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阿蘇山:杵島岳、烏帽子岳(2022.4.19)②
翌日は6時前に起床。
少し外に出てみると熊本の街中に比べてだいぶひんやりとしていた。宿で飼っている白猫ちゃんが近くを走っていた。
登山に行くと言ったら予定の7時よりも早めに朝食を出してくださった。
「これは昨日取れたはちみつなの」とパン用のはちみつを紹介してくれる。「養蜂してるんですか?」訊くと、お母さんが「養蜂ってほどじゃあないんだけど、ちょっとやっていて昨日初めて分蜂したんですよ、もう、興奮しちゃった!」声のトーン自体は低いのに、とても可愛らしく「しちゃった!」と語尾を切るので、つくづくいいなあ、好きな感じだなあと思った。
朝ごはんは野菜たっぷりでとても美味しかった。どう考えてもこの宿、また来たい。
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右奥に自家製はちみつ。
さて、阿蘇山へ向かおう!7時半に出発。
平日の朝、山上へのドライブロードはガラ空きで最高だった。
山の上の方ではまだ桜が残っていて、今が盛りというくらい咲き誇っていて登山する前からかなり満足。
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草千里駐車場は有料なのだが、その少し手前に、8台くらい駐められる展望駐車場があり、平日の午前なら良いでしょうとそちらに停めてまずは草千里を見下ろす。
なんか人が多い、と思ったら修学旅行の一行だ。時間はまだ8時である。早すぎないか?
大人になってから、学生の時間設定ってどう考えても早いなと思うことがよくある。今日は早めに出社だ〜と思って家を出ると、ちょうど小学生の登校時間と同じくらいになったり。
いや、でもそれにしても8時に草千里にいるのはやっぱり早すぎないか?ちゃんと朝ごはんは食べたのかな…。
修学旅行生が草千里を班に分かれて歩き出したので、先に少し離れた杵島岳に行くことに。
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人は全然おらず、山頂で女性に一人会ったのみだった。
この杵島岳、結論から言うとほぼ登山じゃない。
ほとんど階段で、スニーカーなら全然登れる感じだった。
階段は疲れるから苦手だし、道も面白みがなくてちょっとがっかりしてしまった。
山頂に着くとちょっとしたお鉢めぐりができ、そこだけやっと登山という感じがした。ぐるりと回って東側や北側の景色も臨む。風が強くて土埃が時々舞い、もう一人の女性もちょっと困った顔をしていた。
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草千里がよく見える
その後、烏帽子岳へ。修学旅行生はまだ歩いている。
草千里ヶ浜のスケールが大きすぎてなんだか面白い。
杵島岳で唯一会った女性が少し前を歩いていて、一緒に道を間違えてふたりでエヘヘと言いながら正規ルートまで引き返した。
どうやら私と彼女は出足が少し早かったらしく、頂上から降りる頃になって他の登山客も増え出した。
彼女とはずっと付かず離れずで登っており、頂上で少しだけ会話をした。
聞けば、会津からずーっと自家用車で走ってきて九州入りし、2週間で九州のいろいろな山を踏破する予定なのだそうだ。
ずっと勤めていた医療系の職場を退職して、今回人生初めての九州とのこと。
どうかいい旅になりますようにと、心から思ったし、そう言った。九州は熊がいないので鈴はいらないんですよと言ったら驚いていた。
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開花前のミヤマキリシマらしき花の株をいくつか見つけながら、増えてきた登山客を尻目に下山。
草千里の草原を突っ切って、乗馬体験用の馬を間近に見ながら車に戻る。たまには午前中で切り上げるお手頃登山もいいなと思った。
それにしてもこれしきの行程で結構疲れたな~と思うくらいには疲労感があって、今シーズン、これからの登山は大丈夫だろうか?と少し不安に思った。
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つづく。