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体と薬と健康と・・・第18話 にきび
皆さんこんにちは!
薬剤師の豊島です。
今回の読み物サプリは、
昔、青春のシンボル・・・!?ともいわれていた
「ニキビ」についてのお話です。
原因菌
ではいきなりですが「アクネ菌」って皆さんはご存じですか?
ニキビの原因になる悪い菌のイメージが
あるのではないでしょうか。
学名は「キューティバクテリウム・アクネス」。
略して、アクネ菌と一般的には呼ばれてています。
実はこのアクネ菌は、健康な肌にもいる「肌の常在菌」で、
ニキビの無い肌にも存在しています。
普段は、肌を弱酸性に保ち、
肌トラブルを起こす細菌が繁殖するのを防いでくれているのです。
つまりアクネ菌は、私たちの肌の心強い味方でもあるのです!
ではなぜ「ニキビ」などという
やっかいな皮膚症状を引き起こすのでしょう😭?
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ニキビができるメカニズム
アクネ菌は皮脂を栄養分とし、
酸素のないところを好む性質をもった菌なのです。
ちなみに、こういう酸素のないところを好む菌を、
「嫌気性菌」と言い、
大腸にいる「ビフィズス菌」や「酪酸菌」なども
「嫌気性菌」にあたります。
毛穴が詰まってしまうと
皮脂の出口がふさがれるので、
毛穴の中はアクネ菌の栄養源が豊富に。
また、酸素と触れることも少なくなり
アクネ菌にとっての好環境ができることで
アクネ菌が増殖し、
”過剰”になってしまった結果・・・「ニキビ」になってしまうのです。
ちなみにアクネ菌の栄養源「皮脂」は本来、
肌を外部刺激から護る役割をしているのですが、
過剰な洗顔やホルモンバランスの乱れ、
脂質や糖質の多い食事などが続くことで
分泌が過剰になってしまいます。
毛穴の詰まりは、この皮脂の過剰分泌が原因なんです。
また思春期に増加する「男性ホルモン:アンドロゲン」には、
皮脂の分泌を高める性質があるので、
思春期にニキビがよくできるのは、
そういった皮脂の分泌増加が要因の一つになっているようです。
その他には、
元々脂性の肌の場合や、
ストレスの増加なども
ニキビの発生や悪化につながると言われいています。
ニキビの種類
ではニキビには種類があるのをご存じでしょうか?
ニキビは大きく4種類に分けられます。
「白ニキビ」「黒ニキビ」「赤ニキビ」「黄ニキビ」です。
白ニキビ
白ニキビは、毛穴の中に皮脂が溜まってしまった
「ニキビの初期」の段階です。
排出されなくなった皮脂が毛穴の中に溜まるので
ブツブツと盛り上がってきた状態です。
一方、赤い炎症を起こしてはいないので、
表面的には白いブツブツ状態に見えるので、
「白ニキビ」と言います。
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症状としては腫れや痛み、かゆみといった自覚症状はなく、
ニキビができていること自体に気付かない場合もあります。
パッと見ただけではわかりにくく、
触ると違和感を感じて気付くレベルです。
放置していると症状が進行していきます。
黒ニキビ
白ニキビから進行がすすむと、「黒ニキビ」になります。
黒ニキビはふさがっていた毛穴の入り口が開いて、
毛穴に詰まっていた皮脂や古い角質などが空気にさらされ、
それらが酸化されて黒くなった状態です。
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この黒ニキビも、白ニキビと同じで、
炎症は無く、痛みや赤みなどもありません。
赤ニキビ
白ニキビ・黒ニキビの段階を気付かず放置していると
毛穴の中でアクネ菌が増殖し、
炎症を引き起こしてしまいます。
炎症が起こっているので、
皮膚が山のように赤く盛り上がってきて、
赤みや痛みなどの症状がでてきま。
この状態が「赤ニキビ」です。
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炎症を抑えないと症状が悪化して、
「ニキビ跡」になってしまうこともあるので、
早めに炎症を抑える治療が必要です。
黄ニキビ
また、赤ニキビがさらに進行すると
「黄色ブドウ球菌」までもが繁殖して
”膿”ができてしまう
「黄ニキビ」になります。
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黄ニキビでは、
盛り上がったニキビの中央部の皮膚が薄くなってきて、
毛穴の中のクリーム色の膿が透けて見えるような状態になります。
毛穴の中で炎症が広がっていくと、
さらに強い炎症を引き起こし、
赤ニキビのように、痛みやかゆみを伴います。
このレベルになってくると、
クレーターのようなニキビ跡を残すリスクが高くなるので
皮膚科や美容皮膚科などの受診が必要です。
ニキビができてしまったら
ではニキビができてしまったら、
ドラッグストアではどんなお薬を購入するといいのか。
ドラッグストアで販売されている「ニキビ治療薬」に
配合される成分の主薬は、
「イオウ」と「イブプロフェンピコノール」の2つです。
まずイオウですが、一般的には
軽度から中等度レベルのニキビ(白ニキビ・黒ニキビ)など、
まだ赤い炎症を起こす前のニキビにオススメです。
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次にイブプロフェンピコノールですが、
発赤や腫れを抑え、ニキビの炎症が
広がらないようにする効果が期待できるので、
赤ニキビに用いるといいでしょう。
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またニキビがある時は、
患部を清潔にしなければいけません。
そのため”洗顔”は大切なのですが、注意することがあります。
▶洗顔時
ぬるま湯で素洗いをしてから洗顔する
洗顔料はしっかりと泡立ててから使う
優しく肌をなでるようにして洗う
泡が残らないよう、洗顔料をしっかり洗い流す
▶洗顔後
肌を擦らないよう、タオルを肌に押し当てるようにして水分を拭き取る
洗顔前よりも肌が乾燥しやすいので、なるべく早くスキンケアを行う
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いかがでしたでしょうか?
ニキビは健康な人の肌にもいる「皮膚常在菌」の一種、
アクネ菌によって起こります。
ただこのアクネ菌は、
普段は私たちの肌を守る役割も担っているので
「アクネ菌を除去する」ということではなく
「アクネ菌が過剰に繁殖しないようにケアする」という心掛けが大切です。
普段からの心掛けとして、
上記のポイントを意識して、1日2回程度は洗顔しましょう。
それと、しっかりとした睡眠・3食バランスのいい食事をとりましょう。
長くなりましたが、
今回は「ニキビ」のお話でした。
ではまた・・・👋
次回もお楽しみに(^_-)-☆
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