は避ける

  • コンタクトレンズは控える

  • アイメイクはなるべく控える

といったことに注意してみてください。

いかがでしたか?
今回は、夏場に多く、
身近な「ものもらい」についてでした。
普段から、目の周りなどに触れる際は
手を清潔にするよう心掛けましょう。
できてしまった場合は、
眼科に行くか、
ドラッグストアの「サルファ剤の抗菌目薬」で対処し、
重症化しないように気を付けましょう✨


次回もお楽しみに(^_-)-☆
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