漢方薬のススメ①〜長引く咳には〜
コロナ第7波は落ち着いてきつつあるのですが、咳が長引く方、喉の痛みを訴える方が増えているような・・・・・
私は、気管支が弱く、風邪をひくと、半年くらいは咳が残るのですが、
長引く咳にオススメなのが、漢方薬の麦門冬湯です。
長引く場合は、痰があまり出ない空咳のことが多いのですが、麦門冬湯は、空咳に効きます。
漢方では、風邪等により、肺が熱を持ち、その熱が喉まで上がってきて、乾燥や咳としてあらわれ、熱が上半身に溜まっていると水のめぐりも滞るため、炎症を起こして熱を持った喉は乾燥した状態となり、粘り気のある痰や切れにくい痰になると考えます。喉に対処する治療をしないと、そのまま熱や乾燥が残り、咳が長引きます。
麦門冬湯は、肺や胃の津液(しんえき)の不足を改善する働きがあります。津液とは、汗や尿、粘膜など体内の水分の総称で、肺の津液が不足すると、咳が出たり、痰が切れにくくなります。また、胃の津液が不足すると口の渇き、唾液の減少、胃の不快感、食欲の低下などが起こりやすくなります。
津液の不足を補うことで、「気」の通り道である気管全体が潤い、空咳に効果を発揮します。
麦門冬湯に使われている生薬は、胃腸薬でもある生薬が多く、胃腸にはとても優しい漢方薬なので、胃が弱い方でも安心です。
他に、咳のタイプによっては、別の漢方薬が有効な場合があります。
咳込みが酷い場合(石膏が入っており、カラダを冷やす また気管支拡張作用がある麻黄も入っている)は麻杏甘石湯
湿り気のある痰、粘り気があってなかなか痰が切れないような感じの咳は、清肺湯を選びましょう。
色が付いた痰が出る場合は、肺炎をおこしている可能性がありますので、医療機関を受診してください。
津液を増やすので、むくみ、高血圧、心臓、腎臓疾患の方は要注意です。
副作用について
甘草という生薬が含まれているので、大量に服用すると体内のカリウムの濃度が減り、むくみを生じたり血圧が上昇する、偽アルドステロン症、ミオパチーを引き起こすことがあります。
他の漢方薬を服用されている場合は、医師・薬剤師に相談してください。
偽アルドステロン症は、手足が怠い、しびれやつっぱり、こわばり
さらに、力が抜ける感じ、こむら返り、筋肉痛が現れて、だんだんきつくなります。
ミオパチーの症状は、筋肉の痛み、筋肉のこわばり、筋力の低下などです。
麦門冬湯は、服用して数日で、症状が改善されますので、効果がないと感じた場合は、別の漢方薬に切り替える、医療機関を受診するなどしてみてください。
非喫煙者の場合、医療用咳止め薬より、麦門冬湯のほうが、効果が速く出たという研究報告もあります。薬局でご相談の上、ご購入ください。