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漢方薬のススメ②〜怠さや酷い疲れ、感染症予防には?〜

コロナ第7波は落ち着いてきており、我が家の長女も、イギリス留学に向けて、旅立ちました。

しかし、海外からの入国制限緩和や、年末には第8波との予想もあり、日々の免疫力強化に力を入れていきたいところです。
また、コロナ後遺症で、咳とともに、怠さを訴える方も増えてきました。

そんなときに、オススメなのが、漢方薬!!

中国で推奨されているのは、補中益気湯です。

補中益気湯は、三大補剤(健康な体に必要な気力や、血液、エネルギーなどを補う漢方薬)のひとつです。
ウイルスでの重症化とは、免疫システムがウイルスを退治するスピードに追い付かず、体内のウイルスが増殖することで起こります。免疫システムが活性化するのには、時間がかかります。補剤を服用することで、最初から活性化した状態にし、ウイルスに備えることができます。

補中益気湯には、粘膜局所に存在するIgA(体内にウイルスが侵入してくるのを防ぐ物質)、体内のインターフェロン(ウイルスの増殖を抑える物質)を増やす作用などがあり、免疫システムを強めて、予防したり、重症化を防ぐ効果が期待されています。

補中益気湯は、生命活動のエネルギーである「気」の量が不足した「気虚(ききょ)」の状態の方に用いられます。「気」は、人の体を支えるすべての原動力のようなものなので、「気」が不足している方は電池が切れた携帯電話のようなもの。また、脾虚(消化機能の低下)に効果があります。
中(体の内側)を補い気を増やす”という意味で名付けられており、胃腸のはたらきを高め、食欲を出すことで「気」を増やし、「気」を上のほうに動かしてめぐらせることで、元気を補い、胃腸の消化・吸収機能を整えて疲れを改善します。

漢方薬は、西洋薬と違い、体質を改善するものであるので、次のような体質の方に、補中益気湯は効果があるとされています。

中気下陥
消化機能が低下すると生体内の気が上昇せず下に落ち込み、生体を保持安定させる力が低下する状態 代表的な症状として、内臓下垂、立ち眩みなど
気虚発熱
元気がなく疲れた時に起こる熱感・ホテリであり、“つかれぼてり”とも呼ばれる
冷たい水分を飲みたがる人は、こちらに該当します。

他の補剤には、十全大補湯と、人参養栄湯があります。
十全大補湯は、気虚血虚の方に効果があります。
気虚のほか血虚(めまい、動悸、生理が遅れる、量が少ない)にも効果があります。また冷え性の方に特におすすめです。
NK細胞(体内の悪い細胞を攻撃する免疫細胞)を活性化する作用が報告されています。
人参養栄湯も、気虚血虚の方に効果があります。特に、呼吸器症状(息切れ、汗をかきやすい、風邪をひきやすい)や、精神症状(不眠、動悸、不安など)に効果的です。

養命酒は、この2剤に生薬の構成が似ています。私は冷え性で、時々めまいも起こるので、養命酒を飲んでいます。

注意するところは、補中益気湯は体力虚弱な人に用いるので、体力の旺盛な人に用いても効果は望めません。コロナやインフルエンザなどに罹患後であれば、一時的に虚弱になっていると思われます。重い副作用はないとされますが、配合生薬の「甘草」を大量に服用すると浮腫(むくみ)を生じたり血圧が上がることがあります。(偽アルドステロン症)
複数の漢方薬を長期間服用している場合は、注意してください。

補中益気湯の味は甘いので、漢方薬が苦手でも飲みやすいです。
クラシエは白朮(ビャクジュツ)、ツムラは蒼朮(ソウジュツ) 蒼朮のほうが免疫賦活作用は高いといわれていますが、個人的には、飲みやすいのはクラシエです。
効果は比較的速く実感できます。速い方は4~5日、2週間くらいでほぼ効果を体感することができます。

病院にいくほどでもないけれど、カラダは不調を感じているような場合は、漢方薬がオススメです。漢方薬は体質により、同じ症状でも、チョイスが変わりますので、漢方に強い医師に処方していただくか、薬剤師にご相談してからご購入ください。

参考 MPラーニング 漢方講座 三浦於菟先生 虚弱者と老人
   クラシエ ホームページ


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