TYP!CAL RECORDS 音楽交流記 at バンコク
いつもお世話になっております。LADERのプロデューサー、中村義響です。
5月末から6月初旬、タイのバンコクに単身出張してきました。今回はLADERで運営しているレーベル、TYP!CALでリリースするタイのインディーズ・アーティストたちとの交流や、当地の音楽ビジネスのリサーチが目的。いくつか素敵な出会いもあり、LADERや山麓丸のこれからの展開にも繋がりそうな予感。簡単ですがレポートにまとめさせていただきましたので、LADERの活動報告としてご覧いただければ幸いです。
LOVEiS ENTERTAINMENT Co., Ltd.
最初に訪れたのは、日本のMANONとのコラボレーション企画をお手伝いさせていただいたPanpan Yeeyeeの所属するレーベル、LOVEiS Entertainment。
レーベルのアーティスト情報や日本の音楽シーンへの興味などヒアリングしました。
自社オフィスの敷地内にリハーサル・スタジオを併設しており、近隣にはレコーディング・スタジオも完備。スタッフは50名ほど所属。バンコクのインディーズとしては規模の大きなレーベルのひとつです。
LOVEiS Entertainmentは、映画館の跡地を利用した多目的施設「LIDO CONNECT」も運営しています。タイのカルチャーシーンの中でも発信力・影響力をもった音楽レーベルと言えそうです。
Daynim & YEEZAA MUSIC
続いてバンコクからBTSとタクシーを乗り継ぎ郊外に1時間ほど。今夏にTYP!CALから7インチをリリースするバンド・Daynimの所属している新レーベルYEEZAA MUSICのオフィスを訪問しました。DaynimのフロントであるPlengとレーベルスタッフの皆様と歓談。DaynimはTENDERのバンコク公演のオープニングアクトも決定しているそうです。
Rocketman(Live at Bonhomie Craft)
翌日はTYP!CALから7インチをリリースしたRocketmanのワンマン・ライヴに参加してきました。
会場はバンコクの郊外チャトゥチャック地区にあるクラフルビール・バー、Bonhomie Craft。小振りなキャラリー兼イベント・スペースとバーを備えた2階建の施設で、屋外には開放的なレストラン・エリアを併設。東京ではなかなか見当たらない、シティ感と心地よい抜け感が同居した居心地のよいベニューでした。
Rocketmanはバンコク出身の4ピース・バンドです。代表曲”Orange Coffee”は、TYP!CALの企画で藤原ヒロシによるリミックス・バージョンを制作させていただきアナログ盤をリリース。即ソールドアウトの人気作となりました。この日はサポートを迎えた6人編成でのフルバンド・セットで、3月にリリースされたファースト・アルバム『SUNSHOWER』からの楽曲を中心に、たっぷり1時間ほど演奏。
“Orange Coffee”は当地のファンの間でもアンセムとなっており、アンコールでの合唱状態に感動。メンバーも歓待してくれて、沢山お話しをすることができました。いつか日本でのライヴも実現できたらと思っています。
バンコク・アート&カルチャー・センター(BACC)
3日目の午前中は観光。宿泊していたホテルから徒歩5分のところに、バンコク・アート・カルチャー・センター「BACC」がありました。ニューヨークのグッゲンハイム美術館によく似ていると言われる螺旋構造になっていて、中央の開放感のあるアトリウムがダイナミックな建物です。常設のタイの現代アートの展示(上層階)が見応えありましたが、下層階では企画展が行われており、文化服飾学園のバンコク校の生徒による展示や、アートスクールの生徒たちによる中規模の展示が行われていました。
High Cloud Entertainment
夕方にはHigh Cloud Entertainmentを訪問。タイの音楽業界を牽引する人気ラッパーでもあるF.HEROの率いるHigh Cloud Entertainmentは、日本のLDHともパートナーシップ契約をもつレーベルです。EDM系から王道のT-POPまで様々な音楽性のアーティストが所属しています。
Bungkumhouse Records
中古レコードショップ、Bungkumhouse Recordsを覗いてみました。日本のインディーズ系のバイナルなども取り扱っていたため、店主さんからバンコクのレコード事情をお伺いしました。最近はとくにシティポップ系のアーティストが人気になっているそうです。買付はほぼ日本で行っている為に、当然ながら、値付けは日本の地方の中古レコードショップよりも高いくらいになっているのですが、来店中もお洒落をした女の子が試聴して買い物をしていきました。
Warehouse30
最終日はアートスポットを散策。こちらはチャオプラヤー川沿いにある古い倉庫をリノベーションして、カフェや雑貨屋などに改装した「Warehouse30」という場所。周辺はバンコクでも随一のウォールアートが集まるスポットにになっています。コロナ以降も新しいアートスポットが次々とオープンしているようで、芸術文化への投資がまだまだ伸びていく途上にある国の勢いを感じました。
Homecoming at RIVERCITY BANGKOK
参考:https://rivercitybangkok.com/homecoming/
「Warehouse30」のすぐ近く、リバーシティ・バンコクというギャラリーの集合した大型アート施設で開催されていた「Homecoming」というインスタレーションも見学してきました。抱えている感情をマークシートで埋めていきスキャンさせることで、パーソナライズされた感情をビジュアライズして見せてくれます。弊社がリコーの未来の会議室「PRISM」のプロジェクトで携わってきたプログラムにも近い表現が採用されていた、人物のセンシングと点群描写のコーナーや、ヨギボー&アンビエント音楽でチルさせてくれるコーナーなど、APPをガイドにしながら巡る充実のインタラクティブ体験。10代-20代前半の若者で混み合っていました。
Bangkok Pride Parade 2023
ちょうど帰国の週末がプライドパレードだったそうで、大型の商業施設ではレインボーを掲げたキャンペーンが行われていました。LGBTQコミュニティへの理解や規模が、日本社会と比較になりませんでした。
最後に
メモです。
✅クレジットカードはVISAが最強、次点でMASTER。アメックスはホテルくらいしか使えませんでした。やはり現金しか使えないお店やサービスも多いので、両替は多めにしておくべし。ガイド本などみるとチップが必要と書かれているのですが、ホテルやタクシー(お釣りを受け取らない)くらいで、街中の飲食店などでは不要です。
✅GRAB(配車アプリ)は大変便利なのですが、夕方以降はバンコク市内の渋滞がひどく、目的地によってはBTSを使った方が早いことが多いです。この判断が旅行者には難しく、現地ガイドついてもらって本当に助かったポイントでした。
✅バイクタクシーには二度と乗りたくない(ノーヘル&高速で車の間をすり抜けていく。めちゃくちゃ怖いです…)。トゥクトゥクは観光客しか乗らないとのことでしたが、最後に一度だけのってみました(動画参照)。これも見た目よりスリリングでした。
✅バンコクの物価、東京の2/3くらいの感覚かな? ネット上には月7〜8万円で生活できると出てくるのですが、それはかなり切り詰めた感じなのでは..。ここ1年の円安の影響もあるかなとは思いますが。タクシーや電車などの運賃はめちゃ安いです。
✅バンコク都心部の商業施設内、飲食店は20%以上は日系のフランチャイズで、その他の30%くらいも見慣れたグローバルチェーン。ローカルっぽいタイ料理は、わざわざお店を探して入るくらいの感じなのですよね。結果、うーん、まあ日本のタイ料理屋さんの方が美味しかった。これは次回の課題かもです。屋台の食べ物もトライしたかったのですが、短期滞在で体調にも不安があったので、今回は断念したのでした。