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熊本で飲む夜々③

※あまり飲むときに写真を撮らないので、
熊本にまつわるいろいろな写真でお茶を濁しています。

■葦善(水前寺)

泊まるなら水前寺が最適解だったのでは、と出張の残り回数も少なくなってきた頃に気づいた。
熊本の中心部は思いのほか都会すぎて、時々疲れてしまうことがある。それに対して水前寺はすべてがほどよいのである。
しかもJRと市電がクロスしていて交通の便が最強。車も市内中心部ほど混み合っていなくて、すべてがほどよい(2回目)。

飛行機から見る熊本。
街と田畑と川と山と海と、全部がある場所だ

大通りをぶらつき、なかなかお店が決まらない中で、パッと目に入った良い雰囲気のお店で足を止める。昼はラーメン屋、夜は居酒屋、なのだろうか?店内の様子も少し見えるので入りやすそう、ここにしよう。

入店するとおかみさんが明るく迎えてくれ、カウンターに着席。
おかみさんが優しいだけで一人飲みの肩身の狭さはぐっとやわらぐ。
おでんの文字がパッと目に飛び込んでくる。「今日はおでんが50円よ」わたしの視線に気づきおかみさんが教えてくれる。
コンビニよりも安いなんて、そんなことある?
「明日休みだからね、食べちゃってもらいたいのよ」食べようじゃないか。

そうして頼んだおでん、いくつか注文したけれどもコンニャクが衝撃的すぎて他に何を食べたか思い出せない。
煮込みすぎて溶けていて、コ××ャク(?)と言う感じだった。別の食べ物になろうとしていた。人間味のあるお店だなあと思った。

他にも、ヤマメの南蛮漬けを頼んだら、
「それ昨日、わたしが釣ったのよ」とおかみさん。
「え、釣りをするんですか?すごい」と言うと、
「釣り堀。孫に行きたいってせがまれて」と返ってきてずっこける。
「ちょっと釣れすぎちゃって、あーじゃあ店で使うかってなって」

お会計はとても安くて、お酒2杯、焼き鳥も食べた上で1680円だった。このお店、もう一度行きたかったなあ。
この時連日行ってもいいくらいだったのだが、最初に言われた通り、翌日はお休みなのであった。

江津湖でテレワークしてた。

■漁火(水前寺)

完全に賭けだった。ぶらぶら歩いていて、店頭にメニューも出ていなかったのだが、確か日曜か月曜でなかなか開いているお店がなくて、店構えだけでえいやっと決めて飛び込んだのだった。

「漁火」と言う海鮮系の店名に反して「刺身〇点盛り」などはなく、焼き物中心の居酒屋メニューだった。
お店はそこそこ賑わっていて、雰囲気も良くホッとしながらカウンターに着席。

「えのきバター焼き」と「しいたけバター焼き」どちらもおいしそうで選べず、「これって量を半々とかできますか」と一見さんのくせに図々しくお願いしてみたら「はい、できますよ」とおかみさんが二つ返事で引き受けてくれて嬉しい。

ふと二つ隣の席のおじちゃんを見ると、スイカ入りの素麺を食べている。メニューにそんなものは載っていないが…。
さらにすぐ隣のおじちゃんは、大将に「ケチャップある?」とおもむろに尋ね、「あるよ」「玉ねぎある?」「あるよ」「鶏肉は?」「まあ、ある」「よしじゃあ、チキンライス」という、お店側の逃げ道をなくす恐ろしい注文をしていた。玄人すぎる。わたしの頼みなんてメニューに載っているだけ可愛いものじゃないと思った。

仕事で行っていた森。
ミズナラをはじめとする広葉樹がうつくしい

5軒目につづく。


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