#1:上毛かるたで群馬をマーケティング
こんにちは、渡邉と申します。
ある知人から『noteやった方がいいよ!』と言われ、また先日受講したセミナーの中でもnoteの事が紹介され、よく分かってはいないのですがアカウントを作って今に至っております。
普段は『マーケティングリサーチコンサルティング Lactivator』という一度では絶対に覚えてもらえないような名前のコンサル事務所を横浜で経営しており(Lactivator=ラクティベータと読みます)、またそれと並行して『一般社団法人KING OF JMK』という法人の代表理事もやっています。
後者(KING OF JMK)は僕の故郷:群馬県の郷土かるた『上毛かるた』を使って群馬の活性化に貢献しようと2013年から活動を開始した団体です(法人化は2017年)。
JMK=上毛かるたの略で、『KING OF JMK~おとな達の上毛かるた日本一決定戦~』というイベントを毎年東京で開催しています。またそれ以外にも上毛かるた関連のイベントやアプリの企画などにも携わっています。
上毛かるたの全国大会構想
上毛かるたとマーケティングって、全然違う事をやっているんですねと思うかもしれません。
しかしそもそもは「地域活性化にマーケティングのノウハウを生かす」ことを目的に2012年に副業で『Lactivator』というWebサイトを開設したのが全ての発端です。(もちろん本業の会社には内緒で開設しました。)
当時自動車メーカーでマーケティングリサーチの仕事をしており、そこで得た経験や知識を地域の活性化に活かせないかと考え、まずはブログのようなサイトを作ったのです。
おかげさまで当時、開設初年度にいくつかの自治体から講演の仕事をいただきました。
・・・ですが。
僕の故郷:群馬県からは何もオファーがありませんでした(泣)。
まあ考えてみれば、いくらWebサイトを運営しているからとはいえ、どこの馬の骨だかわからないマーケッターに初年度から仕事をオファーする自治体の方がおかしい(笑)と思いますが、当時の僕としては何か群馬の活性化のお手伝いをしたかった訳です。
とはいえ待っていても群馬から何か話が来るわけではないので、『勝手に何か企画してやってみようかな』という感じで色々考えてみたのです。
そして、思いついたのがKING OF JMKの発端となる、
『大人向けの上毛かるたの全国大会をやる。』
という1つの構想でした。
上毛かるたができて70年以上。
昔、上毛かるたの猛者と言われた人たちは今や日本全国に、いや世界に散らばっているかもしれない。
その猛者達を集めて"真の日本一決定戦"を行えば、それは面白いんじゃないかと。
群馬の皆さんも『上毛かるたっていくら強くなっても全国大会がないんだよね~』とネタで使うことが多々ありますし。
しかも群馬でやるのではなくて東京でやってみてはどうか?
その方が県外の人たちに上毛かるたを見せて群馬を知ってもらう機会にもなるし、何しろ東京開催の方が"なんとな~く"全国大会っぽい・・・
と考えを膨らませていった訳です。
□□と言えば○○
なぜ群馬の活性化の為に"上毛かるたの全国大会"をやろうとしたのか?
そこをもう少し詳しく話さないといけません。
当時僕は自動車メーカーでマーケティングリサーチの仕事をやっていたと書きましたが、その中でも『ブランドリサーチ』というものを長く担当していました。
要するにそのメーカーや、メーカーが出しているクルマのブランド力を調査し、それを高める為に何をすべきかを考えて戦略に織り込むという仕事です。
僕が務めていた自動車メーカーの名前は・・・ご想像にお任せします。
ただ、そのメーカーにはブランディングにある課題を抱えておりました。
それは、
『□□(その自動車ブランド)と言えば○○』
と言えるものがイマイチ足りないということです。
マーケティングではそれをブランドフェイスなんて言ったりします。
例えばトヨタと言えば『環境性能、プリウス、ハイブリッドカー』といった"地球にやさしい"というワード、ホンダと言えば『エンジン、F1』といった"走りの性能"に関するワードが多くの人の頭の中に出現するはずです。
ただ僕が務めていたメーカーの場合は当時、これといった『顔』となるイメージが世間になかった訳です。
それがないと、お客様はクルマを買う時に選択肢としてうちのメーカーを選んでくれにくくなります。
その為僕らは色々と調査をして、『トヨタ、ホンダと差別化する為にどんなイメージ戦略を打つべきか』を社内で色々考えていた訳です。
群馬と言えば・・・何なん?
さて、そんな事を僕は自動車メーカーのマーケッターとしてやっていた訳ですが、当時同じような課題を持っている所が僕のすごい身近にもありました。
はい、それは何を隠そう・・・
我が故郷:群馬県です。
僕も長年横浜に住んでいて県外から群馬を見ておりますが、やっぱり群馬県は影が薄い。
群馬出身ですと東京近辺で言えば、
『群馬って何があるの?』
という質問を頻繁に受けます。
更に仕事で関西の方に行けば、
『群馬って仙台とかの方やったっけ?』
と真顔で聞いてくる人もたくさんいます。
ホント、小学校の地図帳持ってきてカドで殴ってやろうかと思ってしまうくらい。
また当時TwitterやFacebookで、『長野なう』とつぶやいていた私の友人の写真が思いっきり草津温泉だったことは今でも忘れられません。
でもそんなモノなのです。
そもそも『群馬といえば○○』というイメージがないから、群馬に何があるかも知らないですし、場所すら認知してもらっていないし、草津温泉すらも長野県の仲間にされてしまう訳です。
しかも当時は香川県がいきなり『うどん県』と言い出して話題になっていた頃。
今となっては群馬県は『特にイメージがない』というイメージでそのまま売り出せばいいじゃないかとも思っていますが、当時は群馬県出身者として『こりゃ何とかせにゃ・・・』と考えていたのです。
上毛かるたのない群馬は、ただの群馬
じゃあ群馬のブランドフェイスって何なのか?
香川がうどんなら、群馬は何なのか?
僕の中には1つのアイデアがありました。
それは『上毛かるた』って群馬のブランドフェイスになりえるんじゃないの?ってことです。
というより、『上毛かるた』こそ群馬のブランドフェイスにふさわしいんじゃないの?ってことです。
かるたって他の県の人から見れば、たま~に正月とかにやる単なる子供の遊びです。
というか、僕は横浜で2人の子供を育てていますが、近所でかるたやっている子供なんて見たことがありません。もちろん"かるた"という遊びは知っているはずですが、それをやるという文化が他県には現代にはもうないのです。
しかし群馬に帰ると、
『今晩、近くの公民館で上毛かるたの練習があるんだ!』
『あ~! "よ"の札取ったな! このスケベ!』
『え、力合わせる180万世代ですか!?同世代ですね!』
というのは普通の会話です。
それだけ『かるた』という文化、特に『上毛かるた』という他の県にはない特異な文化が浸透している証拠です。
確かに讃岐うどんに比べると商売っ気はないので、観光客促進や地域経済拡大につなげるのはちょっと難しいですが、ブランディングという面ではぜ~~~ったいに他県とはかぶらない非常に良いツールだと思った訳です。
という感じで、『上毛かるたで群馬をマーケティング』という考えのもと、2013年2月23日(土)に第1回KING OF JMKを東京:銀座のアンテナショップ「ぐんまちゃん家」で開催を致しました。
2020年は新型コロナウイルスの影響によりやむなく開催を中止しましたが、2019年までに計7回の大会を開催しています。
今回はここまでにしておきますが、今後noteではKING OF JMK開催までの道のり、大会を通じて感じていること、僕はこれから上毛かるたで何をやろうとしているかなどをつらつらと書いていきたいと思います。
定期的に公開・・・という訳ではなく、自分のペースで書いていきますので、良ければ今後も読んで下さい。
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