体と薬と健康と・・・第20話 副作用を利用した薬がある・・・!?
皆さんこんにちは!
薬剤師の豊島です。
いきなりですが、
皆さんは「副作用」という言葉を聞いて
どんなイメージを持っていますか?
副作用のイメージ
多くの方は医薬品を服用して、
身体に「良くない」「好ましくない」・・・
そんな不都合な症状が身体に現れることだと思いますよね。
でも、そこでちょっと疑問がわきます。
そもそも「医薬品」は、
生活に支障を来すような症状が現れたときに、
それらを改善するためのもの。
発熱したとき、頭痛がしたとき、
鼻水や鼻づまりがしたとき、
咳が止まらないとき、
腹痛がするとき、便秘のとき等々。
なのに「副作用」が現れるなんて・・・と思いませんか?
実は医薬品は、
そもそも人体(私たちの身体)にとって、
本来異物。
なので、どんなに正しく使用しても
その医薬品が困っている症状を改善する
「効能・効果」を発揮するとともに、
何らかの有害又は不都合と感じる症状(副作用)などが
生じてしまうことが避けられないこともあるのです。
例えば・・・
▶「花粉症」の薬を服用すると、眠くなったり、体がだるく感じたり、口が渇いたり・・・
▶「風邪薬」や「咳止め薬」を服用すると、便秘がちになったり・・・ ▶「鉄剤」を服用すると、胃がムカムカしたり・・・
等々です。
皆さんも経験があるのではないでしょうか?
でも、これらの副作用は一時的な症状で、
その医薬品の服用をやめれば副作用は改善されます。
副作用の利用 その1
さてここで今回の本題です。
ドラッグストアの店頭には、
寝つきが悪い・眠りが浅いなどの
一時的な不眠による症状の緩和に使用する「睡眠改善薬」
という薬があります。
この薬の成分は「ジフェンヒドラミン塩酸塩」という成分。
ジフェンヒドラミン塩酸塩は
元々、皮膚のかゆみを鎮めたり、
くしゃみや鼻水などのアレルギー性の鼻炎症状を
抑えたりしてくれる成分なんです。
内服するととても眠くなる(眠気を催す)という副作用がありますよ。
そう!
その”とても眠くなる(眠気を催す)”という副作用を利用して、
一時的な不眠による症状の緩和を目的に使用するように開発されたのが、睡眠改善薬なんです。
これらはレデイ薬局の店頭にある睡眠改善薬。
たくさん種類があるように見えますが、
実はすべて1日1回就寝前の服用で、
ジフェンヒドラミン塩酸塩の1回量も50㎎と一緒です。
「錠剤」タイプと「カプセル」タイプがありますよ。
一時的な不眠の症状改善には効果的なのですが
服用してはいけない方もいらっしゃいますので注意が必要です。
想定外の副作用が起こったら
基本的に、医薬品は正しく使えば、
辛く困っている症状を緩和または改善してくれますが、
同時に好ましくない症状(副作用)も
併せ持っているということを念頭において使用しましょう☝
ちなみに、使用上の注意に従って
正しく薬を使用した際に
想定外の副作用が起こってしまっても
「医薬品副作用被害救済制度」という
副作用の被害者を迅速に救済する制度があるので
知っておくといいですね✨
副作用の利用 その2
では最後に一つ。
皆さんは『リアップ』という「毛髪用薬」
いわゆる発毛効果が期待できる医薬品をご存じでしょうか?
この薬の主成分である「ミノキシジル」は、
もともと「高血圧」の薬として
使用されていた成分なのですが、
使用している方(全員ではありませんが・・・)の
髪の毛が増えてきたことから
「壮年性の脱毛症」の育毛剤として開発され、
医薬品となりました。
面白いですね!
ただし、この医薬品は
薬剤師しか販売できないので、
薬剤師のいるドラッグストアか
調剤薬局でご相談くださいね。
次回もお楽しみに(^_-)-☆
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